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「Staffer Case」レビュー

韓国産超能力推理アドベンチャー

201本目のゲームレビューです。

評価

82点

〇良ゲー

超能力を使ったユニークなトリックや超能力者(ステッパー)とそうでない人との格差や人間関係を書いたストーリーが素晴らしいと思いました。

『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2023年4月30日 PC(Steam)

※2024年4月26日にグローバル版(日本語)リリース

どんなゲーム?

韓国のインディーゲーム開発チームTeam Tetrapodが公開する推理アドベンチャーゲーム

住民の1割が超能力を持って暮らす1960年代のロンドンで超能力者(ステッパー)が関わる事件「マナ事件」専任チームの新人捜査官ノートリックがステッパーである同僚達の助けを借りて事件を解決する。

感想など

※ネタバレについて

本レビューでは、具体的な犯人名やトリック、結末のネタバレは控えていますが、後段で各チャプターの感想を書いており、事件現場など各話の概要やチャプター数などのネタバレを含みます。

超能力推理アドベンチャー

『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』(以下、「Staffer Case」)は、韓国産の推理アドベンチャーゲームで、殺人事件に超能力「ステップ」と超能力を扱える人「ステッパー」が大きく関わってくることが特徴です。

ステッパーは空を飛んだり、触れずにものを動かしたり、瞬間移動したりなど様々な能力(スキル)を持っており、これによって生じた事件は不可解で不思議な事件となります。

事件の容疑者は超能力者

また、ステッパーは事件の容疑者だけではありません。主人公のノートリックはステッパーではないですが、捜査チームの3人の同僚は全員ステッパーで彼らのスキルで証言の嘘や現場の痕跡を発見しながら捜査をすることができます。

テナのスキルは相手の嘘を見抜く

ブリアンは足跡や指紋の痕跡を可視化できる

レッドフィンズは触れたものの記憶を読み取れる

このように「Staffer Case」は、超能力という要素を事件のトリックや捜査に上手く組み込むことでただのミステリーではなく、ユニークな推理アドベンチャーとして楽しむことができるようになっています。

シリアスな逆転裁判

「Staffer Case」は見た目からはそう感じないかもしれませんが、「逆転裁判」に似ていると感じられるところが結構あります。

例えば、容疑者から供述をとり、証言の嘘や矛盾を突きつけるところです。

容疑者の証言の矛盾を探す

さらに、「Staffer Case」の超能力が事件のトリックや捜査に大きく関わってくるという部分も逆転裁判で霊媒という超人的な能力が事件に登場するという点で重なりますし、もろに逆転裁判をオマージュしたようなやり取りもあります。

逆転裁判のオマージュ

ただし、「Staffer Case」「逆転裁判」ほど尖ったキャラクター、突飛な展開やギャグなどのコミカルな要素は控えめで、どちらかというとシリアスな雰囲気です。

もっとも、「Staffer Case」のキャラクター達も魅力的ですしユーモアもあります。ただ逆転裁判ほど濃くはないという程度です。

よく描かれた世界観とストーリー

「Staffer Case」の世界では、一部の人間が遺伝によらず後天的に超能力を持つという架空の世界観です。

その設定はよく練られていて、特にステッパーが保有するスキルに危険度として「アンアームド(非武装)」「ボウイ(刃物)」「コルト(拳銃)」「エスティエンヌ(戦車)」「オッペンハイマー(原爆)」というように数字やアルファベットではなく名前で付けられているのがワンパンマンの災害レベルみたいで格好良かったです。

ステッパーには武器の設計者の名前の危険度がつけられる

ステッパーが世界の人口に占める割合は少数ですが、超能力により危険度と同等の武器を所持しているのと同じ危険があるものとみなされ、多数のステッパーでない人々からは差別され徹底的に管理されているという社会問題があります。

「Staffer Case」のストーリーでは、このような舞台となる世界の詳細や背景が非常に細かく丁寧に考えられており、その社会で起きる差別や人権の問題について、主人公の葛藤や人間関係を各話で見事に描いている点が素晴らしいと思いました。

事件を解決するも葛藤するノートリック

各チャプターの感想

ここからは各チャプターの感想を簡単に述べていきます。最初に書いたように若干ネタバレを含みますので注意です。

Case.1 舞台裏

主人公のノートリックがロンドンに来て最初に捜査することになる事件です。

現場や容疑者達がサーカス団ということで、やはり逆転裁判に似た雰囲気が感じられます。最後まで結末が分からない上、ミスリードに見事に引っかかって進んでしまうなどよくできたお話でした。

Case.2 ペットショップ

こちらのお話も展開が二転三転してどうなるか分からない話で面白かったです。内容は最後まで暗くて重い感じでしたね。

Case.3 魔法使いの部屋

眼鏡がクズすぎ。

最後の被害者の命を奪った仕組みはちょっと強引かなぁと思いました。

Case.4 宿り木

自信に向けられた害悪を全て断絶するという無敵のスキルで危険度最高レベル「オッペンハイマー級」の超能力者が殺されるという事件。容疑者も同じオッペンハイマー級の超能力者というスケールの大きい話でワクワクしました。

Case.5 向こう側

最終話なのであまり詳しくは書きませけど、意外な展開に驚かされて面白かったです。いい人だと思ってた人が意外に悪い人で、悪い人だと思ってた人が意外にいい人でした。



以上

『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』のレビューでした。

 

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