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『Spiritfall』の感想・レビュー

HADESライクな横スクロールローグライトアクション

181本目のゲームレビューです。

評価

〇普通

HADESデッドセルズなどの人気ローグライトのいいとこ取りをしたシステムとアクションは、同作のフォロワーゲームの中でも完成度は高いです。

真似してる元のゲームが傑作のため、安定して面白いですが、アクションにHADESような滑らかさがなくなってしまったのは残念です。

『Spiritfall』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年2月29日 PC(Steam)

どんなゲーム?

人気インディーゲームの『HADES』から影響を受けた2D横スクロールタイプのローグライトアクションゲーム

選ばれし仮面の戦士オーメンフォージが、精霊の加護を受けて強くなりながら、ハンマーや弓、鎌など様々な武器を使用して魔物達と戦いながら聖域を目指す

感想など

ローグライトアクション

「ローグライクゲーム」は、元々は不思議のダンジョンシリーズのようにターン制であることが一般的でしたが、2010年代の初頭には『The Binding of Isaac(アイザックの伝説)』『ローグレガシー』のようなアクション要素を取り入れたローグライクゲームが登場し、人気を集め始めました。

このような新しいスタイルのローグライクが広まってくると、従来のターン制のローグライクゲームと区別するため『ローグライトゲーム』という言葉も使われるようになってきました。

そして、2010年代後半頃には『HADES』『デッドセルズ』といったローグライトゲームが圧倒的好評を博し、このジャンルはメトロイドヴァニアソウルライクと並ぶ人気になりました。

『Spiritfall』は、このジャンルを一気にメジャーなジャンルにした『HADES』から強い影響を受け、その他にも『デッドセルズ』『Slay the Spire』などの人気ゲームのシステムを取り入れたローグライトゲームです。

『HADES』のようにフロアの敵を全滅させると次のフロア

『HADES』のような強化選択

『Slay the Spire』でお馴染みフロア分岐

道中には中ボスもいる

各エリアの最後にももちろんボス

初回クリア後は『HADES』のような縛りプレイがアンロック

ようは流行りのスタイルのローグライクです。

横スクロールでコンボアクション

『Spiritfall』は、ローグライトアクションの中でも『HADES』と多くの共通点を持つゲームですが、視点がトップダウンで見下ろし型の『HADES』に対して『Spiritfall』は、プラットフォーム・ゲームのように2D横スクロール制を採用しています。

また、一部にスマブラの影響も見られ、多くの攻撃で敵はスマブラのように豪快に吹っ飛んでいきます。

スマブラのように敵が飛んでいく

攻撃アクションの種類は多く、通常攻撃、ランチャー(強攻撃)、ボルト(遠隔)、アシスト(クールダウンありの必殺技的な)、ダッシュ(強化で攻撃判定がつく)などがあります。

さらに、通常攻撃とランチャーには、方向キーと組み合わせてサイド攻撃、アップ攻撃、ダウン攻撃、タメ攻撃などが出せるようになっています。

これらの様々な攻撃を駆使して敵にコンボを決めることができます。例えば、サイド攻撃を連続で当てて敵をふっ飛ばし、アップ攻撃で拾って打ち上げ、空中で追撃というふうに繋げていくことができます。

あとは、2段ジャンプ壁蹴りなども使えるようなっていて、はやりの2Dアクションゲームのあらゆる要素を取り入れているといった感じです。

様々な武器で攻略

『HADES』にはザグレウスの剣以外にも槍や盾など様々な武器が登場しましたが、『Spiritfall』にも様々な武器が登場します。

武器は基本フォームが5種類あり、それぞれに代替フォームが存在するため、合計で10種類の武器スタイルが楽しめます。

以下に具体的な武器を紹介します。

1.バトルハンマーアックス

初期から使える武器だけあってスタンダードで使いやすいです。

代替えフォームは、両手持ちから片手持ち二刀流になりますが、リーチが短く使い勝手は悪いです。

2.シスターフッドガントレット

拳の武器なのでリーチが短そうですが、手にはめるのではなく浮遊しているので、意外にリーチはあります。アップランチャーの昇龍拳でお手玉するのお手軽で強いです。

代替フォームでは敵をつかんで投げることが可能です。

3.アストラルコードボウ

ぶっちゃけ弱いです。

弓矢のくせに中距離までしか飛ばない上、通常攻撃は敵も怯みません。

サイド攻撃はアクロバティックな動きするけどやたら前に移動するので使いづらいです。

弓のくせに前進しながら攻撃してたらダメでしょ。

代替えフォームは、通常攻撃でグレランがでて、ランチャーによる攻撃は端まで届く射撃なのででちゃんと遠隔で戦えます。ただしリロードが遅すて戦闘に時間がかかるのでやはり微妙です。

4.リンクブレード

リーチは短いですが、敵を引き寄せるランチャー攻撃でカバーできます。

代替えフォームの二刀は個人的にはバトルハンマーアクスより使いやすい武器です。

5.エキノックス

基本フォームは鎌ですが、ランチャーのタメ攻撃で刃の部分を飛ばして棍モードになるという特殊な武器です。鎌モードの通常攻撃は振りかぶりの隙が大きくて使いにくくランチャーのほうが隙が少ないです。

棍モードはランチャーの攻撃モーションは変わらないくせに威力だけ下がるので微妙です。

代替えフォームのほうは、ドリルモードと槍モードです。どちらも攻撃を当てた敵が変な方向に飛んでくので使いにくいです。

 

これら5種類の武器全てでランを完走するとエンディングのスタッフロールとなります。

ちなみに個人的に一番使ってて楽しかった武器はリンクブレードの代替えフォームです。

『Spiritfall』の不満点

『Spiritfall』は良く出来ているゲームで技術的な部分では評価に値するものの、個人的には以下の点で不満があります。

・攻撃モーションの遅さと隙の大きさ

他のレビューでも「もっさりしている」と指摘されている点です。

『HADES』は、主人公ザグレウスの動きが軽快で滑らか、攻撃が迅速で広範囲に及ぶことが評価されています。

しかし、『Spiritfall』の主人公オーメンフォージの攻撃は、ザグレウスと比較すると、攻撃動作は遅く、隙も大きい上に、リーチも短くて当てにくいです。

動作のキャンセルもほぼ効かないので、技の出がかりを潰されたり、硬直を狙われたりなどします。

・敵が吹っ飛びすぎてコンボがやりにくい

スマブラオマージュで敵が吹っ飛ぶせいで、逆にコンボを決めにくくなっています。
プロモーションのページにあるような派手なコンボを狙って決めようとしても敵があっち飛んでったりこっち飛んでったりでそんなに上手くいきません。

前述のとおり攻撃の出が遅い上、攻撃範囲がすごく狭いので吹っ飛ばした敵に攻撃が届きにくいのも原因です。

スマブラ要素はなくて良かったかなと思います。

・エリートのスーパーアーマー

『HADES』でもあった強敵のスーパーアーマーですが、『Spiritfall』にもあります。

そもそもこのシステムはあまり好きではないのですが、『HADES』の場合は、ザグレウスの攻撃の性能上、簡単に敵をハメ続けられるためスーパーアーマーは効果的といえなくもない感じでした。

しかし、このゲームの場合だと攻撃の遅さと狭さが組み合わさって、敵との戦いが一層困難でストレスにしかなりません。

特に4面にでてくるエビみたいな敵のスーパーアーマーはただの嫌がらせでしかありません(^_^;)

エビみたいな敵

まとめ

『HADES』の長所を取り入れつつも2Dアクションにしたら面白いゲームになるかなという感じの『Spiritfall』でしたが、確かに完成度は高く良く出来てはいるものの『HADES』で良かった滑らかで爽快なアクションが損なわれてしまったせいで、流行のローグライトに乗っかった凡作程度になってしまったような気がします。

似たようなゲームとどうしても比べられてしまうため、このゲームだけの際立った個性も欲しかったですね。

以上

『Spiritfall』のレビューでした。

 

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