227本目のゲームレビューです。
評価
??点 ※総合スコアはレビューから30日後以降に更新されます。
〇神リメイク
見た目は今時の3Dグラフィックでも中身は原作に忠実でさらに遊びやすくしたという素晴らしいリメイクです。
ロマサガ2に思い出のある人ほど神ゲーです。
『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(ロマサガ2リメイク)とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2024年10月24日 | PlayStation5(4)/Switch/PC(Steam) |
どんなゲーム?
1993年12月にスクウェアからSFCで発売されたRPG『ロマンシング サ・ガ2』を現在の3DグラフィックでフルリメイクしたRPG
かつて、世界を救ったという伝説の「七英雄」達と領土を広げるバレンヌ帝国の皇帝との何世代、何百年にも渡る壮大な戦いが繰り広げられる
感想など
サガシリーズの思いで
私がスクウェアのサガシリーズで初めてプレイしたのはSFCの「ロマンシング サ・ガ」(1992年1月発売、以下「ロマサガ1」)です。
ロマサガ1は、それまでに発売されていたゲームボーイ用の「Sa・Ga」三部作や、既に日本でドラクエに次ぐ人気のあったFFのスクウェアという会社のブランド力もあり、発売前から話題を集めていました。私やゲーム好きの友人たちも楽しみにして購入したものです。
振り返ってみると、ロマサガ1は未完成で荒削りな点も多かったのですが、当時はそんな細かいことを気にせず、夢中で楽しんだ思い出があります。
その約2年後の1993年12月、「ロマンシング サ・ガ2」(以下、「ロマサガ2」)が発売されます。ロマサガ2は、ロマサガ1の問題点の多くを解消し、完成度の高いRPGとして仕上がっていました。当時の私は、何回もクリアするまでやり込むほどハマり、サガシリーズの中でも自分が最も思い入れのある作品になりました。
次に発売されたのはロマサガ3(1995年11月発売)ですが、実はロマサガ3は友人がプレイしてるのを見ていた(今で言う「動画勢」)だけで、実際にプレイするのは、もう少し後になります。ただし、音楽は大好きでサントラだけは持っていました。
その後、1997年7月にPlayStationで「サガ フロンティア」(サガフロ)が発売されます。シリーズの中でも特に伊藤賢治氏の楽曲が素晴らしく、各キャラクターのラスボスに異なる専用バトルBGMが用意されているなどとても豪華でシリーズ最高傑作に挙げる人も多い作品です。
実際、この頃が私の中でのサガシリーズのピークだったと思います。
1999年にはサガフロ2が発売されました。世界観や音楽は良く、それなりに楽しめはしたもののサガシリーズの特徴であった自由度が大幅になくなったことなどから不満もあり、賛否両論なゲームでした。
この頃から、サガシリーズの方向性に疑問を持ち始めるようになります。
そして、2002年に伝説のクソゲー『アンリミテッド:サガ』(アンサガ)が発売されます。
今でこそ、「システムを理解すれば面白い」とか「スルメゲー」などと言われていますが、そんなの予め情報を知った上で500円以下で買ったから言えることです。
期待をして発売日にフルプライスで買ってみたら思ったのと全然違うつまらないゲームだったのは悪い意味で本当に衝撃的でした。
数時間プレイしただけであまりのつまらなさに絶望した私は「世間にクソゲーであることがバレる前に早く売らなきゃ!」と察してダッシュでゲーム屋に売りに行った思い出だけが残っています(多分5000円くらいで売れた)
そんなことで、アンサガにより私の中でサガシリーズと河津氏の信用は完全に失墜することになります。
アンサガでサガシリーズへの興味が冷めた後も、2005年6月に発売された「ロマンシング サガ ミンストレルソング」(ミンサガ)はロマサガ1のリメイクということで期待を持って購入しました。
しかし、ミンサガは世間的には評価は高いものの、あくまでロマサガ1のリメイクを求めていた私はハゲになったガラハドや周回前提のシステムに馴染めず途中でやめてしまいました。
同じくロマサガ1に熱中した友人にも貸しましたが、やはり合わなかったようで次の日に「なんか違う」と突き返されました。
以来、現在(2024年10月)までサガシリーズをプレイすることはなくなります。
思い入れのある「ロマサガ2」のリメイク
『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』(以下「ロマサガ2R」)は、私がサガシリーズの中でも特に熱中した「ロマサガ2」のリメイクですが、当初、あまり興味はなく買う予定もありませんでした。
なぜなら、上で長々と書いたようにサガシリーズに関して冷めきってしまっていたからということもありますが、スクウェアのリメイク(リマスター、移植)作自体、「低品質」、「劣化(改悪)」、「原作破壊」というゲームがよくあり、原作が好きであれば好きであるほどガッカリしてしまう可能性が高かったからです。
小林智美氏のイラストよりもやや軟派になったイメージのキャラモデルも不安要素でした。
しかし、発売間近になってきてから七英雄とのバトルの紹介映像やXで体験版をプレイしているフォロワーのポストを見て、「見た目以上に原作に忠実そう」、「開発の中心スタッフが河津氏じゃなくて、聖剣伝説3のリメイク(「聖剣伝説3 TRIALS of MANA」)作った人」ということで俄然興味が湧き予約・購入に至ります。
プレイしてみて
プレイする頃にはもう期待しかありませんでしたが、結論を言うと期待を遥かに上回るほど良かったです。神リメイクです。
まずは、グラフィックが3DになろうがキャラクターがVtuberみたいになろうが根本的な部分は原作にしっかり忠実なのが大変良かったです。
帝国と七英雄の何百年にも渡る因縁のストーリーは、原作通りに進んでいきます。
「流し斬りが完全に入ったのに」や「これでアバロンのダニが一匹減ったな」などの迷台詞などもそのままです。
原作の雰囲気を再現するのに大きな役割を果たしているのが伊藤賢治氏の楽曲です。
ゲーム内の曲はリメイクバージョンとオリジナルバージョンの2つが選べますが、オリジナルにすると当時の記憶が蘇るような非常に懐かしい感じがします。SFCの音源なのにチープさも違和感も感じさせないのがすごいですね。
リメイクバージョンの方も原曲を壊さない程度に旋律を保ったまま音に厚みを増しているアレンジなのでこれまた素晴らしいです。
どちらにするのかは好みの問題ですが当時のロマサガ2への思い入れのが強い人ほどオリジナルのBGMのほうをオススメしたいです。
また、不安だった3Dグラフィックも良かったです。
普通に「女の子みんな可愛い」って感じで楽しめました。でも、ネレウス族(人魚)の足が魚じゃなくなってしまったのは残念です。下半身魚なのが強烈な個性だったのにこれじゃただのえっちなお姉さんですよ。
バトルシステムもターンがキャラごとになるなど様々な変更点がありますが、ロマサガ2の特に楽しい要素である「技の閃き」に変わりはないので、原作と同じような感覚で楽しめます。SFC版の攻略情報もほとんどそのまま通用するくらい同じです。
例えば「千手観音を閃くならアルビオンを殴れ」というSFC版の攻略情報がロマサガ2Rでも通用します。○○○○とか○○○○○○とかのリメイク版の攻略サイトよりSFC版の攻略・解析ページのほうがよっぽど役に立つかもしれません。それくらい原作と同じ感覚でプレイできます。
このようにロマサガ2Rは、原作をリスペクトしてその魂をしっかりと継承したファンを唸らせるリメイク作品となっています。
変更・追加要素も良い感じ
ロマサガ2Rでは、原作で不便だった部分を解消したり、少し足らなかった部分を追加したりなど遊びやすさに重点を置いたアレンジがされています。
大きいのはクエストの目標がアイコンで表示(OFFにすることも可)され、どこに行けばいいか一目瞭然になったことです。人魚薬の素材集めや楽器集めなどかなり楽になりました。
また、仲間の入れ替えが自由にできるようになり、一つの年代で1回だけ皇帝を退位して次のキャラクターに継承させることもできるようになりました。
原作だといちいち全滅なりLP0なりする必要があったのでこれも良いことしかない改良点です。
その他には、ダンジョン内からでもファストトラベルができるようになったり、アイテムや装備の管理がしやすかったり技や見切りを開けておかなくても閃くようになったりなど親切さが行き届いた変更がされています。
新要素も新クラス、新陣形、新合成術などなど結構ありますが、かといって原作をぶち壊すほどのものになってなくて、こういうのいたら面白いよね程度に留まっています。
語られる七英雄の物語
ロマサガ2Rの大きな追加要素として七英雄達の過去の物語を追想できる「七英雄の記憶」があります。
まだモンスターではなく人間の姿の頃でまさに英雄たる所業を成し遂げたものの、大神官の裏切りにより異世界に流されて復讐を誓うまでの物語が各所(15か所)にあるやたら存在を主張する装置で見ることができます。まさに、タイトルの「リベンジ オブ ザ セブン」に相応しい追加要素です。
しかし、この七英雄の記憶、ちゃんとオリジナルの世界設定に忠実な内容ではありますが私の中では「なんか違うなぁ」という賛否両論な感じがしました。
特に、人間バージョンのボクオーンとクジンシーは全然イメージと違います(以前からイケメンの人間ボクオーンという非公式設定もあったようではありますが…)。
あとは、七英雄をやたら美化しすぎ、肩入れしすぎかなぁと思いました。
個人的には大神官とか小物が全部悪かったじゃなくて、例えば、吸収の法で圧倒的な力を手に入れたことで横暴さも目立ってきて、化け物じみた強さに周りもどんどん引いていって…みたいな自業自得っぽいところもあってよかったかなと思います。
あと、ダラダラと長い割にはクジンシーがなんであんなに嫌われてるのかよくわかりませんでした(^_^;)
どうでもいい部分で尺を結構取ってる気がしたのでもうちょっと丁寧にまとめて欲しかったですね。
年表
私がロマサガ2Rをクリアに至るまでの年表です。
最後に残した七英雄はスービエでした。
2代目皇帝、ジェラール(第2皇子)
- レオンの意志を継ぎ七英雄クジンシーを撃破
- ヴィクトール運河を奪回、龍の穴を復興して南バレンヌを制圧
3代目皇帝フリッツ(格闘家)
- 武装商船団の問題を解決し、北ロンギッドを制圧
4代目皇帝エンリケ(武装商船)
- サイフリートの企みを阻止し、カンバーランド制圧
- 宝石鉱山を確保
5代目皇帝アガタ(ホーリーオーダー)
- サラマットとコムルーンを少し探検してこれといった実績なく退位
6代目皇帝ジャンヌ(アマゾネス)
- 火山の噴火を止めてコムルーンを制圧
- ナゼール地方東のダンジョンでさまよう七英雄ダンターグを撃破し、ナゼールを制圧
7代目皇帝ハールファグル(サイゴ族)
- コムルーン火山の大爆発を未然に防ぎサラマンダーを仲間にする
8代目皇帝ケルート(サラマンダー)
- ステップを荒らしていた地上戦艦で七英雄ボクオーン撃破し、ステップを制圧
9代目皇帝ガルタン(ノーマッド)
- サバンナの地下に巣くうアリの女王を倒し、サバンナを制圧
- 人魚に首ったけになり退位
10代目皇帝ワレンシュタイン(インペリアルガード)
- エイルネップの七英雄ロックブーケを撃破し、サラマットを制圧
11代目皇帝スイフト(シティシーフ)
- 沈没船でギャロンを倒し、南ロンギットを制圧
12代目皇帝コッペリア(人形)
- 浮遊城で七英雄のリーダーである七英雄ワグナスを撃破し、ヤウダを制圧
13代目(最終皇帝)
- アバロンの地下に巣くうリアルクイーンを撃破
- 移動湖の遺跡にて七英雄ノエルを撃破し、メルーを制圧
- 封印の地にて復活した七英雄クジンシーを再び撃破
- ラストダンジョンにて本体を守る七英雄スービエを撃破
- 七英雄本体を倒し長い戦いにピリオドを打つ
まとめ
ロマサガ2Rは、SFCの頃のロマサガ2の雰囲気、楽しさなどをしっかりと残しておきながらも原作を壊さないように遊びやすい変化や追加要素を入れたファンも認める素晴らしいリメイクです。
「ロマサガ2って今やってもこんなに面白いんだ」と感じられるゲームなので、当時の原作をプレイしていない人でも十分に楽しめるしオススメできるRPGです。
プロデューサーを務めた田付信一氏は、本作と同じく「こういうのでいいんだよ」神リメークの『聖剣伝説3 TRIALS of MANA』のプロデューサーも務められたというからすごいですね。この人にスクエニの社長やって欲しいです。
田付さん、次はサガフロかFF5のリメイクお願いします!
以上
『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』のレビューでした。
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