276本目のゲームレビューです。
個人的な評価
??点 ※総合スコアはレビューから30日後以降に更新されます。
〇かなりの良ゲー
ソロプレイはかなり難易度が高いですが、協力プレイはとても楽しいです。
フレンドがいなくてもオートマッチング(野良)で知らないオジサンや外国人と楽しもう!
『エルデンリング ナイトレイン(Elden Ring Nightreign)』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2025年5月30日 | PlayStation5(4)/Xbox Series/PC |
どんなゲーム?
フロム・ソフトウェアのオープンワールドアクションRPG『エルデンリング』と舞台を共有するオンライン協力プレイ対応のローグライクアクションゲーム
感想など
エルデンリングのローグライク
『エルデンリング ナイトレイン』(以下「ナイトレイン」)は、2022年に発売され、その年のGOTYを受賞するなど世界的に高い評価を得た『エルデンリング(Elden Ring)』の世界観や舞台をベースにローグライクアクションゲームにしたスピンオフ作品です。
本編の『エルデンリング』は、広大なオープンワールドを舞台に何十時間もかけてキャラを育て、武器やアイテムを収集しながらクリアを目指すアクションRPGでした。
一方、本作ナイトレインはローグライク形式を採用しており、1ステージごとに数十分で完結し、マップはランダム生成、レベルや所持アイテムも毎回リセットされる仕組みです。
ほかにも、快適なプレイを重視して改良が施されています。たとえば、ダッシュ速度の向上、壁蹴りによる縦移動、落下ダメージの廃止などにより、移動面が大幅にスムーズになりました。
また、レベルアップ時のステータス上昇が固定化され、体防具の撤廃、荷物袋はなく携帯アイテムは装備枠のみにするなどキャラクターの育成・ビルド構築なども簡素化されています。
なお、ナイトレインからエルデンリングに触れるプレイヤーもいるかもしれませんが、エルデンリング本編をプレイしていなくても特に問題はありません。
3日目ボスの夜の王以外の敵はエルデンリングやダークソウル3で登場したボスやザコが含まれますが、本作はあくまで世界観を共有した別作品であり、ストーリー上の直接的なつながりはありません。
ただし、フロム・ソフトウェアのソウルシリーズは独特な操作方法が多く本作も例外ではないので、シリーズ初めての人(あるいは、経験者でも)は、最初の操作に戸惑う可能性があるため、操作方法のチュートリアルはよく読むなり調べておいたほうが良いでしょう。
わかりにくい操作方法に関しては後述します。
《ほぼ》オンライン3人協力プレイ専用
ナイトレインのもう一つの特徴がオンラインでの3人協力プレイです。
本作は、オフラインのソロプレイにも対応していますが、ゲームバランスは、明らかに複数人でのプレイを前提に設計されており、単騎での攻略は不可能ではないものの、かなりの苦行になります。アクションが相当得意なプレイヤーか、コミュニケーションが苦手でどうしてもソロにこだわりたい人以外は、オンラインで仲間と共闘した方が確実に楽しめます。
マッチングは、野良でオートマッチングするかフレンド招待や合言葉でプライベートマッチにするかの2通りの方法があります。(注)クロスプレイは非対応
もちろん、フレンドとDiscordなどでボイスチャットを繋げながら遊べばコミュニケーションも快適で楽しいですが、野良は野良で野良なりの楽しさがあります。
ナイトレインでは、セッション中に相手と意思疎通をする手段は、ピンを打つくらいしかありません。しかし、それでも無言でお互い意思疎通ができる場面というのが、結構あります。
ゲーム開始時の降下中に最寄りの小砦にピンが打たれたら「あーこれ、小砦のボス倒してレベル上げて、奥の鉄宝箱で石剣の鍵取れたら封牢寄って、鉱山入って、教会で聖杯瓶増やして…」みたいな理想的なルートが全員のアタマの中ででスッパーンと共有される。そんな時はピン打ちは指示でなく、ただの確認で全員が即座に理解して行動に移り、ダッシュで駆け抜けれます。
坑道はボスまで迷わずまっしぐら!火の戦車隊は分散して1人1体撃破!低レベルで大砦の地下の強敵が鈴玉狩りだったら見た瞬間、回れ右!という感じで会話がなくとも全員の動きが揃っていた時の一体感はとても気持ちが良いです。
あとは一期一会の関係ゆえに多少下手クソなプレイで恥かいても気にしないで済む気軽さも野良の利点です。パートナーとならできない変態プレイも風俗なら遠慮なくできるみたいな感じです(あからさまな迷惑プレイはもちろんダメだゾ)
ただし、こうした野良の楽しさが味わえるのも今だけかもしれません。
発売直後の今は活気がありますが、時間が経てばマッチング人口は減り、オートマッチングが成立しにくくなる可能性が高いです。
というのも、本作は1プレイあたり約40分と、なかなかに長丁場です。10分でサクッと終わって「はい次!」とはいかず、プレイヤーの回転率はあまり良くはありません。
そもそも1ゲームの拘束時間の長いローグライクでオートマッチングによるマルチプレイは相性が悪いのだと思います。
たしかに、ローグライクでマルチ対応の作品(「Risk of Rain 2」、「ガンファイアリボーン」など)は存在しますが、基本的には、ソロ前提の設計でマルチも可能というバランスです。マッチングも基本的にはプライベートマッチでやる想定です(オートマッチングで4人揃うことはほぼないため)。
この点を踏まえると、ゲームデザインとして3人協力プレイ前提のゲームバランスに調整してしまったのは、やはり悪手かなと思います。
オンラインの協力プレイ前提にするならば、せめてクロスプレイ対応や、1ゲームの短縮などで野良のマッチングの回転率を高める必要があったと思います。
ナイトレインは、サービス終了を以って遊べなくなる「運営型タイトル」ではなく、ソフトを購入すれば10年後も遊べる「買い切り型タイトル」です。しかし、オンラインによるマルチプレイ前提とした時点で、「マッチングが成立しなくなる=遊べなくなる」という事実上の寿命ができてしまいます。
だからこそ、今後のアップデートでは、ソロでも「ローグライクソウル」として十分に楽しめるようなバランスの再調整が求められてくるのではないかと感じました。
グラディウスがきつすぎる問題
ローグライク+協力プレイという新機軸に挑戦したナイトレインですが、序盤にして新規ユーザーを大きく突き放す存在がいます。
それが、最初のステージの大ボス、三つ首の獣ことグラディウスです。
ナイトレインでは、全部で8体の夜の王(大ボス)がいますが、まずは三つ首の獣をクリアしないと残りの夜の王には挑戦できない仕様になっています。
この構造によりどういう現象が起こるかというと、「三つ首の獣のオートマッチングは、初心者といつまでも倒せないプレイヤースキルの低い人しかいない」という地獄のような状況になるわけです。
上手いプレイヤーはさっさと三つ首を抜けて次のボスに進んでしまうため、マッチングにはクリアできずに停滞している層ばかりが残ってしまうのです。
当然、動きはバラバラです。どうでもいい雑魚エリアで無駄に時間を費やし、探索もままならず、ロクにレベルも装備も整わないままグラディウス戦に突入し、あっけなく全滅という悪循環が続きます。
運が悪ければ、10時間以上このステージで足止めされることもあります。
その間は、本当に辛くて面白くない。正直、心が折れてプレイをやめてしまっても仕方がないとすら思います。
このステージさえ突破できれば一気に楽しくなってくるんですが…。
ここはやはり、ゲームデザインとしてもう少し柔軟さがほしかったところです。
最初に挑戦できるボスの選択肢を三つ首だけに限定せず、せめて2~3体から選べるようにするか、グラディウス自体の難易度をもっと下げるなどの配慮は必要だったのではないでしょうか。
操作ややこしい問題
フロムゲーらしいといえばフロムゲーらしいですが、ナイトレインの操作は一部わかりにくい部分があり、ソウルシリーズが初めての人にはやや不親切です。
以下に「知っておかないと戸惑う操作」や「公式の説明が不十分な仕様」をまとめました。
戦技の仕様
エルデンリングをプレイしてる人なら問題ないと思いますが、仕様がややこしいのが戦技です。
「L2押すだけじゃ」と思うかもしれませんが、本作では武器を左右に2本持てるのに、戦技のボタンがL2の1つしかありません。そのため、両手に武器を装備していても、発動できるのは片方の戦技だけになります。
公式の説明はこうです。
両手の武器に戦技がセットされている場合は、左手武器の戦技が優先されるため、右手武器を両手持ち状態にすることで右手武器の戦技を発動することができます。
しかし、実際には、左右の手に武器を装備した場合、盾>弓>左手武器、の順で優先されます。
たとえば左手に盾を持っていると、L2を押しても盾の戦技が優先されるため、右手の戦技を使いたいときはわざわざ両手持ちに切り替える必要があります。
私はよく盾を使うのですが、いちいち切り替えるのが結構面倒でした。とっさに盾を構えるのに片手持ちに戻すのもやや煩雑です。
いちいち、持ち替えなくてももう片方の戦技がすぐ出せるボタンが欲しいですね。
武器ガード
こちらも過去作経験者にはおなじみの操作と思いますが、両手持ち時にL1で持ってる武器でガードします。
今回はこの武器ガードがかなり有用でどの武器でガードしても物理カット100となっています。
どんなに重たそうな攻撃でもきちんとガードできれば1ミリも体力を削られることはありません。
ジェスチャー(仕草)
装備メニュー中にさらに△ボタンを押すとジェスチャーメニューが表示される、という操作に変更されています。
これが最初まったく分からず、特典のジェスチャーも「どうやって使うんだよー」と発狂しながらコントローラーをブンブン振り回してました(エルデンリングではコントローラーを振るとジェスチャーだった)
発売直後は同様に困っていたプレイヤーが多かったのか、ジェスチャーを使わずにジャンプや回転で何かを表現している人が大半でしたが、最近は使い方が周知されてきて、仕草で意思疎通するプレイヤーも増えています。


なお、そのほかにもガードカウンター、二刀攻撃、精密射撃モードなど気づきにくい操作は多数ありますが、すべて書くとキリがないので、詳しくは公式(ココ)の操作マニュアルに目を通しておくことをおすすめします。
各キャラクターを使った感想(個人的Tierリスト)
ナイトレインのプレイアブルキャラクター8人の個人的評価を簡単にまとめました。
追跡者
個人的評価:A
- 主人公的ポジションで非常に扱いやすい
- 機動力(スキル)、火力(アーツ)、防御(アビリティ)がバランスよく揃っており、どれも優秀
守護者
個人的評価:B
- ハイガードしても無視されることが多く、性能を活かしにくい
- 全体的に火力不足
- スキルに当てた敵のヘイトを集める効果とか欲しい
- 「攻撃反射」「スキル時間延長」の遺物で化けるので、追憶のクリアを推奨
鉄の目
個人的評価:A
- リリース初期は最強だったが、最近は他キャラも強さを見直され相対的にやや下落
- それでも性能は依然としてトップクラス
- 実際は「鉄の目が強い」というより「弓が強い」
隠者
個人的評価:C
- ヴィジュアルはS
- スキルが使いにくすぎる
- パッシブアビリティで高めのFP自然回復くらい欲しかった
無頼漢
個人的評価:S
- 火力最強、力こそパワー
- カタリナコスで見た目も◎
- 他のキャラと比べてアーツが使いづらいのが弱点
執行者
個人的評価:C
- SEKIROするのにいちいちスキル使って構えないといけないのが微妙すぎる
- うまい人が使えば強い…けど、そのうまい人が追跡者使えば多分もっと強いよ
レディ
個人的評価:A
- 二段ダッシュの回避力のおかげで、エリア中を暴れまわる夜の王の広範囲攻撃にもかなり対処しやすい
- 知力が高いから魔法もいける
- リステージで火力もきっちり出せる
復讐者
個人的評価:B(ソロプレイならA)
- ヴィジュアルは最高
- 本体の性能が貧弱
- 霊体召喚はタゲ分散が最大の利点であるが、本作はそもそも味方とタゲの分散ができるのでその利点は薄れがち
- ソロプレイでは霊体召喚によるタゲ分散の真価を発揮するので、評価は上がる


なお、これらの評価は、あくまで私のプレイスタイルに基づいた主観的なものです。
まとめ
フロム・ソフトウェアのソウルシリーズは、いまや「ソウルライク」として一つのジャンルを確立しています。
その生みの親が新たなアプローチで挑んだ『ローグライクソウル』が、この『エルデンリング ナイトレイン』です。
ソウルシリーズとは異なるプレイ感覚ながらも、しっかりとフロムらしさは残されており、ハマる人にはとことん刺さる作品に仕上がっています。
オンライン協力プレイを前提とした設計上、人が多く賑わっている今こそが最も楽しめるタイミングです。
気になっているなら、迷わず飛び込んでみることをおすすめします。
以上
『エルデンリング ナイトレイン』のレビューでした。
↓ブログランキングに参加しました!
バナーをクリックするとこのブログにポイントが入ります!(1日1回)