260本目のゲームレビューです。
評価
92点
〇傑作
『It Takes Two』 同様GOTYに食い込むであろう傑作です。
『スプリット・フィクション(Split Fiction)』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2025年3月7日 | PlayStation5/Xbox Series/PC |
どんなゲーム?
スウェーデンのHazelight Studiosが開発し、アメリカの大手ゲーム会社Electronic Artsが販売する画面分割2人協力プレイ専用アクションアドベンチャー
感想など
画面分割2人協力プレイ専用
『スプリット・フィクション』は、高評価ゲーム『A Way Out』や『It Takes Two』を開発したHazelight Studiosによる新作の2人協力プレイ専用アクションアドベンチャーゲームです。
『A Way Out』は、日本語に対応しておらず日本での知名度は高くないものの、次に発売された『It Takes Two』は日本語字幕・音声に対応し、2人プレイ専用ながらThe Game Awards 2021でGame of The Year(GOTY)を受賞した傑作です。
本作の特徴は、前2作品と同じく、ローカル・オンラインを問わず画面分割で進行する協力プレイにあります。
相手の画面を見ながらアクションのタイミングを合わせたり、パズルを解いたりするギミックが多数用意されており、息を合わせた協力プレイが求められます。
また、オンラインでの協力プレイにはフレンドパス機能が搭載されており、1人がゲームを購入すれば、もう1人を無料で招待することが可能です。
さらに、異なるプラットフォーム間でも協力できるクロスプレイにも対応しており、たとえば片方がPlayStation5版、もう片方がSteam版でも一緒にプレイすることができます(要EAアカウント)
SFとファンタジーの異色の世界観
『スプリット・フィクション』は、SF作家のミオとファンタジー作家のゾーイ、それぞれが創作した物語をシミュレートした世界を舞台として冒険します。
SF世界では、テクノロジーの発達した未来都市を舞台に、プレイヤー達はサイバー忍者となって武器を振り回したり、スーパーソルジャーとなってロボットと激しい撃ち合いを繰り広げるなど派手なアクションが楽しめます。
ファンタジー世界の方は、緑豊かで神秘的な森や遺跡で、プレイヤー達は お互いに妖精や動物に変身する能力を使いながらパズルを解いたり、ドラゴンに乗ってマップを駆け回ったりと、まさにファンタジーな冒険が体験できます。
また、ステージ中にあるポータルに入ると、まったく異なる物語の世界へと飛び込むサイドストーリーのミッションも用意されています。
ここでは、豚になったり、手書きのスケッチの世界に入ったりと、よりユニークな体験ができます。
グラフィックのクオリティも高く、SF世界のサイバー感あふれる近未来都市や、ファンタジー世界の荘厳で幻想的な風景が美しく描かれています。


景観だけでなく、それぞれのステージごとに異なるアクションやギミックが用意されているため、次のステージではどんな仕掛けが待っているのかとワクワクしながらプレイできます。
このバラエティに富んだ世界が本作のゲームプレイの大きな魅力です。
丁寧に描かれた二人の物語
『スプリット・フィクション』のストーリーは、レイダー出版社のシミュレーション装置のテストに招待されたミオとゾーイが事故によって一緒の装置に入ってしまい、協力してシミュレーション世界からの脱出を目指すというものです。
2人とも性格が合わず、お互い衝突ばかりしている様子は、『It Takes Two』のメイとコーディの夫婦関係と似ています。
個人的にこのようなギスギスな人間関係を中心とした話というのは好みではないのですが、最終的にお互いを理解し、信頼関係を築いて親友となっていく過程が丁寧に描かれていたのはとても良かったです。
特に上手かったのは、ミオの感情の変化と成長の描き方です。
彼女は常にイライラしていて他人との距離を置こうとするタイプですが、チャプター5のゾーイの物語の世界の中でドラゴンとともに自身の心も成長して心を開いていく過程がとてもよく描かれています。
この経験を経たことで、チャプター6を乗り越えた後のチャプター7では、今度はゾーイを支えるほどに心強くなるという成長がとても印象的でした。
ここがしっかり描かれていないと、「あんなに仲が悪かったのに急に手のひら返したように仲良くなった」というように見えてしまうのですが、だんだんと心変わりしていく様子がしっかりと描かれてきたので納得できるようになっています。
予想外の展開とかはなく、ある程度先が見える型にはまったストーリーではあるものの最後まで通してみると非常に良くできた感動的なストーリーだと思いました。
まとめ
『スプリット・フィクション』は、GOTYを受賞した『It Takes Two』と同じ2人プレイ専用アクションアドベンチャーですが、バラエティ豊富で美麗なステージや、より入念に考えられたシナリオにより、さらに洗練された素晴らしい体験を提供しています。
個人的には『It Takes Two』と同等かそれ以上の傑作だと感じました。
プレイするのに「一緒に遊んでくれる家族か友達が必要」という人によっては高いハードルがあるのは相変わらずですが、それでも、フレンドパス機能やクロスプレイのおかげで、オンラインのフレンドと気軽にプレイできる環境が整っています。
誰かと一緒にプレイできるなら、間違いなく楽しめる一本なので、ぜひ遊んでみてください。
以上
『スプリット・フィクション』のレビューでした。
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