145本目のゲームレビューです。
評価
90点
〇かなりの良ゲー
序盤を過ぎたあたりから面白くなってきて、一気にプレイしてしまうくらいシナリオが面白かったです。
『レイジングループ』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2015年12月3日 | iOS/Android |
2017年1月11日 | PlayStation Vita |
2017年3月1日 | PlayStation4 |
2017年8月3日 | Switch |
2017年8月24日 | PC(Steam) |
どんなゲーム?
コミュニケーションパーティーゲーム「汝は人狼なりや?(人狼ゲーム)」を題材にしたホラーサスペンスノベルADV
大学院生の房石陽明(ふさいしはるあき)はバイク旅行中に道に迷い訪れた集落「休水(やすみず)」で「黄泉忌みの宴」と呼ばれる恐ろしい儀式に巻き込まれる
感想など
「汝は人狼なりや?」とは
『レイジングループ』は、コミュニケーションパーティーゲームの「汝は人狼なりや?(人狼ゲーム)」を題材としたシナリオで、舞台となる藤良村の集落「休水」でおこなわれる儀式「黄泉忌みの宴」のルールは、役職の名前が異なるくらいでこの人狼ゲームのルールとほぼ同じものです。
物語を読むのに人狼ゲームのルールを知っていなくても問題ありませんが、知っていた方が心理戦や駆け引きがよく分かって面白いと思うので、まず、人狼ゲームの基本的なルールについて書かせてもらいます。
基本ルール
1ゲームに5人から15人くらいのプレイヤーを囲い「村」とし、その中から1名か3名くらいの狼役が選ばれ、残りは村人役となる。
狼は誰が味方(狼)か分かるが、村人は誰が狼で誰が人間か分からない。
昼のターンと夜のターンがあり、昼のターンでは、狼と村人のプレイヤー全員で話し合い、全員の内1人、誰を処刑(退場)するか投票して決める。
夜のターンでは、狼が村人の中から1人、誰かを喰らう(退場させる)。
昼と夜を繰り返し、最終的に全ての狼が処刑されれば村人の勝ち、生存してる村人の数が狼の数以下まで減らされれば狼の勝ちとなる。
人間側の特殊な役職
村人陣営には、以下のような特殊な能力のある役割を持った人間がいます。
【占い師】
夜のターンに指定したプレイヤー1人について、人間か狼か知ることができる。
【狩人】
夜のターンに指定したプレイヤー1人を狼の捕食から守ることができる。ただし、自分を守ることはできない。
【霊媒師】
昼に処刑されたプレイヤーが人間だったか狼だったか知ることができる。
【共有者】
2人配役され、お互いが共有者(確実に人間)であることを知らされる。
【狂人】
狼側が勝つと勝利する人間。狼陣営だが人間なので、占い師や霊媒師には人間と判定され、狼も誰が狂人か分からない。
このような役職を村人側は上手く活用、狼側は成りすまし(例えば、「自分は占い師だ」と嘘をつき「この人は占いの結果、狼でした」言って村人を騙して処刑させるなど)でゲームを進めていきます。
以上が人狼ゲームの最もポピュラーなルールです。
実際にプレイするには、オンにしろオフにしろ10人程度の人数を集める必要があるので敷居が高いですが、「アルティメット人狼」などニコニコ動画やYoutubeでエンターテイメントとして放送されている番組も多いので、こういったものを視聴するのもアリだと思います。
謎を散りばめた上質なミステリー
『レイジングループ』はノベルゲームなのでゲームの大部分はテキストを読むことです。ADV(アドベンチャーゲーム)でもありますが、レインコードのようにキャラクターを操作して移動させたり、AIソムニウムファイルのように推理パートがミニゲームだったりすることはなく、テキストと選択肢による分岐があるだけの純粋なノベルゲームです。
キャラクターのセリフは、フルボイスですべて喋りますが、ナレーションだけは喋ってくれません。
声優は有名な人気声優などを起用しているのではなく、ドワンゴの声優養成所に所属している人を起用しているそうで、言われてみれば、役を演じているというより、台本を丁寧に読んでるだけのような感じのあまり上手でない喋り方をする声優もいて気になったかもしれません。ただし、演技力はともかく声自体は違和感の感じないキャラクターに合った声が多かったと思います。
シナリオについては、山村の古い伝承や因習を扱ったよくあるサスペンス/ミステリーですが、いい感じに謎が散りばめられ、続きが気になって読むのをなかなか中断できないくらい面白かったです。
ジャンルとしてはホラーな部分もあって凄惨な事件現場を文章で表現したシーンはありますが、イラストや映像による残虐描写はないので怖すぎるということはないと思います。ただし、一部の狂気に走ったキャラクターの言動や行為に胸糞が悪くなることはありました。
登場人物も皆良い味を出していて、ほとんどの人が物語を盛り上げる場面、活躍するシーンがあります。
特に前半はただの嫌みでヘタレなキャラクターだったけど、だんだんと印象の変わってくる清之介は、個人的になかなかのお気に入りです。
ヒロインは最終的には春が一番ですね…消去法で。
というか女性キャラでまともな人って多恵バァさんくらいしかいない気がしますが(^_^;)
心理戦が面白い「黄泉忌みの宴」
『レイジングループ』の話の中で一番面白いところといえば、やはり「黄泉忌みの宴」での駆け引きでしょう。
人狼ゲームでいうところ昼のターンにあたる部分で、誰が狼なのか探り合い、騙し合いの心理戦です。
ただ、宴の進行に関して選択肢などは少なく、プレイヤーの意見の介入があまりできないのは残念だったかもしれません。
選択肢はあっても間違えたら結局バッドエンドに直行するだけなのでやはり一本道な感じはします。
シナリオは面白いのですが、プレイヤーはあくまでゲームの観戦者でしかないのはちょっと寂しいところではありました。
大長編なボリューム
『レイジングループ』はほぼテキストを読むだけのノベルゲームですが、シナリオは大長編です。クリアまでの時間はネタバレになるかもしれないのでハッキリとは書きませんが、10時間程度では全然終わりません。
さらに、クリア後も本編の裏側や各キャラクターが何を考えていたか分かる暴露モードや本編より和やかな(ふざけた)雰囲気の後日談が読めるエクストラシナリオなどもあってノベルゲームとしてはかなりの大ボリュームです。
まとめ
まとめると以下のとおりです。
- 題材である「汝は人狼なりや?(人狼ゲーム)」のルールを知っておいた方が楽しめる
- セリフはナレーション以外はフルボイスで喋る
- シナリオがとてもよい
- どの登場人物もいい味出している
- 「黄泉忌みの宴」の心理戦が面白い
- クリア後にも追加で読めるシナリオがあり大長編の大ボリューム
以上
『レイジングループ』のレビューでした。
↓ブログランキングに参加しました!
バナーをクリックするとこのブログにポイントが入ります!(1日1回)