232本目のゲームレビューです。
評価
??点 ※総合スコアはレビューから30日後以降に更新されます。
〇かなり良ゲー
リメイクとしては無難な出来ですが、元々が傑作中の傑作ゲームのドラクエ3なので非常に完成度が高く面白いです。
『ドラゴンクエストIII(HD-2D版ドラクエ3リメイク』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2024年11月14日 | PlayStation5(4)/Xbox Series/Switch/PC |
どんなゲーム?
日本で最も有名なコンピュータロールプレイングゲームであるドラゴンクエストシリーズで特に完成度が高く人気の高い名作『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』をスクウェア・エニックスの最新グラフィック手法であるHD-2Dで表現した令和リメイク作
感想など
ドラクエのリメイク
過去の名作ゲームを最新技術で復活させる「リメイク」は、最近は数多くのゲームタイトルで出されていますが、この手法に早くから積極的に取り組んでいるのはエニックス(現スクエニ)のドラゴンクエストシリーズです。
1993年発売のSFC版『ドラゴンクエストI・II』と1996年発売のSFC版『ドラゴンクエストIII』は、ファミコンからスーパーファミコンにハードを移行したことによる、グラフィックとサウンドの大幅なパワーアップや「国民的人気」とさえ言われるほどの当時のドラクエ人気もあり、国内で100万本を超えるヒット作となりました。
スクウェアはリメイクがヘタクソですが、エニックス(というかドラクエ)はリメイクがとても上手で、クオリティーの高いものが多く、特にSFCのドラクエ3リメイクは、新職業や性格システムの追加、スゴロク場の実装などをはじめ大幅なシステムの追加・変更で不朽の名作であったファミコン版のドラクエ3をさらに完成度の高いゲームに磨き上げたゴージャスで素晴らしいリメイクでした。
ドラクエ3はSFC版の発売以降もGBや携帯・スマホなど様々なプラットフォーム向けに発売されていますが、リメイクというよりもSFC版の移植またはリマスターに近いものでした。
しかし、今回発売された『HD-2D版 ドラゴンクエストIII』は、SFC版ドラクエ3を踏襲しつつもグラフィック、サウンドそしてシステムを令和の技術で開発されたものでスーパーファミコン版以来28年ぶりの大型リメイクとなります。
HD-2Dによる美麗な表現
今回のドラクエ3のリメイクでは、グラフィックに『オクトパストラベラー』などで使われたHD-2Dによる手法が採用されています。
HD-2Dは、ドット絵に3DCG効果で立体感を出し、光と影を美麗に演出するスクウェア・エニックスの開発のするグラフィック表現方法で「HD-2Dをもっと活かすべし」という社長命令により、近頃は、『ライブアライブ』などのスクエニリメイク作品で積極的に採用されています。
ドラクエ3は、このHD-2D表現により各町やダンジョン、フィールド、海などが美しく表現されるようになりました。
また、映像だけでなく音楽も非常に素晴らしいです。
ただし、戦闘画面は、ちょっと微妙だと思いました。
背景のグラフィックこそ草などが細かく描き込まれていて美しいですが、肝心のモンスターのグラフィックが妙にサイズが小さくてショボくなってしまっています。
そして、コマンド入力の時は勇者とパーティーキャラクター達が描写されるものの、コマンド実行の時は勇者視点になってキャラクターの描写がなくなります。
これは、手抜きかどうかわかりませんが、コマンド実行時のキャラクターの呪文とか特技のアニメーションのドット絵まで作りきれなかったという感じがして非常に残念でした。
いっそコマンド入力時も勇者視点にしてモンスターのグラフィックのサイズを大きくしたほうが良かったような気もします(^_^;)
ゲーム部分のアレンジ
HD-2D版ドラクエ3リメイクでは、ゲームシステムでも様々なアレンジがされています。
おもな変更点は以下のとおりです。
令和式親切仕様になっている
戦闘で早送りができる、タンスはアイテムがある場合しか「調べる」が表示されない、ダンジョンや屋内でルーラしても頭をぶつけない(リレミトほとんど意味なし)、ルーラポイントはダンジョン入口も登録などなど、とにかくプレイしやすさ快適さに重点を置いて細かい配慮がされています。まさに令和仕様。
ただ、快適なのはいいけどちょっとやりすぎかなという部分もあります。
例えば、ダンジョンは入った時点でその階の地形全てがマッピングがされるので探索する楽しみがなくなっています。
プレイヤーが迷わないように「次どこへ行けばいいのか」というガイドやチュートリアルの表示もお節介すぎるほど多く、行く場所を指示されているようで原作の良いところであった自由度の高さが狭めているように感じました。
あと「ダッシュ」ができるようになっていますが、グラフィックが歩きのままです。また手抜きかな?
移動がちょっと早くなるだけなのでこれなら常時ダッシュ状態で良かったと思うんですけどね。
新職業の追加
新職業としてDQ6やDQ10で登場している「まもの使い」が追加されました。
しかし、本作のまもの使いは倒したモンスターを手なずけてパーティーメンバーとして戦闘に加えるということはできません。後述の「はぐれモンスター」を見つけやすくなるのと、それっぽい技が使えるだけです。
「ビーストモード」や「まものよび」など強い特技が使える職業だけどモンスターを仲間にできないのは残念というか肩透かしでした。
新特技の追加
既存の職業は新特技を覚えたり、覚えるレベルが変わったりしています。
遊び人はツッコミやハッスルダンスなど有用な特技を覚えるようになり、勇者にいたっては、かえん斬りやはやぶさ斬り、めいそう、ベギラゴンなど覚える特技・呪文がかなり増えています。
蘇生呪文もザオラルの下位のザオを序盤で覚えられるようになったので楽になってます。
僧侶はレベル4でバギを覚えるのでアリアハン周辺は僧侶のバギ無双になります。
強すぎる特技があったりしてバランスはやや微妙ですが転職に向けたキャラクターの育成も幅広くなるのでこれは良い変化だと思いました。
敵モンスターの調整
新しい職業や特技の追加により勇者パーティーがかなりパワーアップしましたが、それに合わせるように敵モンスターも全体的にステータスがアップし、特技が追加されたモンスターもいます。
難易度は序盤こそヌルめですが、アリアハンを過ぎたあたりから、それなりに苦戦することもあります。
王冠を無視してアッサラームに向かってあばれざるにコテンパンにされるとか当時のドラクエ3あるあるも体験できますよ。
新ボスの追加
オリジナルのドラクエ3にはいないタイミングでのボス戦が多数追加されています。
当時と同じ感覚で進めて、回復しないで進んでいたら不意に襲ってきたボスとの戦闘で全滅してしまった人も多いのではないでしょうか。
新しいボスは、なかなかに手強く、緊張感のある戦闘が楽しめるので、シンプルながらとても良い追加要素だと思いました。
キラキラとひみつの場所
フィールド上にアイテムが落ちている「キラキラ」とお宝やはぐれモンスターがいる「ひみつの場所」といったポイントがいたるところにできました。
どちらも結構良いアイテムやゴールドを拾えるのが嬉しいです。拾えるのが良すぎるとバランスブレイカーだけどつまらないゴミばかりでもない、なかなかいい塩梅です。
これにより単なるフィールドでも歩くだけでなくてお宝を探す楽しみができました。オリジナルのドラクエ3を知っていて町やダンジョンがないと分かっていてもひみつの場所があって、貴重なお宝やはぐれモンスターとである可能性があるので隅々まで歩いてみたくなります。
モンスター・バトルロードとはぐれモンスター探し
HD-2Dリメイクでは、格闘場やスゴロクのかわりにモンスター・バトルロードが実装されました。
モンスター・バトルロードは各所にいるはぐれモンスターつかまえることでそのモンスター達を戦わせて勝ち抜くというコンテンツです。
積極的にはぐれモンスターを見つけていかないと高ランクで勝ち抜くのは難しいのですが、報酬はなかなか美味しいです。
個人的には楽しめたし結構好きなコンテンツです。
オルテガのエピソードの追加
オルテガの掘り下げについてはSFC版ので十分で本リメイクのはむしろ蛇足かなという感じもしましたが、声優が龍が如くで花輪さんを演じた東地宏樹氏なのは良かったです。
個人的には、ここはむしろ裏技で見た目をファミコン版(=パンツマン)に変更できるとかそういうネタがあっても良かったと思います。
キャラ育成がさらに楽しくなった
様々な令和式のアレンジが施されたドラクエ3ですが、当時から今もなお変わらない楽しさであり続ける部分があります。
それが「キャラクターのレベルを上げて成長させる楽しさ」です。
RPGのレベル上げって大体楽しいものですがドラクエのレベル上げは格別に楽しい気がします。なんであんなに楽しいんですかね。あの効果音がいいのかな…。
はぐれメタル刈りとかただの作業なのにめちゃくちゃ楽しいです。
そして、本リメイクの育成は、新職業や新特技が追加されたことにより、色々な特技をもったキャラを作成することができてさらに面白くなりました。
まもの使いでビーストモード(2回行動できる特技)を覚えさせてから賢者に転職させて、やまびこの帽子で呪文4連発とか派手なことも可能です。
キャラの育成に関しては、ぶっちゃけメタファーより面白いです。
ちなみに、私の場合、最初のパーティは「勇、まも、遊、僧」でダーマ神殿に着いたら転職して「勇、まも、賢、賢」にしました。しかし、魔物使いの特技が強いのを知ったら勇者以外に魔物使いを経験させて最終的に「勇、戦、まも、賢」になりました。
勇者以外ビーストモードとまものよびが使えて、勇者は一番火力なくてバフもろくに使えないので「賢者の石係」になってました(笑)
勇者専用のベホマズンは強いですが、賢者もビーストモード+やまびこ帽子でベホマラー4連発が低コストでできちゃうんですよね(^_^;)
まとめ
HD-2D版ドラクエ3リメイクは、日本のCRPGの金字塔ともいえるドラクエ3を原作の雰囲気を残したまま現代でも遊べるように改良して甦らせたリメイク作です。
確かに、「リメイクとしては無難すぎる」、「SFC版で十分」、「納期に間に合わなかったような粗さが目立つ」、「檜山修之の無駄使い」、「ルックスAルックスBって何やねん」といった問題点も見られましたが、それでも、当時の名作ゲームの普遍的な面白さというものを十分に堪能できました。
令和仕様の親切システムも備わっているので当時熱中したおっさんばかりでなく、原作をプレイしたことのない若い人や子供にもおすすめできるゲームです。
以上
『ドラゴンクエストIII(HD-2D版ドラクエ3リメイク』のレビューでした。
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