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『バルダーズ・ゲート3』の感想・レビュー

2023年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞した超大作RPG

163本目のゲームレビューです。

評価

〇良ゲー

〇スルメゲー

かなりコアゲーマー向けのゲームですが普通に面白いです。ただし、向き不向きはあると思うので、GOTYだから、相当面白いんだなーとかハードルを上げすぎない方がいいかも。作り込みが凄まじいゲームです。

私の個人的な感想で言えば十分に楽しめました。

『バルダーズ・ゲート3』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2023年8月4日 PC(※)
2023年12月21日 PlayStation5(日本語版)

※日本語対応は同年12月22日にアップデート

どんなゲーム?

元祖テーブルトップ・ロールプレイングゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』の世界をベースとしたRPG

2023年の「The Game Awards」ゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞

日本語版はスパイク・チュンソフトからPlayStation5で発売されたが、ほぼ同時にPC版にも日本語を導入するアップデートがされました

感想など

2023年GOTY

『バルダーズ・ゲート3(Baldur's Gate 3)』は、ゲーム業界最大規模のビデオゲーム賞である「The Game Awards」の2023年ゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞したゲームです。

2023年のゲームといえば、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』『Marvel's Spider-Man 2』など多くの傑作ゲームがリリースされた年でしたが、バルダーズゲート3が、これらのタイトルを抑えて賞を獲得したことに驚いた人も多いのではないでしょうか。

特に日本では、日本語版の発売がまだ先だったこともあり「何それ、聞いたことないんですけど…」「ティアキンじゃないの?」「つまんなそうだけど何が面白いの?」といった疑問を呈する反応の声も多かった気がします。

確かに、今回の同賞は日本のゲーマー事情で言えば、グラミー賞をデスメタルバンドが取ったようなものだと思います。

バルダーズゲート3は、とにかく綿密に作り込まれ、洗練された大作であることは間違いないのですが、とにかく「濃い」、コアゲーマー向け、マニア向けの昔ながらのスタイルの洋ゲーです。

これには、日本と海外におけるゲーム市場の嗜好や認識の違いもあります。

日本においてTVゲームというと、ファミコンのことを指し、子供向けエンターテインメントという認識が長く定着していて、「信長の野望」のような大人向けでも人気のあるゲームはわずかでした。

一方、海外においては、ビデオゲームは、昔からPCゲームが広く普及していたので、複雑なシステム、成人向けのストーリー、高い難易度のゲームでも人気がありました。

このような海外ゲーム市場の嗜好や認識を考えれば、バルダーズゲート3のような完全に大人向けの濃いゲームが賞を取ることはそこまで意外ではないのかもしれません。

実際、「The Game Awards」GOTYは、2014年には『ドラゴンエイジ:インクイジション』、2015年には『ウィッチャー3 ワイルドハント』バルダーズゲート3に負けないくらい「濃い」RPGが選ばれています。

また、日本ではマイナーなD&DTRPGの文化も、日本と海外のゲームに対する認識の違いに影響しているでしょう。

きわどい表現も多い成人向けゲーム

PC版とPS5版

バルダーズゲート3は、複数のプラットフォームでリリースされていますが、PC版PlayStation5版では結構違いがあるので購入を考えている人は、よく考えてどちらにするか決めると良いでしょう。

私の場合、以下の3つの理由からPC(Steam)版を購入しました。

1.無規制

PC版は無規制なので、キャラクターを全裸にした際にアレが丸見えになります。

この点は、結構大きなポイントに思っていたのですが、実は大して重要ではありません。

このゲームはロマンスシーンも多くありますが、ゾウさん丸見えで恩恵をうけるほどのシーンはないからです。

むしろPS5版の葉っぱ隊のほうがエロいし面白いような気もします。

テンション高くなるのはキャラクリの時だけ

2.MODによる拡張

バルダーズゲート3MODの開発も盛んにおとなわれています。

MODによりインターフェースや操作を改善してユーザビリティの向上させたり、キャラクターの髪型など見た目を追加したり遊び方を広げることが可能です。

私の場合、キーボードのWASDでキャラクターの操作をできるMODを導入しました。

あと、半イリシッド化で顔が汚れてしまったので見た目だけ普通にするMODも導入しました

半イリシッド化したシャドウハートの顔もMODで元通りに(能力はそのまま)

さらに調子に乗ってフェイスタイプや髪型を追加して美形化するMODも入れてみたところ、動かないばかりかゲームが不安定になり、クラッシュするようになってしまったので、これは削除しました。

ここら辺はMOD導入の怖いところですね

3.マウスとキーボードによる操作

私がPC版にした理由は、これが大きいです。

戦闘時のUIの操作などは、マウスでポチポチが直感的でやりやすいです。キーが沢山あるのでショートカット操作が多いのも嬉しいですね。

ただし、探索時のキャラクターの移動に関してはコントローラーのスティック操作に軍配が上がると思います。

屋外ならまだいいのですが、狭い屋内に入るとクリックでの移動は非常に操作しにくい時があります。

このため、上でも言ったようにWASDキーでキャラクターを動かせるMODを導入することになりました。

3章に多い屋外から屋内の移動はクリックしにくいからWASD移動が便利

結局、マウスキーボード操作とパッド操作はどちらも一長一短という感じでしたね。

ちなみにPC版でもオプションでコントローラー操作に切り替えることが可能です。

クリアまでの時間

私の場合、アスタリオンゲイルに関連するクエストなど、多くのサイドクエストをスルーしてきましたが、それでもクリアまで87時間かかりました。できるだけクエストを回収していくプレイスタイルの人ならば100時間以上かかる可能性が高いです。

時間がかかる理由は、クエストの量などのボリュームがあることに加えて、1回の戦闘が長引くことがあります。

バルダーズゲート3の戦闘は、「タクティクスオウガ」のようなターンベースのシミュレーションバトルです。

敵は強く、雑魚戦でもバフデバフとクラウドコントロールを駆使して全力で挑む必要があるので戦闘に30分以上かかる時もあります。

1回のバトルがSRPGの1ステージ分あるといえばどれだけ長いバトルか分かりますかね。

バトルはターン制のシミュレーションバトル

ただし、敵の数は有限で復活することはないので、戦闘の回数自体はそれほど頻繁ではありません。すべての戦闘がイベントバトルのようなものです。

バトルの難易度については、ゲームの序盤は特に難しいですが、キャラの装備やスキルなど育成が進んだ中盤以降は、序盤ほど苦戦することはありません。

私の場合、第1章は難易度イージー(探検家)でプレイしていましたが、キャラが十分に強くなってきた2章以降は難易度ノーマル(冒険家)でプレイしました。

ノーマルではイージーにあったHP2倍のボーナスがなくなり、100あったHPも50になるので、油断するとピンチになることもしばしばありました。

濃密なストーリー

バルダーズゲート3のメインストーリーはイリシッド(通称「マインドフレイヤー」)に捉えられて幼生を埋め込まれたプレイヤーとオリジンキャラクター達が幼生を取り除く方法を探す目的で旅をするという単純で分かりやすいものです。

イリシッドに捉えられて幼生を埋め込まれる

メインストーリーに以外にも、6人のオリジンキャラクターそれぞれに独自のストーリーラインがあり、多数あるサイドクエストは、シナリオがよく練り込まれて、どれも深いお話になっています。

特に印象に残ったお話は、1章のエセルおばさんのクエストのお話です。クエストも大変でしたが物語の顛末もなかなか悲惨です。

というか、ほとんどのお話で残酷な描写があり中世の野蛮な風習を生々しく描いています。

「首を持ってこい」と言われたら、倒すだけじゃなくてちゃんと頭部を持ち帰って納品しないといけません。血を見ないシナリオはほぼないと言っていいでしょう。

エセルおばさんクエスト、いろいろとエグい

これらのシナリオは、プレイヤーの介入により、物語の展開に大きく影響を与えることができます。

どのような道を選びどのような結末にするかはプレイヤーの選択に委ねられています。

バルダーズゲート3は、この選択肢の多さが凄まじくプレイする人によって全く異なる物語が展開されていきます。

この部分が、このゲームの最も凄いところ、かつ最も評価されているところでゲーム・オブ・ザ・イヤーをはじめ数多くの賞を獲得した大きな理由です。

多数の選択肢で物語は大きく変化する

ボスの攻略方法も様々で戦わずに倒すとかいろいろできます。

個性的なキャラクター達

洋ゲーのキャラクターというと、日本のゲームのキャラクターに比べればリアル路線で見た目は濃いけど印象は薄いみたいなイメージがありますが、バルダーズゲートは見た目も印象も濃い個性的なキャラクターが揃っています。

このキャラクター達も、ストーリーの展開の仕方によって接し方や関わり方、結末が大きく変わるので人によって各キャラクターの印象は大きく変わるのではないでしょうか。

以下に私がプレイした際のキャラクター達の活躍と印象を紹介します。

オリジンキャラクター

主人公(キャラメイク)

主人公は6人のオリジンキャラクターの中から選ぶかキャラメイクができますが、私は後者(キャラメイク)にしました。

貴族バード弓エルフです。

もっぱら説得ペテン鍵開け罠解除といったテクニカルな役割で、戦闘においては火力もサポートも中途半端な感じになってしまいました。

一応私の中では2077年のサイバーパンクの世界から異世界転生してきたVというキャラ設定です。

シャドウハート

回復役兼主人公のパートナーです。

バルダーズゲート3のヒーリングは被ダメの半分くらいしか回復できないショボい性能で回復役はいろいろと悲しいです。でもいないと困るんですよね。

最後まで連れていきましたが、彼女のクエストは全部クリアしなかったのでエンディングでは別の道を歩むことになってしまいました。

カーラック

メイン火力の槍投げバーバリアン。投げても戻ってくるパイクが便利すぎる。

戦闘ではサポート役がこいつにヘイストをかけて暴れ回ってました。

見た目どおりパワー系なところもありますが、意外に乙女チックなところがあってかわいいです。

オルフェウス救出ルートで進めたため、最終戦はこの子にタコになってもらいました。
エピローグでは脳みそチューチューする生活になってしまったようですが、結構元気にやってそうだったので結果的に良かったんじゃないですかね。

ウィル

怪光線ウォーロック。レベル10で怪光線3本出せるようになってそこそこ強くなったけど、やはり火力はカーラックに劣ります。

最初は地味なやつだなーと思ってたんですが、角は生えてくるわ、急にダンスに誘ってくるわでなかなか愉快なやつでした。

ロマンスはお断りしました。すまんな。

ミゾーラとの契約は続けさせましたが、そこまで悪い生活はしてなさそうなので良かったですね。

レイゼル

ゴブリンの砦あたりまでは前衛戦士として活躍していましたが、カーラックが加わってからはベンチ温め要員でした。

最初はやたら好戦的であまり好きになれませんでしたが、段々と打ち解けてくる感じが良かったです。結構、純粋でオルフェウス救出ルートだったため、最終的にはめちゃくちゃリスペクトされるようになりました。

キャンプでの服がババァが露出度高い服着てるみたいな見苦しい格好だったので、かわりにゲイルの服を剥ぎ取って着せてあげました。

ゲイル

なんつー恰好してるんだお前は?!

あっレイゼルに服あげたからだった…。

かわりにレイゼルの下着を着せてあげました

魔法アイテムおねだりがウザすぎてこいつをスタメンから外した人は私だけではないはず…。

エピローグも悲しいことになってました。本当にすまん…。

アスタリオン

パッケージの一番いいところを飾ったり、主人公キャラクターの選択画面の先頭だったりとオリジンキャラクターの中でも主人公枠な感じのアスタリオン

ロマサガでいうならアルベルト(性格は真逆)。

キャラメイクした主人公と役割が被っていたためまったく使いませんでした。レベル1のままです。

クエストを全然消化せずにエピローグを向かえたら日光に弱い体に戻ってしまったらしく灰になりかけてました。すまんな。

その他のキャラクター

ハルシン

発情熊。

仲間にするのがかなり面倒だった割りにはまったく使いませんでした。

1回もスタメンに入れてないのにロマンス誘ってくるし何なの。

エイリン(ナイトソング)

「悪の魔道士め!美しい私のシュミット式バックブリーカーを喰らえ!」

出てきた時は超絶カッコいいのに、その後いろいろと残念な人

主人公やオリジンキャラクター達もその猛々しすぎる行動に若干引いてるのが面白い。

機動力が高いので最終戦の助っ人は結構活躍しました。

ヴォス

結構好きなキャラクターです。

初めて登場した時はどう見ても悪者なのに、実はすごく忠義に厚いやつでオルフェウスを救出するためならプライドを捨ててギスヤンキ以外の種族にでも頭を下げれる漢。

約束を守ってオルフェウスを救ったらめちゃくちゃ感謝して「我が剣はお前のためにある」とまで言ってくれます。

ウールブレン

やたらシリアス顔のノーム。

闇落ちしてノームとは思えないほどの悪人になってしまってます。

彼を支持すれば最終戦に来てくれるそうですが、追い出してもバーカス(こっちは善人)が代わりに鉄の手を率いて助けてくれるので善人プレイで追い出してしまって大丈夫です。

エセルおばさん

1章と3章で追い詰めておいて見逃してあげれば最終戦に手伝いに来てくれますが、1回限りしか使用できない能力で大したことないので、余程悪人プレイをしたいわけでなければ3章のエセルおばさんは倒してしまっていいと思います。

仲間にするには、何の罪もない親子を犠牲にしないといけないので後味が悪すぎです。
なんか、いい奴っぽい雰囲気出そうとしてるけど、どうやっても極悪非道のモンスターですよこのババァは。

ミゾーラ

大物っぽい登場の仕方をしておいて、タコに捕まるなど意外に小物な悪魔。

ウィルの父親を救うつもり全然なくて放置してたら、勝手に救出してキャンプまで届けてくれました。おかげで面倒くさそうな救出クエストをやらずにすんだし。

あれ、結構いいやつじゃん。

守護者

こいつ、外見カスタマイズする意味あったの?

ゴターシュ

FF16のバルナバスになんか似てる。

 

まとめ

バルダーズゲート3は、私も「本当にこのゲームが2023年のゲーム・オブ・ザ・イヤーを撮るほどすごいゲームなの?」と疑っていた口ですが、実際プレイしてみて、確かにこの膨大な選択肢と分岐の異常なまでの作り込みはやばいなと、革新的であり海外で絶賛されるのも納得できるゲームでした。

プレイヤーの選択、状況、進んできた道でストーリーがここまで変化するゲームは2023年時点ではこのゲームをおいて他にはないと思います。

ちなみに、私の2023年ゲーム・オブ・ザ・イヤーはこちら。

バルダーズゲート3は私の個人的GOTYに入れるとしたら2024年になりますが、2024年に発売されるゲームも龍が如く8など大作が控えていますのでどのようになるか今からもう期待ですね。

 

以上

『バルダーズゲート3』のレビューでした。

 

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