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重曹エビマヨコーン(JEMC):レビュー記事300本以上

「終天教団」レビュー(ネタバレあり)

自分を殺した犯人を捜すADV

293本目のゲームレビューです。

個人的な評価

83点

〇かなりの良ゲー

ダンロンやレインコードのファンなら期待を裏切らないゲームだと思います。

『終天教団』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2025年9月5日 Switch/PC(Steam)

どんなゲーム?

『超探偵事件簿 レインコード』『HUNDRED LINE』で知られるトゥーキョーゲームスDMM GAMESが企画を手がけ、Neiloが開発を担当したマルチジャンルADV

感想など

※注意 本レビューはゲームのネタバレがあります。

マルチジャンルADV

『終天教団』は、ダンガンロンパシリーズ小高和剛氏(シナリオ)高田雅史氏(音楽)しまどりる氏(イラスト)といったトゥーキョーゲームスのスタッフが携わる完全新作のアドベンチャーゲームです。

物語の舞台は、終末思想を掲げる「終天教」という新興宗教の信者のみで構成された国「終天教国」です。そこで、終天教の教祖であった主人公が何者かに殺されたが、記憶喪失の状態で復活し、自分を殺した犯人を探し出して殺す試練に挑むというのがストーリーのあらすじになります。

目が覚めると記憶をなくしていた主人公

教祖を殺した容疑者は教団の最高幹部5人ですが、犯人として疑い捜査する各容疑者のルートによって、以下のようにゲームシステムが変わるのが本作の特徴です。 

法務省ルート : 推理アドベンチャー

保健省ルート : 極限脱出アドベンチャー

科学省ルート : マルチ視点ザッピングノベル

文部省ルート : 恋愛アドベンチャー(?)

警備省ルート : ステルスアクションホラー

 これらのルートは、話を進める順番が決まっていないので、プレイヤーのやりたいルートから攻略が可能となっています。

やりたい順番で攻略可能

トゥーキョーゲームスらしいシナリオとキャラクター

『終天教団』は、トゥーキョーゲームス小高和剛氏がシナリオ監修を担当しています。

そのため、終末の世界観閉ざされた舞台個性的で尖ったキャラクター、主人公を導く胡散臭いナビ役の存在、非現実感が漂う超展開など、ダンガンロンパレインコードであったような緊張感と謎に満ちたストーリーが繰り広げられます。

舞台となる終天教国

しかし、ダンガンロンパトゥーキョーゲームスのADVをプレイしてきた人にとっては、もはや様式美となったスタイルのため、先の見える展開でもあります。終天教国という国や信者、神と天使の秘密や正体などは、早い段階で察しがつき、その予想どおりに進むことも少なくありませんでした。ただ、教祖殺しの真犯人や動機などは最後までわからず、きちん楽しめました。

主人公殺しの容疑者は幹部の5人

キャラクターデザインは、いつもの小松崎類氏ではなく、今回は、しまどりる氏が担当しており、雰囲気は変わります。

ですが、キャラクターデザインが変わっても非常に個性的で魅力あるキャラクターばかりなのは相変わらずです。

たまには違う人のキャラクターデザインでも新鮮味が感じられていいですね。

デザインは変わってもキャラクターの尖り具合は相変わらず

取り乱しすぎで共感できない主人公

『終天教団』の主人公「下辺零 (しもべれい)」は、レインコードユーマハンドレッドラインスミノと同じく、いかにもトゥーキョーゲームスらしいタイプのキャラクターです。ただ、ユーマやスミノと比べると、零はどうにも落ち着きがなく好感の持てないキャラクターに感じました。

置かれている状況は確かに異常ですが、零はとにかく取り乱して騒ぎすぎです。こちらが大体察しがつく真相にいつまでも気づかず、「ええぇ?!」とか「なんでぇ!」と慌てふためく姿は見ていてイライラしました。

8割くらい騒いだりオドオドしてる主人公

特に気になるのは、どのルートでも毎回のように「どうしよう…ヒメルさん!ミコトルさん!どこ行っちゃったのー?!」と頭を抱える場面です。…いや、天使の2人は最初のルート選択あたりでも「他の人には見えてないんだな」とか「信用しちゃだめだな」って察するでしょ(^_^;)

冷静になれない主人公にやきもきする

どのルートでもずっと慌てふためいてオドオドしてばかりしているのは、零の記憶がルートごとにリセットされるせいもあります。とはいえ、プレイヤーとしては、ある程度判明した事実について「このカウントって何?!」とか「神っていったい何者?!」とか毎回混乱して大騒ぎする姿を見せられるのは感情移入ができず、正直ストレスがたまります。

本作はこの点が一番気になったところです。トゥーキョーゲームスさん次回はちょっとしたことでは動じないタフでクールな主人公でお願いします!

各ルートの感想

ここからは、容疑者となる5人の幹部ルートについて、実際にプレイした順に感想を書いていきます。

伏蝶まんじルート

伏蝶まんじルート

見下ろし視点で怪物から逃げるステルスアクションホラーシナリオです。

パズル要素もあってなかなか手の混んだミニゲームですが、怪物からの逃走はそれほど難しくなく、大して怖くもありませんでした。

しかし、零には攻撃手段がなく、ひたすら逃げるしかないため、鬼ごっこやかくれんぼ系のホラーが苦手な人はストレスかもしれません。

キャラクターとしてのまんじは、当初のバイオレンスでクレイジーな印象に反して、意外にも忠義に厚く部下思いな人物で好感が持てました。

黒四館灰ルート
黒四館灰ルート

ステレオタイプな学園恋愛ADV…と見せかけてドキドキ文芸部のようなサイコサスペンス要素もあるルートです。

このルートは、個人的にいまいち盛り上がりに欠け、正直しんどかったです。

ジャスティス学園を遊んだことがあるし、恋愛ゲームに抵抗はないんですが…。

零が黒四館にイヤイヤやらされているので本気の恋愛ではなく、茶番をやらされている点で興ざめしました。

さらに、黒四館の仕掛けたカラクリに早い段階で気がついたのにダラダラと続くので面倒くさかったです。

私は2番目にプレイしましたが、終焉カウンターの意味など重要な情報が得られるルートなので後半に回したほうが良かったかもしれません。

犬神軋ルート
犬神軋ルート

横溝正史の犬神家の一族のような遺産相続をめぐる殺人事件のミステリーを追うルートです。

ずっと「メイドの水野」(クリックでマスキング取れます)が犯人だと思ってましたが、完全にはずれてしまいました、ごめんなさい(^_^;)

ダンガンロンパレインコードでおなじみのスタンダードな推理アドベンチャーなので安定して面白かったです。

丑寅幽玄ルート
丑寅幽玄ルート

命懸けのデスゲームに強制参加させられ、極限状態に追い込まれるストーリーです。

この手のデスゲーム展開は小高氏のお得意分野なので、シナリオ自体は安定して面白かったです。そして、最後のパズルはかなり難しかったです。

しかし、有名Vtuberがコラボで出るというだけでデス・ストランディング2をプレイできないくらいVtuberが苦手な私としては、福音のあの実況は結構な苦痛でした。

丑寅幽玄一番まともだと思ってましたが、一番ヤバいやつでしたね。

予想外の展開に驚かされるルートでした。

伊音テコルート
伊音テコルート

テコルートは、個人的に5つの中で一番好きなお話でした。特にアラレの活躍が印象的で、とても良かったです。ぶっちゃけ泣ける。

空の正体は最後まで気づけませんでした。江崎博士が黒幕はなんとなく分かってはいたけど、やっぱりただのサイコパスで残念でしたね。

最終章の感想

5人のルートを終えるといよいよ主人公を殺した真犯人を推理する最終章に突入します。

最終章突入時点では、みんな怪しいくらいで誰が犯人かはわからなかったので面白かったです。

本部に向かった以降はセーブができなくなり、犬神ルートのような推理パートが始まります。選択を間違えると容赦なく減点されるんですが、ニアミス程度なら減点無しにして欲しかったですね。

信頼度残り1の結構ギリギリの突破でした。

教祖殺しの犯人は誰か

犯人を見つけてからもストーリーは続きます。

エンディングはドロイドを救う人間を救うかの二択を迫られますが、人間側はあれだけヘイトを集めといて救う選択は、私には無理ですね…。

当然、迷わずドロイドを救う選択をしましたが、エンディングは感動的でした。終わり方だけならダンガンロンパやレインコードより良かったと思います。

まとめ

『終天教団』は、5人の幹部のルートがホラーにミステリー、少し泣ける話まで揃っており、バラエティに富んだ物語を体験できます。

それぞれのルートが異なるジャンルとなるため、どのストーリーも新鮮な気持ちで遊ぶことができます。

そして、トゥーキョーゲームスらしい強烈な個性を持ったキャラクターたちと、予想外の展開に振り回され続けるストーリーは本作でも健在です。

トゥーキョーゲームス作品のファンなら間違いなく楽しめますし、尖ったADVを探している人にもおすすめできるゲームです。

以上

『終天教団』のレビューと感想でした。

 

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