
284本目のゲームレビューです。
個人的な評価
88点
○かなりの良ゲー
絶妙なゲームバランスと満足度の高いボリューム、終盤の映画並みのストーリーと総じてクオリティが高いです。
『ドンキーコング バナンザ』とは
発売日・対応機種
| 発売日 | 対応機種 |
| 2025年7月17日 | スイッチ2 |
どんなゲーム?
任天堂自社開発チーム制作のスイッチ2専用タイトルとなる3Dアクションゲーム
感想など
3Dアクションドンキーコング
『ドンキーコング バナンザ』は、任天堂のドンキーコングシリーズ最新作となる3Dアクションゲームです。
本作は、『スーパーマリオ オデッセイ』を手がけた任天堂開発チームを中心に開発されており、スイッチ2発売と同時リリースされた『マリオカートワールド』に続く、任天堂渾身のスイッチ2専用ファーストタイトルです。
注目すべきポイントは、ドンキーコング64以来、シリーズとしては2作目の本格3Dアクションとなっていることです。
ドンキーコングシリーズというと代表作とも言えるのがSFCのスーパードンキーコング3部作で、その後も「ドンキーコング リターンズ」や「ドンキーコング トロピカルフリーズ」が2D(2.5D)式のアクションゲームだったこともあり、ドンキーコング=2Dアクションというイメージが強いですが今回は、より開発に手間のかかる3Dアクションということで、開発の本気度が覗えます。

新生ドンキーコング
『ドンキーコング バナンザ』におけるドンキーの相棒や仲間たちは、これまでお馴染みだったディディーコングやアニマルフレンドたちではなく、少女時代のポリーンが相棒兼ヒロインという新たな立ち位置で活躍します。
また、メインの敵役も、今回はヴォイドカンパニーという新しいキャラクター達が登場します。


ポリーンはシリーズ一番最初のドンキーコングにて攫われたレディで、後にマリオオデッセイで登場したニュードンク・シティの市長となる人物です(つまり、「バナンザ」は「オデッセイ」以前の話)
「ウホウホ」とゴリラ語しか喋らないDKやウニャウニャとしたバナンザ語のボイスしかない他のキャラクターたちと違い、ポリーンだけは意味のわかる言語(日本語、英語、etc)で吹き替えがなされているのが大きな特徴です。
これにより、ポリーンはストーリーをつなぐナビゲーターや狂言回しとしての役割を果たし、彼女の視点や成長が描かれることで、本作はこれまでのドンキーコングシリーズにはなかった物語性の強い作品へと仕上がっています。


敵役のヴォイドカンパニーは、社長のヴォイドコングが浮遊するビーグルに乗り、二人の部下を連れてるあたりDBのフリーザを彷彿とさせます。
やってることは極悪でもどこか愛嬌があって憎めないクッパのような悪役とは異なり、ヴォイドコングのほうは愛嬌のかけらもなく完全に悪役に徹しています。
ただし、部下の2人については、あくまでヴォイドカンパニーの社員として社長に従っているだけで、そこまで悪者という印象は受けませんでした。

また、ドンキーコング自身もデザインが変更されています。眉間にシワを寄せてつり上がった目のワルっぽい顔立ちから、柔和で正義感のある顔へとイメージが変わりました。ジャイアンからジャイアンを取ったような親しみやすい印象です。
従来のデザインもドンキーらしい魅力がありましたが、本作ではポリーンとの掛け合いや協力が物語の軸となっているため、より感情移入しやすいこの新デザインの方が適していると感じました。


このように本作は今までのドンキーコングとはガラリと雰囲気を変えた新生ドンキーコングと呼ぶにふさわしい内容となっています。
何でも壊すスクラップゴリラ
『ドンキーコング バナンザ』の最大のウリは、さえぎるすべてをブチ壊し、世界を自由に突き進むという破壊アクションです。
本作ではステージにあるほぼ全てのオブジェクトを壊すことができ、居宅だろうが、ショップだろうが大きな山だろうが、殴って壊して更地にできます。

さらに、地面や壁などを掘り進むことで、埋まっている金や宝箱、バナナなどを発見してGETできます。これが、本作の破壊アクションをさらに楽しくしている要素で、単に金をジャリンジャリンと獲るのが気持ちいいというだけでなく、そこから得られる各リソースの使い道が豊富に用意されている点が重要です。
ただ壊して進むだけでなく、掘れば掘るほど確実にご褒美が用意されており、掘るのがやめられない止まらない楽しさにつながっています。

掘り当てるリソースの中でも絶妙なバランスで配置されているのが化石です。
これは、ドンキーやポリーンの衣装購入に使用します。なんだ、ただの衣装かと思うかもしれませんが、本作の衣装はただの衣装ではありません。「泥の上で移動速度が落ちにくい」とか「バナンザの変身時間が延びる」など、意外と強力な効果を持っています(なお、ヘアカラーはただのオシャレ要素)
さらに、衣装にはアップグレード要素もあり、化石はいくらあっても困らない設計になっています。適当に掘っていてもそこそこ出るけれど、出た時にはちゃんと嬉しいという良い塩梅で、収集のバランスが非常にうまく設計されていると感じました。

ただし、掘りすぎていると、しばしば視点が変になって酔いやすくなるのは、気になった点として挙げておきたいです。
ゴリラがシマウマやダチョウに大変身
ドンキーコングといえば、サイやカジキなどアニマルフレンズの背中に乗り、それぞれの特徴を活かしたアクションをこなすのが定番でしたが、『ドンキーコング バナンザ』では、動物に乗るのではなく、ドンキー自身が動物に変身して能力を使います。
コングバナンザならゴリラらしいパワーでコンクリートを粉砕し、シマウマバナンザならシマウマなので軽やかに水上を駆け、ダチョウバナンザならダチョウなのでフワッと空を飛べます。
各バナンザには固有のアクションがあり、変身能力を手に入れるステージでは、その能力をフルに活かす仕掛けや遊びが用意されています。
このおかげで、ステージが進んでも結局ひたすら掘っていくだけの繰り返しになることはなく、ステージごとに変わったギミックでしっかりとメリハリが生まれています。
正直、私は最初に本作をプレイした時は、地形をゴリゴリ壊すのは楽しいけど、それだけだと飽きが早いかもと不安に思っていました。 しかし、バナンザの種類が増えるたびに、できることや遊び方がどんどん広がっていき、一層面白くなっていきました。
各ステージのデザインやコンセプトも、青い空と海が美しいビーチリゾート、宇宙船のようなディスコ、巨大ハンバーガーがそびえるテーマパークなどガラッと変化し、最後まで新鮮さを失わず楽しめました。




絶妙な難易度
『ドンキーコング バナンザ』のゲーム難易度は序盤こそ非常に簡単です。チャレンジゲームもボス戦もほとんど何も考えず、攻撃ボタンを連打しながら雑に暴れまわってるだけで余裕でクリアできてしまいます。
最初は、ついにドンキーコングもマリオシリーズのように、お子様向け難易度に舵を切ったのか、と感じるほどでした。
しかし、ゲームを進めていくうちに、確かにカジュアルにはなりつつも、けしてヌルゲーではないことに気付かされます。
ステージが進むごとに、少しずつ、ジワジワと難易度が上がっていきます。しかも、マリオワンダーやアストロボットのように、ゲーマー向け高難易度ステージが突然ポンと追加されるのではなく、階層を下るたびに緩やかながら着実に難しくなっていく設計です。
油断できない難易度になってくるのは中盤にある最初のヴォイドコング戦あたりからで、初めて私がやられたのもここです。

その後も、ステージやチャレンジ、ボス戦ともに歯ごたえが増していきます。特にチャレンジステージでは、何度も失敗を繰り返す場面もありました。
とはいえ、理不尽な難しさに陥ることはなく、程よい挑戦と達成感を味わえる万人向けで絶妙な難易度バランスに仕上がっていると感じました。やりごたえがありながら、最後まで楽しんで走り抜けられる作りになっています。
まとめ
『ドンキーコング バナンザ』は、3Dアクションとして新生し、任天堂のスイッチ2専用ファーストタイトルとして非常に高いクオリティに仕上がっています。
特にストーリー終盤の展開は、まるで映画のようにドラマチックで、任天堂のアクションタイトルでは珍しく、物語としても強く心に残りました。
豊富なやりこみ要素と充実したボリュームで、アクションゲームとしての完成度も高く、最後まで飽きさせない作りになっています。
正直最初は、スイッチ2の目玉タイトルにするのになんでマリオじゃなくてドンキーなんだって思いましたが、クリアまで遊びきった今は、本作がマリオに並ぶ一本として十分に通用するタイトルだと思っています。
最近はスイッチ2本体を無事入手できたという声もよく聞かれるようになってきましたが、そうしたプレイヤーにとって、本作はとりあえず最初に遊んでほしい一本として、おすすめできるゲームです。

以上
『ドンキーコング バナンザ』のレビューと感想でした。
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