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『ボウと月夜の碧い花』の感想・レビュー

和風ホロウナイト

202本目のゲームレビューです。

評価

83点

〇かなりの良ゲー

難易度調整などやや雑な部分もありましたが、快適なアクション、和風に統一されたグラフィック、アニメーション、音楽など総じて高いレベルにまとまったゲームだと思います。

アクションはホロウナイトの影響を大きく感じられますが、本ゲーム特有の和風テイストな世界観などホロウナイトにない魅力もあります。

『ボウと月夜の碧い花』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年7月18日 PlayStation5(4)/Xbox Series(one)/Switch/PC

どんなゲーム?

タイの二人組インディーゲー厶制作チームであるSquid Shock Studiosが開発し、マーベラス(PC版はHumble Games)が販売する和風テイスト2D探索アクションゲーム(メトロイドヴァニア)

日本神話をモチーフとしたアヤカシの住む世界で小さな妖怪ボウが、世界滅亡の危機を解決する冒険の旅に出る

感想など

和風妖怪メトロイドヴァニア

『ボウと月夜の碧い花』は、タイの二人組のインディーゲーム開発チームがKickstarterキャンペーンの成功を経て制作した2D探索アクションゲーム(メトロイドヴァニア)です。

特徴はなんといってもその美麗なヴィジュアルで日本の神話・伝承をモチーフとした世界観を手書き風のイラストと和風の情緒あふれる音楽で見事に表現しています。

和風イラストが綺麗なグラフィック

キャラクターのデザインも秀逸で、メインキャラクターのボウと道中で出会う狐や兎、猫などの姿をしたアヤカシと呼ばれるNPCキャラクター達は、非常に個性的で魅力的に描けていると思いました。

個性的なキャラクター達

メトロイドヴァニアはジャンルそのものの人気と開発のしやすさからインディーゲームで非常によく採用されるスタイルですが、本ゲームのビジュアルはその中でも際立っていていて、数多くある同ジャンルのインディーゲームと上手く差別化できている思いました。

華麗な空中戦と叩き飛ばし

『ボウと月夜の碧い花』の特徴的なアクションとして空中戦叩き飛ばし(棍棒アクション)があります。

ボウのジャンプ攻撃は敵やギミックにヒットさせることによりマリオの踏みつけのように跳ね上がりそこからさらにもう1回空中でジャンプや空中ダッシュできるようになります。これにより延々と空中にいながら敵と戦ったりトラップをくぐり抜けたりします。

空中で攻撃し続ける

叩き飛ばしは、序盤で竹棍棒を入手することにより可能になるアクションでギミックや敵の撃ってきた弾を別の方向に狙いをつけて飛ばすことが可能です。

敵弾を打ち返す時はタイミングを合わせる必要はなく、Bボタン(SwitchならAボタン)を押しっぱなしにしていれば弾が近くに来たときに勝手に拾ってくれるので見た目以上に簡単で爽快です。

ただ、中盤で同じボタンを使ったアクションが増えるとたまに暴発してしまうことがありました。

ギミックや敵弾をポンポン弾き返すのが爽快

ホロウナイトなゲームシステム

『ボウと月夜の碧い花』はメトロイドヴァニアスタイルのインディーゲームの名作『ホロウナイト』から大きな影響を受けいます。

ボウのジャンプや攻撃、ダッシュなど基本的なアクションの操作感やライフなどのUI、システムなど様々な部分でホロウナイトの影響を感じられます。特に類似しているのは、ボウの回復やだるまアクションで使用する「茶の湯」システムです。敵を殴ってゲージを貯めたり回復に大きな隙が生じるところなど、ホロウナイト「ソウル」とほぼ同じシステムになっています。

茶の湯はホロウナイトで言うところのソウル

このように「和風ホロウナイト」と言っても過言ではないくらい似ている部分が多いのですが、ソウルライクのような厳しい難しさがあったホロウナイトより少しだけ優しくなっている部分もあります。それは、デスペナルティがないことです。

ホロウナイトはアクションと探索の難しさでも有名なゲームで、その高難易度の一因に死亡時に所持通貨を落とし最大ソウルが減少するというソウルライクでよくあるデスペナルティのシステムがありましたが、『ボウと月夜の碧い花』には同様のシステムはありません。正直、これは有り難いですね。どれだけボスにやられてもペナルティがないので気にすることはありません。

ただし、だからといって本ゲームが難しくないかというとそうでも無いんですけどね(理由は後述)

気になった点

主に難易度に関する点や「そこはホロウナイトと同じにしなくていいのに…」といったところで以下のように気になった点がありました。

1.ザコもボスも硬い

ザコもボスも感覚として「これくらい叩けば倒せるやろ」の2倍くらい叩かないと倒せないくらい耐久力があります。3〜4発叩けば十分じゃない?ってザコ敵が7発くらい叩く必要があり、これが数匹まとまって襲ってくるとかなり面倒くさくなります。

ボスも硬くて最終段階に至るまでに長期戦になりミスした時やり直しが辛いです。(特にラスボス)

ザコもボスも硬すぎ

一応、鍛冶職人を見つければ武器のパワーアップをして火力を上げられるのですが、見つけるのは本当に最終盤(きつねの巣穴の一番左下にいます)で、そこまで劇的に攻撃力は上がりません。

敵の耐久力についてはオプションの設定項目で調整できれば良かったと思います。

2.回復とだるまアクションでリソースが同じ

ホロウナイトも同じですが回復1回とスキルやスペルなどの技のアクション1回で同じリソース量だったらアクションの方は使わないです。

実際私は沢山あるだるまアクションは暴発以外では1回も使用しませんでした(^_^;)
回復とだるまアクションのリソースは分けた方がいいと思います。

たくさん種類があってもほとんど使わなかっただるまアクション

3.「どこからでもファストトラベル」がない

ファストトラベルはありますが、特定地点から特定地点にワープする仕様です。

これは探索時に最深部まで行った時に戻るのが非常にダルくなります。

「どこへでもファストトラベル」までは必要ありませんが、どこからでもマップを開いたら特定地点に飛べるようにはしてほしかったです。

ファストトラベルは特定地点からのみ

4.難易度調整に雑な部分がある

中盤以降の難易度が不安定で一部の場所やボスが異様にムズい時があります。

何というか小学生がマリオメーカーで作った「俺の作ったステージクリアできるもんならやってみな」みたいな無茶苦茶な敵とトラップの配置があったり、後半は、高難易度アクションゲームのCeleste(セレステ)みたいな難しいアクションを要求されます。

ゲームとしてある程度の歯ごたえがあるのは良いことですが極端に難しいのは、ほとんどストレスしかありません。「難易度高すぎないから大丈夫だよ!」とすれば、本作をホロウナイトと差別化する大きなアピールポイントになったと思うのですが、残念ながらそこまで優しいゲームではありませんでした。

まとめ

『ボウと月夜の碧い花』は、きれいな手書きビジュアルと独特な和風の雰囲気、ホロウナイトのような軽快なアクションで非常に完成度の高いメトロイドヴァニアだと思います。

ハシヒメと戦っていたあたりは、最高に面白くてホロウナイト以上のメトロイドヴァニアかと思えるくらい完璧でした。

しかし、そこが本作の一番ピークでその後は、敵の硬さや難易度調整の不安定さが目立ち、そこまでの傑作とまでは至らないかなぁという印象に落ち着きました。

とはいえ、非常に良くできたゲームであることは間違いないのでメトロイドヴァニアファンには自身を持っておすすめできるゲームです。

メトロイドヴァニアファンにはオススメ

以上

『ボウと月夜の碧い花』のレビューでした。

 

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