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「South of Midnight」レビュー

現代と伝承を織りなすアクションファンタジー

267本目のゲームレビューです。

評価

81点

〇良ゲー

モダンとゴシックが組み合わさった独特な世界観とストーリーや音楽が大変良く出来ています。

『South of Midnight(サウス オブ ミッドナイト)』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2025年4月8日 Xbox Series(one)/PC

※GAME PASSで発売日からプレイ可能(DAY1タイトル)

どんなゲーム?

カナダのCompulsion Gamesが開発し、Xbox Game Studiosが販売するアクションアドベンチャーゲーム

感想など

現実と幻想が両立する世界

『South of Midnight』の舞台は「プロスペロ」というアメリカ南部の架空の町です。
この町は一時期はそれなりに栄えていたものの現在はすっかり寂れ、町を出ていくほどの余力のないものばかりが暮らす過疎の町となってしまっていました。

主人公のヘーゼルは母のレイシーと町に襲来してくるハリケーンに備えて避難の準備をしていましたが、少しの間ヘーゼルが家を離れた際、中にいる母親ごと家が流されてしまいます。

母ごと家が流されてしまう

母を救出するためヘーゼルは祖母のバニーに助けを求めますが、その際、祖母の家で魔法の道具を見つけ「紡ぎ手(ウィーバー)」としての力に目覚めます。

ここからヘーゼルは現実ではありえないような魔法やクリーチャーがこの地で根付いていたことを目の当たりにし、民話の伝承のような体験をしながら母を救出する冒険に出発することになります。

現実ではありえないクリーチャーと遭遇

本作の魅力は、この独特な世界観にあります。

プロスペロはレトロな雰囲気の町ですが、時代設定はスマートフォンや電子マネーが普及している現代です。  

しかし、そこにかつて語り継がれてきたような幻想的な魔法やクリーチャーが自然に存在しており、モダンとゴシックが違和感なく同居した不思議な空気が漂っています。

雰囲気に貢献するヴィジュアルと音楽

『South of Midnight』の特有の世界観を支えているのが、ヴィジュアルと音楽です。

グラフィックはリアル寄りではなく、CGアニメ調でありながらも、絵画のように細かく描き込まれた美しいビジュアルスタイルとなっており、かつての賑わいを失った寂れた町や、伝承のクリーチャーが潜む神秘的な自然が印象的に表現されています。

ちなみに、私のPCやグラボなどのプレイ環境のせいでグラフィック設定は「低」で本記事のスクリーンショットは撮られていますが、本当はもっと綺麗です(^_^;)

設定最低でも美麗なグラフィック

音楽は、アメリカ南部を思わせる哀愁漂う楽曲が本作のストーリーと世界観に非常にマッチしています。

特に各チャプターの後半で流れる感傷的なブルースやフォークソングの挿入歌はストーリーを一層盛り上げる演出になっています。

センチメンタルで暗いストーリー

『South of Midnight』のストーリーは、ハリケーンによって行方不明になった母を探す旅が軸となっていますが、各チャプターでは、主人公ヘーゼルが訪れた地で出会う人々やクリーチャーの心の傷を紡ぎ手の力で修復していくという物語になっています。

各地で様々な人やクリーチャーと出会う

この過程で、ヘーゼルとプレイヤーは、彼らが抱える悲しい過去や、深い心の闇と向き合うことになります。

それらの出来事はすでに起きてしまったことであり、元には戻せませんが、ヘーゼルは傷を完全に消すことではなく、寄り添い、和らげることに力を尽くします。

悲劇の過去を垣間見る

全体的にセンチメンタルで暗いストーリーですが、後味の悪さはなく、痛みと優しさが共存する感動的なストーリーだと思いました。

アクションゲームとしては普通

『South of Midnight』は、独特な世界観やストーリーが素晴らしい一方で、アクションゲームとしての内容はオーソドックスです。

とはいえ、ダブルジャンプグライド壁走りグラップルといった魔法を活かした軽快な移動は快適で、アクションのツボはしっかり押さえられています。

グライドや滑空で爽快な移動

これらの移動スキルを使ってマップを探索し、「フルーフ(糸の束)」「ライフの糸」を集めてヘーゼルの能力を強化していきます。

ただし、ライフの糸については3つ集めないと最大ライフが増えない「ハートのかけらシステム」(※)が採用されており、個人的には非常に残念でした。

※ハートのかけらシステム

ゼルダの伝説のでおなじみ、かけらのアイテムを3〜5個集めてようやくHP(またはMP)の最大値が1段階増える仕組み。

例えば、3個揃えて1マスHPが増えるシステムなら1個とか2個とか所持してる状態は報酬お預け状態で凄く気分が悪い。2個所持であと1個とかの状態でゲームが終われば折角とった2個は無駄な労力ということになる(実際、私は本作ではそうなった(^_^;))

毎回言うけど、3個取って1マス増やすのではなく1個取った時点で1/3マス増やすようにしようね。

ハートのかけらシステムは正直微妙

次に戦闘についてですが、本作にはパリィやジャストガードといったシビアなアクションは存在せず、代わりに「パーフェクト回避」によって敵の攻撃を直前で避けて反撃するスタイルになっています。

パーフェクト回避で反撃

魔法を使って敵を縛ったり、引き寄せたりする戦闘は最初の方こそ新鮮味があって面白いのですが、後半になるにつれてやや単調に感じました。

本作の難易度設定はポーズメニューからいつでも可能で、ヘーゼルと敵が受けるダメージまで細かく設定できるカスタム難易度もあります。

ストーリーが良い作品なため戦闘を簡単にしてもゲーム体験を損なうことはないので、テンポを重視する人は難易度を低めに調整してサクサク進むのも悪くないでしょう。

まとめ

『South of Midnight』は、現代と伝承が混じり合う独特な雰囲気が特徴のアメリカ南部を舞台にしたアクションアドベンチャーです。

繊細なヴィジュアルと哀愁ある音楽、そして感傷的なストーリーが素晴らしく、アクション自体は控えめながらも全体としては完成度の高い作品に仕上がっています。

あまり話題にはならなかったけど思わぬ良作の本作は、Game Passに加入していればタダでプレイできるため、気になった方はぜひプレイしてみてください。

以上

『South of Midnight』のレビューでした。

 

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