253本目のゲームレビューです。
評価
88点
〇傑作
ゲームでありながらまるで1本の映画を観ているような圧倒的な演出とストーリーが素晴らしいです。
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2017年4月25日 | PlayStation4/PC(Steam) |
2017年7月19日 | Xbox one |
2019年7月4日 | Switch |
どんなゲーム?
アメリカのインディーゲームスタジオのGiant Sparrowが開発し、Annapurna Interactiveが発売したアドベンチャーゲーム
フィンチ家最後の一人「エディス・フィンチ」が、既にだれも住まなくなった一族の屋敷を訪れ一族の記憶と不可解な運命を追体験する
感想など
映画とゲームプレイの融合
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』(原題:What Remains of Edith Finch)は、一人称視点操作を採用した3Dアドベンチャーゲーム、または、ウォーキングシミュレーターに分類されるゲームです。
本作は、強力なストーリー主導の構成となっていて派手なアクションや難解なパズルなどはありませんが、たんなる1本道のムービーゲームではなく、ゲームプレイが物語を際立たせる演出として密接に結びついていることが特徴です。
例えば、ゲーム開始の冒頭は、フィンチ家の敷地の林を抜けて一家の屋敷に向かいますが、ここでのエディスの回想のテキストが風景に張り付くような独特な表示のされ方をします。
この演出は、プレイヤーの視点に溶け込みながら物語を語るため、映画とも違う、ゲームならではの没入感を生み出しています。
こうした仕掛けによって、本作の奇妙で幻想的な雰囲気はより強調され、プレイヤーは物語へと深く引き込まれていくことになります。
奇妙なフィンチ家一族のエピソード
フィンチ家の屋敷には一族の故人の部屋が亡くなった当時のまま保存(封印)されています。プレイヤーが操作するエディスは、それらの部屋を訪れることで、家族それぞれの不慮の死にまつわるエピソードを追体験することになります。
各人物のエピソードごとに表現方法は異なり、それぞれに独自のゲームプレイが用意されています。動物に変身して屋敷の外へ飛び出したり、ブランコに乗って宙返りしたりと、演出は多彩で奇抜です。


その中でも特に印象的なのが、エディスの大伯母にあたるバーバラのエピソードです。彼女の物語はホラーコミックの形式で語られ、プレイヤーはコミックのページをめくるだけでなく、1コマの中のキャラクターを実際に操作することができるというユニークな演出が施されています。
どのエピソードもゲームプレイもあいまってシュールで奇妙な世界観を作り上げているのが特徴です。
それらの体験を重ねるにつれ、その回想が現実にあったことか全て虚構なのかという曖昧さがプレイヤーの想像を刺激し、フィンチ家にまつわる不可解な運命を、単なる悲劇ではなく、より神秘的なものとして感じさせます。
名作映画のような感動
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』はクリアまでおよそ2~3時間です。
ちょど長めの映画を鑑賞するくらいプレイ時間で、エンドロールを迎えたときには、まるで名作映画を観終えたかのような満足感と余韻が残ります。
ストーリーは非常に素晴らしく、現実とファンタジーを独特の映像で融合させた不思議な世界観はティム・バートン監督の映画(『ビッグ・フィッシュ』等)を思わせるものでした。
本作は、ゲームだからこそ実現できる、深い没入感のある映画体験を提供してくれます。発売から5年以上経った今でも、その魅力は色褪せることはありません。
まだプレイしたことがない人には、ぜひ体験してほしいオススメの作品です。
以上
『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』のレビューでした。
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