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『百英雄伝』の感想・レビュー

古き良き時代のJRPG

184本目のゲームレビューです。

評価

◎かなりの良ゲー

良いところも悪いところも全て詰め込んだJRPGの集大成は、もはやエモいです。

期待していた以上に楽しませてもらいました。

『百英雄伝』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年4月23日 PlayStation5(4)/Xbox Series(one)/Switch/PC

どんなゲーム?

「幻想水滸伝シリーズ」のキーメンバーである村山吉隆氏を中心に、古典的なJRPGを創造することを目的に開発されたクラシックなスタイルのJRPG

キックスターターでのクラウドファンディングを通じて資金を調達し、プロジェクト開始からわずか数時間で目標金額を達成するなど高い期待と注目を集め発売された

感想など

「幻想水滸伝シリーズ」の精神的後継作

『百英雄伝』は、90年代後半にコナミから主にPlayStation用に発売され人気を博した「幻想水滸伝シリーズ」の中心開発スタッフであった村山吉隆氏がキックスターターによるクラウドファンディングを通じて資金を調達して制作されたJRPGです。

このゲームは、「幻想水滸伝シリーズ」の精神的後継作としての側面もあり、同シリーズに近い雰囲気と似たようなシステムがあります。

6人制のバトルなどは幻想水滸伝シリーズと同じ

実は、私は「幻想水滸伝シリーズ」については、1作もプレイしたことはなく、PS1時代の名作RPGくらいの認識しかありませんでした。

しかし、今回『百英雄伝』をプレイしてとても良い感じに楽しめたことから「幻想水滸伝シリーズ」の方も俄然興味が湧いてきましたよ。機会があれば、ぜひ、プレイしてみたいですね。

また、本作の発売前に先駆けて前日譚となるアクションゲームの『百英雄伝 Rising』もリリースされています(こちらはクリア済み)

『百英雄伝 Rising』は、未プレイでも問題はありませんが、本編にも登場する粋なキャラクター達が多数登場し、本編で再会したときに思わず嬉しくなるので、あらかじめプレイしておくのはオススメです。

『百英雄伝Rising』のゲーム画面
こちらはアクションゲーム

回顧的なクラシックスタイルのJRPG

『百英雄伝』は、90年代後半の古典的なスタイルのJRPGをリスペクトしていて、アラフォー世代ゲーマーなら古き良き時代のゲームを回顧する内容になっています。

ランダムエンカウントターン制コマンド式バトルなどは、昔のJRPGの最たる例ですが、他にもキャラクター、ストーリー、ミニゲームなど様々なところでJRPG魂を感じることができます。

最近は、『Chained Echoes』『Sea of Stars』などレトロJRPGライクの海外制ゲームも出ていますが『百英雄伝』は、当時のJRPGを作ってきた日本人スタッフの和製ゲームなので「これぞJRPG」感が本格的にひしひしと伝わってきます。

主人公をはじめとした未成熟なキャラクターの青臭い葛藤と成長を描いた話、狙いすぎて若干滑ってるギャグ、あざとすぎて痛いキャラクターなど、好みが分かれる部分もありますが、まさにJRPGです。

キャラの個性の強さもJRPGの特徴

ギャグが結構面白い

他にもJRPGのお約束的な展開も多く見られます。

例えば、ボス戦の入り方などは、

ゴゴゴゴゴ

仲間A:「わわ…なんかやばい感じ…」

仲間B:「くるぞ!」

ボス:「キシャー!」(カメラアップしつつエンカウント)

ピ〜ヒョロリーロー(激しいボス戦の曲)

みたいなJRPGファンに対して「お前達こういう展開が好きなんだろぅ」と言わんばかりの様式美な展開

えぇ好きですとも!大好物です。

終盤もコテコテなJRPG的アツいノリと展開でとても良かったです。

くるぞ!

不便さもクラシカル

百英雄伝は、前項から述べているとおり90年代後半のクラシカルなスタイルのJRPGですが、「2020年代にもなってそれやる?」みたいな「懐かしい」というより「古臭い」でしかない仕様もあります。

特に古いなと感じたのはアクセサリのダッシュブーツです。この手の装備品は「装備してると足が速くなる」という便利さではなく「いちいち装備していないと足が遅い」という不便さの方を強く感じる要素です。

ダッシュブーツでアクセ枠潰れるのがストレス

最近は、ゲームもタイムパフォーマンスが強く求められ、バトルやイベントシーンでの倍速機能や演出のスキップなどなどタイパ重視の機能が多く導入されています。しかし、『百英雄伝』にはあまりそういう機能が備わっておらず、その辺りも古臭く感じます。

特に序盤はファストトラベルが使えないため、徒歩で目的地を行ったり来たりする必要があり不便です。

ファストトラベルは中盤に解禁

ただし、これは今の基準で見ればの話で当時のゲームに比べれば、移動速度はダッシュブーツがなくても十分に速いし、バトルなど全体的なテンポも良く快適です。

100人以上の仲間キャラクター

『百英雄伝』はそのタイトルの通り、100人以上の仲間キャラクターが存在します。

キャラクターは少年少女から爺さん、婆さん、獣人、モンスター、サメなど多種多様かつ個性的です。

意外に強キャラのユースケ
意外に弱キャラのミオ先輩
本作の子安侍ユウゴ

Risingの主人公たち
個人的に一押しのサメ

すごいのは100人以上もいるキャラクター達全員がプロの声優によるボイス付で喋るということです。イベントシーンなどでも固定メンバーのセリフ量が多いのは確かですが、フリー枠のキャラクターにもセリフが用意されており、パーティーメンバーに編成されていれば、ボイス付で喋ります。

さらに、後述するミニゲームの劇場やカード、料理の審査員の時なども全員分のセリフがあり喋ります。

一人分でも結構な量のテキスト量になると思うのですが、100人分以上用意するとなるとこれはかなりクレイジー(褒め言葉)ですね。声に関しては相当お金と時間をかけられていると思います。

豊富なミニゲーム

『百英雄伝』には釣りやカードゲームといったJRPGらしいミニゲームが沢山あります。
種類が多く、中には本格的なものもあり、まるで「龍が如くシリーズ」を思わせるくらいの充実ぶりです。

おもなミニゲームは、以下のとおりです。

1 釣り

釣りといえば、「ブレス・オブ・ファイアシリーズ」定番のミニゲームだったはずが、いつの間にかJRPG定番のミニゲームになってました。

『百英雄伝』の釣りはシンプルで釣り竿を垂らしているノアの頭上に「!」が表示されたらボタンを押すだけです。暴れる魚に釣り糸を左右に振りながら引くとかそういうのはありません。

釣り場や魚の種類などは結構あったみたいなのですが、ファンを仲間にする時(スカウトにシャリンメダイが必要)くらいしかやりませんでした。

魚の使い道があまりないのがね…。

2 カードゲーム

めちゃくちゃハマりました。面白いです。

シンプルで単純なルールながら深い戦略性があり、自分がプレイしたゲーム内カードゲームの中ではトップレベルで良く出来たゲームだと思います。

カードバトル中の曲も好きです。

3 劇場

ゲーム性はありませんがとにかくすごいです。

「ロミオとジュリエット」「赤ずきん」「シンデレラ」「ブレーメンの音楽隊」といった劇を100人以上のキャラクターから自由に配役を選んで演技させることが可能です。フルボイスです。

キャラクターに合わせてアドリブが入るので面白いです。おっさんにジュリエットやシンデレラ役をやらせたりとかついついいろんなキャラクターの配役を試してみたくなってしまいます。

オススメは、語り手にすると何でもベーゴマを持ち出してくるドクター・コキト(ベーゴマ博士)と何の役をやらせても実況にしてしまうマンディです。

ゲラゲラ大笑いしながらやってました。有名声優もいるので声優ファンの方ならさらに楽しめると思います。

何役やらせても実況になるマンディ

なんでもベーゴマにする博士の語り手

もちろん、はまり役を探すのも楽しいです。

ホーガンとか顔は怖いけど演技は意外に上手かったりとか探していたらキリがないんですけどね。

いろんなパターンがあって力の入り具合に本当に凄まじいミニゲームです。

4 エッグフットレース

マンディの熱い実況など良く出来ているミニゲームだとは思うのですが、やはり倍速機能やスキップ機能がついてないのが辛いですね。やり込むのにはかなり時間がかかりそうです。

最高ランクのレースで1位を取ると仲間になるキャラとかいなくて本当助かりました(^_^;)

5 シャークシップレース

加速板に乗ったりチェックポイントにくぐったりしながらできるだけ速くゴールを目指すレースゲームです。まぁ、何というかよくあるミニゲームといった感じで普通です。

見た目は派手ですが、他のミニゲームのように作り込んでる感じはしなかったです。

6 ベーゴマ

ポケモンオマージュ的な話の展開で、主人公が子どもの遊びに大マジになる辺りは龍が如くっぽいノリのミニゲームです。

これ最後まで進めないと仲間にならないキャラがいるのが本当に辛かったです。

四天王がやたら強いので放置プレイもできないし、ボタン連打も大変です。

PC版で連射コントローラーを持ってて助かりました。連コン使えなかったら投げ出してたかも。

疲れるし、コントローラー消耗してる気がして嫌なんですよねボタン連打って。

7 料理対決

厳しいです。正直つまらない…。ボタン連打させる意味もわからない。

どのキャラも採点がキツくて伝説級の料理人相手でも「まずい」とか辛辣な評価するのはギャグとしては面白いんですけどね。

やはり最後の1歩手前まで進めないと仲間にならないキャラがいるのですが、やたら対戦相手が多いので大変です。16人います。多すぎです。「四天王の1人」とか言い出した時点で「あと3人以上いるのかよ」ってウンザリだったのですが…。

ポーチドエッグオムレツ卵焼きの3品出せば9割以上勝てるのを調べて知った後は、もう料理セットしたら連コン放置でした。

 

まとめ

期待はしつつも、発売日の延期、リリース後も進行不能バグやSwitch版のパフォーマンス等、前評判の情報からクオリティに不安のあった『百英雄伝』ですが、実際にプレイしてみたら、100人以上いる個性的なキャラクター、丁寧に描かれた世界観とシナリオ、JRPG的な熱い展開などで最後までとても楽しく遊ぶことができました。

何よりもJRPGに対する愛を強く感じられ、プレイする人を絶対に楽しませようという思いの伝わってくるゲームでした。

このような素晴らしいゲームを作ってくださった開発スタッフの方々の努力に敬意を表したいと思います。

 

以上

『百英雄伝』のレビューでした。

 

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