280本目のゲームレビューです。
個人的な評価
??点 ※総合スコアはレビューから30日後以降に更新されます。
〇良ゲー
サイバーパンクな世界観やストーリーが非常にユニークですが、ゲームとしてはもうちょっと頑張って欲しいところもありました。
『Keylocker|Turn Based Cyberpunk Action』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2024年9月19日 | PlayStation5/Xbox Series/Switch/PC |
どんなゲーム?
JRPG好きのブラジル人開発者が立ち上げたのインディー開発チームMoonanaが開発し、アメリカのパブリッシャーSerenity Forgeが販売するターンベースRPG
感想など
サイバーパンク×ディストピアな世界観
『Keylocker(キーロッカー)』は、『真・女神転生』や『魔界戦記ディスガイア』など日本のRPGやSRPGを愛する海外のインディーゲーム開発チームによって制作されたクラシックなドット絵ベースのターン制RPGです。
特徴は、ドット絵で描かれる美しいビジュアルと、音楽を軸としたサイバーパンク×ディストピアな世界観にあります。





サイバーパンクという設定上、本作の音楽はSF感のあるテクノミュージックが多用されていますが、ポストパンクやオルタナティブロックなど様々なジャンルの音楽も取り入れられています。これが、権力に支配された社会に抗うという本作のテーマと噛み合い、全体のビジュアルと演出を強く印象づけています。
また、登場する個性的なキャラクター達は、MOTHERシリーズやアンダーテイルの影響を感じさせますが、彼らのシュールで突き抜けたやり取りの中にもパンクな反骨精神が現れています。




ノベル仕立てのストーリー
『Keylocker』の舞台は、人類がすでに絶滅し、「サテライト」によって支配された惑星サターン(土星)です。
ここではドッペルゲンガーと呼ばれる、人型でエレキ(電力)を動力とする存在たちが暮らしており、主人公BOBOもその一人です。
BOBOは最下層スクラップヤードの民として不自由な生活を強いられていましたが、生まれながらに音楽の才能を持っていた彼女は、禁じられた音楽を取り戻し、腐敗した体制を打ち倒すために反乱を起こします。
BOBOの協力者には、双子の兄のディーラーやジュークボットのロケットのほか、バンドメンバーとして活躍してくれるサイモンやパンダ、サムライ風の少女のセンパイなど魅力的なキャラクターが多数おり、彼ら(彼女ら)との恋愛イベントも用意されています。


エンディングは、マルチエンドを採用しており、終盤のプレイヤーの選択肢で分岐します。また、BOBOが選択する初期クラスとサブクラスも戦闘の性能だけでなくストーリーに影響し、小さな変化をもたらします。



本作はもともとビジュアルノベルとして企画されていた背景もあり、物語の描写やテキストには相当力が入っていると感じました。
レトロフューチャーなゲームシステム
『Keylocker』のゲームシステムは、開発者がリスペクトするJRPGから大きな影響を受けています。
バトルは、ターン制のコマンド式でクロノ・トリガーのようなエンカウントとライブアライブのようなシミュレーションスタイルのマスフィールドが採用されています。
中でも大きな特徴は、プレイヤーもしくは敵の攻撃にタイミングよくボタンを押すマリオRPGのような目押しアクションです。敵や味方の攻撃時にタイミングよくボタンを押すことで、ダメージを増やしたり無効化できたりします。
特に、敵の攻撃に対する受けのアクションは、タイミングが完璧ならダメージを受けずに済むので非常に強力です。しかし、その分、失敗したときのリスクも高いので、反射神経に自信のない人は入力猶予を長めに設定しておくのがオススメです。
成長システムはディアブロ系のハクスラに着想を得たスキルツリー式です。
メインキャラクターは中盤で2つ目のクラスとスキルツリーを獲得するので、そこからシナジーを考えてキャラクタービルドを練るのが楽しいです。
フィールドではダッシュやジャンプを使った移動が可能です。ジャンプは離れた足場に飛び移ったり、高いところから飛び降りたりすることができ、ダッシュはトラップや敵エンカウントの回避など、アクション性を持たせています。
しかし、ゲームシステム面では改善の余地も多く見られました。
まず、戦闘のテンポが悪く、ザコ戦でも長くてダルいです。バトルの目玉の目押しもエクスペディション33のパリィほど爽快感はなく、あまり楽しくありません。そのため、できるだけ戦闘は避けたいのですが、敵シンボルの移動が素早いので素通りできないのも困りものです。
一番微妙なのがマップがわかりにくく、次にどこに行けばいいのかわかりにくいことです。一応、アイテムからマップは見れますが、自分がどのエリアにいるか程度しか見れないもので、詳細なマップはありません。
デザイン的にもジャンプで行けそうで行けない段差や、ただの飾りで入れないドアが多く、本当にジャンプで超えられる場所や入れるドアを見落としやすいというのもあります。
さらに、バグの存在も無視できません。私のプレイ中には、本来行けないエリアに入り込んで出られなくなる不具合が2回発生しました。幸い、こまめにセーブスロットを分けていたためすぐにやり直せましたが、そうしていなければ詰んでいたかもしれません。
全体的に独創性があって良いものの、完成度はやや物足りない印象のゲームです。特にテンポやUI面、誘導の不親切さは、今後のアップデートかもしくはMoonanaの次なる作品での改善に期待したいところですね。
以上
『Keylocker』のレビューと感想でした。
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