207本目のゲームレビューです。
評価
81点
〇かなりのホラーゲー
昭和の日本を見事に表現した高品質のグラフィック、暗いけど哀愁漂うストーリー、テンポよく進むゲーム、張り詰めた空気を和らげてくれるおまけ要素など大変良くまとまっています。
基本、たった2人でこのゲームを作ったというからすごいですね。
『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2023年12月7日 | PC(Steam) |
2024年7月25日 | Switch |
どんなゲーム?
日本のインディーゲーム開発チームNayuta Studioが制作した一人称視点ホラーアドベンチャーゲーム
1980年代の日本、大学生の陣場湊(じんばみなと)が、訪れた祖母の家で恐ろしい事件に巻き込まれる
感想など
本格的なホラーゲーム
『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』(以下「ウツロマユ」)は、1980年代の昭和末期の日本を舞台とした一人称視点ホラーゲームです。
私は怖いのはどちらかというと苦手で、高校生の頃にバイオハザード2をプレイして恐怖体験をして以来、大人になってからは、比較的怖さ控えめな「リトルナイトメア」や「恐怖の世界」、「パラノマサイト」、それから、ホラー要素はあるもののホラーゲームではない「Ghostwire:Tokyo」や「8番のりば」をビクつきながらプレイするのが精一杯でした。
しかし、「ウツロマユ」はSteamのページのスクリーンショットなどを見ればわかるとおりガッツリ怖い本格的なホラーゲームです。
まず、舞台が昭和の廃村寸前の村の家という時点でもうチビリそうなくらい怖いです。
また、「ウツロマユ」は、追跡者からひたすら逃げ隠れするステルス要素を中心にしたホラーゲームのですが、このようなスタイルのステルスホラーはバイオシリーズのように銃で敵を倒せるサバイバルホラーと比べるとプレイヤーが完全に無力であるため、より心理的な恐怖を感じます。
一応、本作の追跡者である「バケミちゃん(仮称)」は、慣れてくれば他のステルスホラーゲームの追跡者より恐ろしくはないかもしれませんが、それでもホラー苦手な人には十分に怖い存在です。
当然ですが、ジャンプスケアもあります(ただし、そこまで多くはない)
このようにガチで怖いホラーゲームを実況動画で見ることはあっても自分でプレイすることは殆どなかったので、本作のプレイは私にとっては随分と勇気を試される挑戦となりました(^_^;)
リアルで美麗なグラフィック
「ウツロマユ」の特に優れた点として非常にリアルで美しいグラフィックが挙げられます。
このリアルすぎる景観のマップの制作は、Nayuta Studioのデザイン担当であるKOZUE氏が一人で仕上げられたというので驚きですね。
夕暮れの昭和の日本の雰囲気などがとてもよく表現されています。そして、グラフィックがリアルであればあるほど、ゲームへの没入感も高くなり怖さも倍増するという効果をもたらしてくれています。
グラフィックは美麗であるものの、動作が重くないというのもポイントです。
これは「ウツロマユ」のゲームエンジンがUnrealエンジンではなく、Unityエンジンを採用し、グラフィック表現をゲームエンジン自体のパワーよりもモデリングや陰影の配置、マップデザインを工夫することによってできる職人技でなせるものと思いました。
恐怖を忘れて遊んでしまう10円ゲーム
「ウツロマユ」の世界で大きな存在感を放っているのがバケミちゃん…ではなく10円ゲームです。
昭和の世界の雰囲気に見事に溶け込んだレトロなデザインも秀逸ですが、実際に10円玉を使用して遊べ、それが面白いのだから素晴らしいです。
10円ゲームは種類も3種類あり、当たりに入れば景品としてクリア後にバケミちゃんの見た目などを変更するコスチュームをショップで購入するための当たり券をもらえます。
シンプルながら面白くて、景品まであるのでついつい恐怖を忘れて熱中して遊び続けてしまいますね。
中にはこっちのほうがゲームの本体というくらい遊んでしまう人もいるのではないでしょうか。
ちなみに、クリア後にショップで無限10円を購入すれば残金を気にすることなく10円ゲームで遊ぶことができるようになります。ヤッター!
哀愁のあるストーリー
「ウツロマユ」のストーリーは攻略中に拾う関係者の日記から読み解くことができます。
詳しくはネタバレになるので書きませんが、関係者達の苦悩や想い、狂ってしまった人間関係から悲劇が生み出されたとても切なく哀愁の漂うストーリーとなっています。
ストーリーを読み解くことでバケミちゃんの正体も分かれば怖いというよりかわいいと思えるようになるかもしれませんよ。
また、本作はマルチエンディングでアナザーエンド(真エンドではない)を見るためには2周目をプレイする必要があります。「えーまた怖い思いしないといけないの」と思うかもしれませんが、2周目はショップでバケミちゃんの声や姿を変更できます。髪の毛をピンクにして猫耳と鼻眼鏡かけさせて声を猫の鳴き声にしてしまえばそんなに怖くはなくなるでしょう。
とはいえ、逃げなければいけないのは変わらないのですが(^_^;)
逆にバケミちゃんが逃げてくれるアイテムとかも売ってほしかったですね。
まとめ
クリアまでは、3時間程度ということもあり、なんやかんやで怖いのが苦手な私でもスリルと恐怖を楽しむことができた「ウツロマユ」ですが、かといって「怖いのが苦手な人でも大丈夫なゲームです」と胸を張って言えるか、というとなかなか難しいところです。
怖さを軽減する要素はあってもガチのホラーゲームであることは変わりませんので、当然めちゃくちゃ怖いです。
しかし、美麗なグラフィックや哀愁のあるストーリー、面白いギミックやパズルなど、とても良く出来たホラーゲームなので怖いのが苦手でないという人には間違いなくオススメできるゲームです。恐怖体験ができるホラーゲームをお探しの方はプレイしてみてはいかがでしょうか。
以上
『ウツロマユ - Hollow Cocoon -』のレビューでした。
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