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「ホロウナイト:シルクソング」レビュー

超高難易度メトロイドヴァニア第2段

299本目のゲームレビューです。

個人的な評価

??点 ※総合スコアはレビューから30日後以降に更新されます。

〇傑作

独特な虫の世界観に描き込まれたビジュアル美しい音楽深い物語のダークファンタジーは、どれも非常に作り込まれており、インディーゲームとは思えない完成度を誇っています。

開発に7年も費やしたというのも納得できます。

これでたった2,300円なのだからすごい。

『ホロウナイト:シルクソング(Hollow Knight:Silksong)』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2025年9月4日 PlayStation5(4)/Xbox Series/Switch/PC

※発売初日からXbox Game Passに対応

どんなゲーム?

オーストラリアのインディーゲーム開発チームであるTeam Cherryが開発・販売する高難易度2Dアクションアドベンチャーゲーム

感想など

主人公はホーネット

『ホロウナイト:シルクソング』(以下「シルクソング」)は、2017年に発売され、圧倒的な高評価を得たインディーゲーム『ホロウナイト』の続編です。

今回の主人公は、前作のおチビちゃんな放浪騎士ではなく、物語のキーパーソンであったキャラクター「ホーネット」です。

本作の主人公「ホーネット」

本作でめでたくプレイアブルキャラクターとしてデビューした彼女ですが、とても魅力的なキャラクターとなっています。

まず、前作の主人公は喋らない主人公だったのに対して、今回の主人公であるホーネットは喋ります。

気が強くて芯があり、責任感も強いなど、とにかくカッコいい。けれど、思いやりがあって優しく、時々覗かせる弱さや女らしさも可愛いです。

彼女のこうした魅力がNPCの会話図鑑のコメントから滲み出ています。

前作のおチビちゃんも可愛くて良い主人公でしたが、本作の主人公であるホーネットは、また違った方向でプレイヤーを惹きつけます。

さらに、本作では主人公が喋ることにより会話でストーリーやNPCキャラクターの描写がより分かりやすく、ドラマチックに表現されるようになりました。

NPCとも積極的に会話

広大なマップ

シルクソングは、いわゆるメトロイドヴァニアに分類されるゲームです。

メトロイドヴァニアは、迷路のように入り組んだ構造のマップを、アクションを増やしたり、アイテムを取得して行ける場所を増やし、マップを開拓・探索するジャンルですが、その中でもシルクソングは特に広大で、かつ複雑な構造のマップとなっています。

地図を売ってくれるNPCシャクラ

マップは最初から表示されるのではなく、そのエリアの地図を購入して初めて表示されます。

壊れる壁や隠し通路も多く、敵も強いため、探索は見た目以上に時間がかかります。

特に隠し通路は非常に巧妙に隠されているので、攻略サイトを見ずにすべてを発見するのは至難の業です。

全30匹のノミを見つけるのもかなりの根気が要ります。

マップの難しい位置にいるノミ

一般的なメトロイドヴァニアは、クリアまでおよそ20時間ほどでマップを100%埋められるものが多いですが、本作はその2倍、あるいは3倍の時間を要するほどのボリュームとなっています。

超高難易度

前作ホロウナイトは非常に高い難易度で知られていましたが、シルクソングはそれをさらに上回る超高難易度となっています。

敵の攻撃力は高く、さらに非常にタフで何度も攻撃を与えないと倒せません。そのうえ、こちらの攻撃は距離をとって避けるような、いやらしい動きをするので、通常の敵相手でも一瞬の油断でやられてしまいます。

足場の悪い戦闘や意地悪なトラップ、イライラするアスレチックも多いです。

ボスクラスは大体一撃でライフ2つ持っていく

システム面でも昨今のメトロイドヴァニアやソウルライクのように難易度カスタマイズや様々な便利機能を入れて遊びやすくするなど緩和化は見せず、前作の硬派なスタイルをほぼそのまま継承しています。

当然のようにあるトゲトゲアスレチック

個人的に特に厳しいと感じたのは、デスペナルティが重いことです。チェックポイントであるベンチが少ないため、苦労して辿り着いた道中でも一度ミスしてやられると大きく戻されてしまい、最初からやり直しになることが多くあります。

ボス戦も直前にベンチがない場合が多く、面倒な道中を再び抜けなければならないこともしばしばです。

シルクソングは高難易度でソウル味のあるゲームですが、いわゆる「死にゲー」ではありません。

死んでもすぐにリトライでき、また死んでを繰り返すという失敗前提で試行錯誤しながら進むのが死にゲーなのです。

しかし、シルクソングの場合、一度失敗したらかなり前まで戻されてしまうため、そう簡単には死ねません。

そのため、ミスをしないように常に慎重で丁寧な探索が求められます。

これにより、高い緊張感のあるゲームプレイを楽しめる一方、集中力を長く保たなければならず、疲労感も強くなります。

しかし、どれだけ慎重に進めても容赦ない敵の配置や理不尽なトラップで力尽きることも多いです。それほどまでに難易度は厳しく作られています。

個人的には、難易度はもう少し緩めるか、イージーモードの搭載があっても良かったと思います。

なお、PC版(SteamまたはPC Game Pass)であればMODを導入することで自分にあった難易度にカスタマイズすることも可能です。

MOD導入方法はこちらで紹介しています。

jemcgames.com

手触りの良いアクション

シルクソングは、前項で述べたように時に理不尽さを感じるほどの高難易度なゲームですが、それにもかかわらず非常に面白く、そして楽しいゲームでもあります。

理由としては、スリリングな難易度が生み出す達成感の高さはもちろんですが、もう一つ大きな要因として「アクションの手触りの良さ」が挙げられます。

私が前作ホロウナイトをプレイして最初に感じたのは、キャラクターを動かすこと自体がとても楽しいということでした。

2頭身、3頭身サイズのキャラクターは、手足の短さゆえに攻撃のリーチが短く、もどかしさを感じることが多いですが、ホロウナイトの主人公は、攻撃のリーチが長く振りも早く思わず感心したくらいです。

アクションの操作性がとても良いホロウナイト

シルクソングでは、操作キャラがホーネットに変わりましたが、アクションの快適さはそのままです。

最初は、ジャンプ下突きが斜め下への急降下攻撃になっていて使いにくく感じるかもしれませんが、本作には攻撃モーションを変えられる「クレスト」があり、これを装備すれば前作のような扱いやすい攻撃モーションに変更できます。

クレストで使いやすい下攻撃に変化

キャラクターを操作していて楽しいアクションとなっているからこそ、リトライが大変でももう一度挑戦しようという気にさせてくれます。

高難易度のゲームで、アクションがもっさりしていたり、思うように動かせなかったりと、難しさの要因が操作性の悪さにある場合は、ストレスが非常に大きく途中で投げ出してしまうでしょう。

アクションそのものを動かしていて快適なレベルに仕上げることでホロウナイトシルクソングは難しくても楽しい、あるいは難しさそのものを楽しむことができるゲームになっているのだと思います。

素晴らしい世界観とストーリー

ホロウナイトと同様に、シルクソングも独特な虫の世界観とダークファンタジーなストーリーで魅せてくれます。

舞台となるファールーム

NPCの虫たちは一匹一匹が非常に個性的で印象的です。

私が好きなNPCは、地図をくれる上に一緒に戦ってくれるシャクラと、マイペースな癒やし要因のシェルマです。

楽器と歌が癒やしのシェルマ

エンディングは第2章クリア時点の通常エンドと第3章クリア後に見られるトゥルーエンドがあります。

第3章はさらに難易度が高く、ラスボスの撃破は間違いなく最難関ですが、苦労して見る価値はあるほどの素晴らしいエンディングとなっています。

まだ真エンドまで到達していない人は、ぜひ頑張って挑戦してください。

以上

『ホロウナイト:シルクソング』のレビューと感想でした。

 

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