124本目のゲームレビューです。
評価
81点
〇かなりの良ゲー
ダンガンロンパシリーズと同じく奇抜なキャラクターやぶっ飛んだ展開のシナリオで最初から最後まで楽しませてくれます。
ダンガンロンパファンだけでなくミステリー・推理アドベンチャーゲーム好き全ての人にオススメできます。
『超探偵事件簿 レインコード』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2023年6月30日 | Switch |
2024年7月18日 | PlayStation5(4)/Xbox Series/PC(Steam) |
どんなゲーム?
ダンガンロンパシリーズの制作陣が手がけるダークファンタジー推理アクションゲーム
何らかの理由で記憶を失ってしまった主人公「ユーマ=ココヘッド」とユーマに取り憑く死に神ちゃんは、未解決事件の撲滅を掲げる世界的な組織「世界探偵機構」に所属する超探偵達と共に超巨大企業アマテラス社によって鎖国された街「カナイ区」で起こる世界規模の事件の謎を解き明かしていく
感想など
ダンガンロンパシリーズ制作陣の新作
『超探偵事件簿 レインコード』(以下「レインコード」)は、スパイク・チュンソフトが開発・発売する人気推理アクションシリーズの「ダンガンロンパシリーズ(※)」の制作スタッフ達が再集結して開発されたダークファンタジー推理アクションゲームです。
※ダンガンロンパシリーズ
超高校級の才能をもった生徒たちが不気味なクマのぬいぐるみ「モノクマ」の企みにより閉じ込められて殺人ゲーム「コロシアイ」をおこなわされるハイスピード推理アクション。
第1作目「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生」では、モノクマの声優に大山のぶ代(2005年までのドラえもんの声優)を起用し「ダークなドラえもん」を演じさせたことで大きな話題を呼び、また、個性的すぎるキャラクターや生徒たちの「コロシアイ」という絶望と狂気に渦巻いたストーリー、衝撃的な展開は国内外で高い評価を博し、ミステリー・推理モノのゲームとしては逆転裁判シリーズにならぶ人気シリーズとなりました。
ダンガンロンパシリーズ制作陣の新作推理ゲームということで、「レインコード」も同シリーズと同じような個性的なキャラクター、奇抜なシナリオ展開と演出、ミニゲームな謎解きパートといった特徴がみられます。
個性的なキャラクター
ダンガンロンパシリーズでは「超高校級の~~」という個性的なキャラクター達が登場しましたが、「レインコード」も「超探偵」といって様々な探偵特殊能力を持つキャラクター達が登場します。
超探偵達は探偵特殊能力を持つだけでなく性格や外見なども尖りに尖った個性的なキャラクターばかりです。
超探偵達の探偵特殊能力は公式ページのキャラクター紹介やプロモーションビデオにもバリバリ載ってますが本レビューではあえて書かないでおきますね。皆、人間離れしたすごい能力を持っていますよ。
また、超探偵以外にも超探偵に立ちはだかる敵勢力としてアマテラス社保安部の者達が登場します。
アマテラス社保安部の者達も超探偵に負けず劣らずの個性的なキャラクターばかりで「レインコード」のストーリーをさらに盛り上げます。
奇抜なシナリオ展開と演出
ストーリーについては、ネタバレになるので詳しくは伏せておきますが、ダンガンロンパシリーズと同じくハチャメチャでカオスなトンデモ展開で驚かせてくれます。
特にこのゲームの謎解きパートである現実世界の謎が具現化した「謎迷宮」で起こる出来事は死に神ちゃんの悪ノリっぷりも加わりカオス全開といった感じです。
ミニゲームな謎解きバート
「レインコード」の謎解きパートは前述の「謎迷宮」の攻略ですが、謎迷宮内では沢山のミニゲームやQTEで正しいロジックをたどり、事件の謎を解明していきます。
謎迷宮内でもっとも多いミニゲームは「謎怪人」とのバトルです。
謎怪人とのバトルは一見するとアクションゲームのように見えますが、流れてくる言葉を避けながら矛盾のあるワードに対して解鍵をセットした剣で斬りつけるというもので、ダンガンロンパの「ノンストップ議論」と大体同じ感覚のミニゲームです。
直前で避けるなどのテクニックはありますが基本的に操作は単純で、怪人が放つ言葉に当たってしまっても少ししかダメージを負わないのでアクションが苦手な人でも全く問題はないと思います。
ほかには、見た目がユニークすぎるワード当てミニゲームの「死に神ちゃん危機一髪」やクライマックスで事件の全容をまとめたコミックのコマを当てはめる「超推理フィナーレ」もあります。
これらのミニゲームもダンガンロンパシリーズに似たようなミニゲームがありましたね。
つまり、「レインコード」の特徴である謎解きミニゲームは、ダンガンロンパとほぼ同じタイプのミニゲームと言っていいでしょう。
進化した探索・調査パートと豪華な声優陣
大体ダンガンロンパと同じと言っていますが、ダンガンロンパよりも進化している部分もあります。
特に進化しているのは、探索・調査パートでダンガンロンパではノベルゲーム的な限定的な行動範囲で探索し、背景となっている部分を調査するような感じでしたが、「レインコード」の場合は、現実世界のパートで3Dで作られたカナイ区の各地区、各施設を3人称視点で歩き回って探索・調査をすることができるようになっています。
カナイ区は繁華街の「カマサキ地区」や富裕層の多い「ギンマ地区」、商業ビルの並ぶ「マルノモン地区」などいろいろなエリアがあり、光る横断歩道やドローン傘など近未来的でサイバーパンクな雰囲気も見ていて面白いです。
また、各キャラクターのボイスもパワーアップしています。
声優が豪華というところはダンガンロンパと同じなのですが、パートボイスの多かったダンガンロンパよりも「レインコード」ではフルボイスの部分が多くなり、メインのシナリオでの会話もほとんどフルボイスで喋るようになりました。
ちなみに私が印象に残ったキャラクターボイスはヤコウ=フーリオのCV子安武人氏です。相変わらずいい仕事してますね。
ただいま帰りました
— エビマヨ (@nahco3ebimayo) 2023年7月4日
今日もレインコードやります
いっぱい貼りたいスクショあるけどネタバレすると申し訳ないからほとんど出せない😓
とりあえずCV子安武人のヤコウさん、いいおっさんね pic.twitter.com/sOBUPi8hz2
2通りの姿を持つマスコットキャラクター「死に神ちゃん」
ダンガンロンパシリーズには「モノクマ」という強烈な個性を持ったマスコットキャラクターがいましたが、「レインコード」にも「死に神ちゃん(cv 鈴代紗弓)」という現実世界では人魂の姿で謎迷宮内では人型に変身するマスコットキャラクターが登場します。
死に神ちゃんはユーマに憑りついて様々な手助け(ちょっかい)を行うパートナーとして活躍します。
ところが、この死に神ちゃん、最初の方は新鮮さもあって面白いのですが中盤くらいからだんだん面倒くさい感じになります。
何か話したり、調べたりするたびにいちいち冷やかしや倫理観のない発言を挟んでくるのでテキスト量が2倍、5分で終わる話も10分かかってテンポが悪くなってしまいます。
ユーマも優柔不断で死に神ちゃんの言葉に振り回されることも多くプレイヤーが行きたい方と逆に引っ張られて行ってしまうようなときは、さすがにちょっとイラッとする時もありました。
別のゲームで同じようなポジションであるAIソムニウムファイルのアイボウは超優秀だったこともあって冷やかしの1つや2つ気にならなかったんですけどね。
でもまぁ、死に神ちゃんも最終的にはすごく良かったと思います。終わりよければ全て良しですね。
いまいち感情移入できない主人公「ユーマ=ココヘッド」
映画の主人公とゲームの主人公の大きな違いは、映画の主人公は、鑑賞している側から見れば第三者から見た他人であるのに対し、ゲームの主人公は実際にプレイヤーの分身として操作してその体験を共有させることにあります。そのため、プレイヤーがゲーム内で役割を演じることが主たるロールプレイングゲームなどにおいてはドラクエのようにしゃべらないタイプの主人公もよく採用されます。
では、「レインコード」のような推理ゲームにおいてはどのような主人公が理想でしょうか。
私が思うに「プレイヤーと主人公の推理が同調していること」が大切だと思います。
どういうことかというと、プレイヤーが「わかったぞ、これのトリックはアレを使ったな!」と気づいた時には主人公も「そうか!わかったぞ!これは…」となってくれることです。そうでなくて、プレイヤーが「事件の全容がわかった!」ってなっているのに、ゲームの主人公が「う~ん?」と首を捻っていたり、逆にプレイヤーが「全然わからん」となっているのに主人公の方だけ「そうかアレを使ったんだな!」などと分かった風になっていると感情移入ができなくなってしまいます。
もっとも、推理には個人差があるので完璧に一致させるのは不可能ですが…。
私にとって「レインコード」の主人公のユーマはどうだったかというと、とても好感の持てる性格なのは良かったものの推理に関してはちょっと鈍くて感情移入はあまりできませんでした。
自分としては「これの犯人はアレで動機はアレでトリックはこうだなぁ」とか想像してもユーマの方はまだ全然分かっていなくて「どうしてだろう…」とか言ってる状況でやきもきさせられたことが多かった気がします。
あとは、ちょっとパニくりすぎな感じがしました「ユーマとりあえず落ち着け!」と何度も声に出して言いたくなりました。
推理の部分については、分かっているのか分かっていないのか捉えどころのない感じにしておいて、事件が発生した時などは、「急いで駆けつける」、「その場で様子を見る」などある程度選択肢を出してプレイヤーの意思を反映させることができればもっと感情移入ができたかなぁと思います。
ロード時間の問題
これはソフト側というよりハード側、つまりSwitchの問題でもあると思いますが、「レインコード」のマップ移動やミニゲーム突入の時のロード時間が結構長くてこのゲームの悪い部分の1つになってしまっています。
具体的には、主要地区のカマサキ地区に移動してくるのに20秒程度のロード時間があります。
このため、地区の移動を頻繁に行う依頼はかなり面倒になってしまっています。
コレクション要素である「探偵達との語らい」を見るのも結構なロード時間を挟むので億劫になってしまうほどです。
ロード時間はハードの問題も大きいと思うのでプラットフォームがPCなどで出ればそれなりに改善されるかもしれませんね。
まとめ
まとめると以下のとおりです。
- ダンガンロンパシリーズスタッフの制作だけあって雰囲気やゲームシステムなどは大体ダンガンロンパ
- ダンガンロンパ同様にハチャメチャな展開で特に謎迷宮はカオス
- 死に神ちゃんはウザ可愛いマスコット
- 主人公のユーマは好感は持てるが感情移入はできない
- ロード時間が気になる程度に長い
以上
『超探偵事件簿 レインコード』のレビューでした。
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