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『Senua’s Saga:Hellblade II(ヘルブレイド2)』の感想・レビュー

セヌアの過酷な旅再び

190本目のゲームレビューです。

評価

〇良ゲー

相変わらず人を選ぶ陰鬱なダークファンタジーですが、この圧倒的に暗く重いシナリオは心に残る体験になると思います。

非常に高いクオリティの映像と練り込まれたシナリオの演出によって没入感は最高です。

『Senua’s Saga:Hellblade II(ヘルブレイド2)』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年5月21日 Xbox Series/PC

※日本語対応済

どんなゲーム?

2017年にNinja Theoryから発売されたダークファンタジー世界観のアクションアドベンチャー『Hellblade:Senua’s Sacrifice』の続編

自身の心の問題と向き合うことに決めたセヌアが奴隷を開放するために渡った北の地で巨人に立ち向かう

感想など

セヌアの冒険譚第2章

『Senua’s Saga:Hellblade II』(以下「Hellblade II」)『Hellblade:Senua’s Sacrifice』(以下「Hellblade」)の続編です。

「Hellblade」では主人公セヌアが亡くなった恋人の魂を救うために異世界(ヘルヘイム)を進み、最終的には自身の心の闇を含む全てを受け入れて帰るというストーリーでした。

「Hellblade II」は、異世界の領域から人間の領域(ミズガルズ)へと戻ったセヌアが北方で奴隷となった人々を救うため、あえて奴隷商に捕まり海を渡ろうとするところから幕を開けます。

奴隷として捕まっていたセヌア

今作のストーリーにおいての大きな変化は、舞台が人間の領域であるミズガルズになったことで、セヌア以外の「生きた人間」が登場することです。

前作は、ずっと孤独な戦いであったのに対し、今回は人間が仲間になり、共に行動し、助け合います。

これによって、「Hellblade II」「Hellblade」よりも賑やかになり、前作まで猛烈に漂っていたネガティブな雰囲気が少しは緩和された印象を受けます。

セヌア以外の人間も多数登場

前作と比べると賑やか

進撃の巨人

「Hellblade II」におけるセヌアの最初の目的は「北方へ奴隷として連れ去られている人達の解放」ですが、辿り着いた北方の地では大きな問題が起きていて、そのために人間が連れ去られていることを知ります。

その問題こそがヨトゥンヘイムの壁が壊れたことにより侵入してきた巨人達です。
事情を知ったセヌアは「巨人を倒すこと」を新たな目的として行動することになります。

不気味で恐ろしい巨人

巨人は体が大きく恐ろしい動き方をするのでなかなか迫力があります。まるで「進撃の巨人」のようです(※筆者は「進撃の巨人」を最初の方しか読んでないニワカです)

迫力ある巨人との対峙

しかし、セヌアミカサリヴァイほどの超人的な身体能力はないので、巨人と正面から斬り合うようなスタイリッシュな戦闘は残念ながらできません。隠され人(フルドフォルク)と呼ばれる精霊から巨人を倒す方法を得て退治をすることになります。

ここら辺、巨人がなぜ倒されるのかなどはちょっとスピリチュアルで理解しづらいところです。まぁ、そういうゲームでないことは百も承知ですが、どうせならクレイトス並みのジャイアントキリングをするアクションを体験してみたかったなぁというのが正直な感想です。

さらに進化したグラフィックと顔芸

「Hellblade II」は最新のゲームエンジンであるUnreal Engine 5を使用しており、Unreal Engine 4を使用した前作よりさらにフォトリアルなグラフィックでキャラクターや風景が描かれます。

私のポンコツPCでは最低設定のグラフィックでしか動かせないのですが、それでも「まるで実写映画だ!」と思えるようなリアルな場面がいくつもありました。

最高設定のスクショを出せないのが残念

そして今作もやはりキャラクターのフェイシャルアニメーションの精密さがすごいです。

前作よりさらにパワーアップしたセアヌの顔芸を見ることができます。

セアヌの顔芸は健在

若干変化したゲームプレイ

「Hellblade II」のゲームプレイは、前作と同様にパリィ中心の戦闘ルーン合わせのパズルの2種類です。

ストーリー重視のゲームで没入感を損なわないようにUIやチュートリアルが一切なく、戦闘やパズルの頻度が控えめな点も前作同様ですが、微量ながら変わった点もあります。

パリィ中心のバトル

ルーン合わせのパズル

まず、戦闘については、正直に言うと前作の戦闘のほうが好きでした。

理由はパリィが前作ほど気持ちよく決まらなくなったためです。敵の攻撃モーションが分かりにくくなったことやセヌアの動きが重くなってバリィを決めにくくなったということもありますが、成功したときの爽快感も薄くなった気がします。

前作は敵の攻撃を軽くいなしてその隙に華麗に舞うように斬りつけていたのが、今回はそういった軽快さがなくなり、1撃1撃を必死に捌いてるという感じです。

1戦1戦がとにかく必死

あと前作であった蹴りも今回はなくなってしまいました。盾持ちの敵を蹴って崩すの嫌いじゃなかったんですけどね。

前作の戦闘は「この手の剣戟アクションの中ではトップクラスの楽しさ」とまで書いたのですが、今回は悪くはないけど前作と比べればイマイチでした。

こちらは新たな敵の火炎放射マン

次に、パズルの方ですが、前作の「ルーン探し」に加えて空に浮く水玉にフォーカスすることで変化する地形のギミック(水玉ギミック)と台座に火を点火したり消したりすることで出たり消えたりする足場のギミック(点火ギミック)などが登場するようになりました。

前作は、ほぼルーン探しばかりで途中で飽きてしまいがちだったので、種類が増えたことは良かったと思います。

パズルのバリエーションは増えた

あとゲーム要素としてはマップにあるシークレット探しですが「顔っぽい岩を見つけてフォーカスする」シークレットが難しすぎて3個くらいしか発見できませんでした。

顔っぽい?岩

コンパクトなボリューム

前作「Hellblade」は、10時間もかからずクリアでき、ゲームとしては短めなボリュームでしたが、今作も大体同じくらいのボリュームです。

短いといっても、無駄な引き伸ばしを削ぎ落として、濃密な物語をテンポよくコンパクトに体験できるようにされているものなので、クリアする頃には十分な満足感が得られる長さになっています。

シナリオが大変よく練られているストーリー中心のゲームなので5〜10時間程度の1本の大作映画かドラマを鑑賞するような気持ちでプレイされると良いと思います。

大作映画かドラマを観ているような体験

以上

『Senua’s Saga:Hellblade II』のレビューでした。

 

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