155本目のゲームレビューです。
評価
88点
〇かなりの良ゲー
ホラーゲームなので怖いシーンが多いですが、独特な雰囲気とサスペンスフルなストーリーは一級品です。
『Alan Wake 2』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2023年10月27日 | PlayStation5/Xbox Series/PC |
どんなゲーム?
フィンランドのゲームスタジオRemedy(レメディ)が開発し、Epic Gamesが販売するホラーアクションアドベンチャーゲーム
前作から13年間、異世界に閉じ込められていたベストセラーホラー小説作家アラン・ウェイクが、FBIのサーガ・アンダーソンの協力を仰ぎながら悪夢のような闇の世界からの脱出を試みる
感想など
日本語吹き替え
『Alan Wake 2』のローカライズは、日本語字幕だけではなく、音声も日本語吹替となっています。
同じくRemedy開発のゲームでAlan Wake シリーズと世界を共有する作品『CONTROL』(2019年発売)は、日本語字幕のみで翻訳テキストも難しい内容のためゲームのストーリー本来の楽しさを存分に味わうことができなかったので心配していましたが、本作のローカライズはバッチリで嬉しい限りです。
これは、パブリッシャーのEpic Gamesのおかげでしょうか。とても有り難いです。
ただし、吹替と字幕で喋ってる文言が違う(意味は同じ)ので、気になる場合は、字幕をオフにするか字幕オンリーに設定したほうがいいかもしれないです。
前作プレイしてなくて問題ない?
『Alan Wake 2』は2010年にXbox 360で発売された『Alan Wake』(以下「初代AW」)の続編でストーリーは、初代AWで主人公アランの失踪から13年後のお話というふうに繋がっています。
実は、私は初代AWは未プレイだったのでストーリーの繋がる続編を前作の知識なしで楽しめるか気になっていました。しかし、結果としては、初代AWをプレイしていなくとも問題なく『Alan Wake 2』のストーリーを楽しむことができました。
『Alan Wake 2』の公式ページで、初代AWのストーリーについて簡潔に説明していますが、このくらいの情報があれば十分でしょう。
とはいえ、初代AWで登場したキャラクターも沢山出ているようなので、前作の知識があれば楽しめる部分もあると思います。
例えば、トール・アンダーソンとオーディン・アンダーソンの兄弟は、今回が初登場ではなく初代AWから登場しているキャラクターのようです。
ほかにも初代AWから登場しているキャラクターはいますので、気になる人は初代AWからプレイするといいでしょう。
あと、モップに作業服と訛りのある喋り方が特徴のアーティは『CONTROL』に登場したキャラクターです。
なお、『CONTROL』については、同じ世界を共有してあるという程度の繋がりです。
ホラーゲーム
『Alan Wake 2』は、ホラージャンルに分類されるゲームであるため、当然ながら恐怖を感じる描写や演出が多く存在します。
もし、怖いの苦手な人が「案外怖くないんだろう」と甘い考えでプレイしてしまうと痛い目を見るかもしれません。
実は、私も予想以上に怖かったために軽い気持ちでプレイしたのを少し後悔してしまったくらい怖いです(^_^;)
特に厄介なのが、歩いていると急に大きな音とともに一瞬、恐ろしい表情の顔がアップで映し出されるジャンプスケアの演出です。
探索中でも不意に出てくるので思わず「ヒェッ!」と驚いてしまいます。しかも、残念ながら、このジャンプスケアを設定でオフにはできません。
それでも、怖いのが苦手な私でもゲームをクリアすることはできました。今年はホラー系のゲームをそれなりにプレイしたのでもしかして慣れたのかな。
ちなみに怖いと言ってるのは、あくまで怖いのが苦手な私の意見であって、ホラーゲームが苦手でない人ならいい塩梅の怖さかもしれません。
シューターとパズル
『Alan Wake 2』は、ストーリーについてはホラーですが、ゲーム部分はマップを探索しながらTPS(サードパーソンシューター)とパズルの2つの要素で進むオーソドックスなスタイルのアクションアドベンチャーとなっています。
TPS部分について
TPS部分は、正直、普通です。
ハンドガン、ショットガン、ライフルといったおなじみの武器を左のトリガー(L2)で構えて敵の弱点を狙い、右のトリガー(R2)で撃つというスタンダードなスタイルのシューターです。なお、カバーアクションはありません。
普通のTPSなので普通に楽しめますが、気になる点がいくつがあります。
まず、敵が襲ってくる環境や地形などのレベルデザインが悪いことです。
TPSやFPSをいかに面白くするかは、交戦するマップの地形や遮蔽物と敵の配置、敵のAIがとても大切です。良い例を上げるのなら「コール オブ デューティー」のキャンペーンモードのようなレベルデザインです。
しかし、『Alan Wake 2』の戦闘は、暗い森の中や狭い部屋が殆どで、敵は、照準を捉えてもすぐ姿を消して死角から近づいて攻撃をしてくるなどいやらしい上に単調な動きで面白くありません。
もう1つ気になった点は、弾薬が少なく所持アイテムも沢山持てないことです。
これは、ゾンビものシューターなどによくあるサバイバル要素ですが、個人的にはあまり好きなシステムではありません。それよりも残弾を気にせずに好きな武器を好きなだけ撃たせてくれたほうがシューティングゲームとしては絶対楽しいと思います。
アラン先生も小説に「この不思議なバンダナからは弾薬が無限に出てくる。」とか一文書き加えてくれるだけでいいんですよ。
パズル部分について
パズルは難しいものが多いです。
特にストーリー進行に関係のない隠し物資や童謡のパズルは解けなくてもいいでしょという位のスタンスで作られています。
ストーリー進行に関わるパズルは完全に詰んでしまうことがないように易しくされてますが、それでも迷う事は沢山ありました。
目標こそ表示されますが、具体的にどこに行けばいいのかUIにもマップにも目印は表示されないのでこれで迷う事が多いです。基本的にマップが暗いので梯やドア、抜け道、ギミックを見逃しやすいのが原因の1つだと思います。
隠し物資のパズルで数学の問題を出された時は計算が面倒だったので流行りの対話型AIに訪ねたら一瞬で答えが返ってきました。AIスゲェ…。
高評価なホラーストーリー
『Alan Wake 2』は、海外では「The Game Awards 2023」のゲーム・オブ・ザ・イヤーにノミネートされるほど高い評価を受けています。
日本でもそれなりに高い評価はされていますが、海外ほど絶賛されている評判は聞かないので「Alan Wake 2のどこが高く評価されているのか。何が凄いのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
実は、私もその一人で最初プレイした時は、「普通のサバイバルホラーじゃない?」くらいでした。しかし、プレイしていくうちに考えを改め、海外の高い評価にも納得しました。
何が素晴らしいのかというと、やはりストーリーです。
ホラー、サスペンス、ミステリーといったジャンルを絡めつつもドラマティックに仕上がっていて完成度が高いです。
「恐怖」という要素は、もともと人にとってはストレスとなり毒ともいえる感情ですが、この「恐怖」も適度な量でエンターテインメントとして提供されたものであれば、人はそれを「スリル」という娯楽として楽しむことができます。
そして「スリル」は非常に刺激的な娯楽であるためにホラーやサスペンスといったジャンルは人気が高いのだと思います。
つまり、『Alan Wake 2』は、ホラーという難しいジャンルでありながらもシナリオや演出を丁寧かつ上手に描いていくことにより、プレイヤーに没入感の高いスリル体験を提供できたことでこのような高評価が与えられたのだと私は思います。
そのストーリーは、ミステリアスな雰囲気を味わえる程度には謎を散りばめつつも『CONTROL』ほど難解なものにしていないところが良いです。
演出はとにかく独創的でカオス。
特に音楽はかなり力が入っていて、アランが悪夢から脱出するチャプターのミュージカルシーンで使われる劇中歌Old Gods of Asgardの「Herald of Darkness(闇の使者)」は凄いです。
www.youtube.comその他にも、素晴らしい劇中歌は数多く用意されていて精神世界のラジオからいつでも聞くことができます。
まとめ
まとめると以下のようになります。
- 日本語吹き替えのローカライズが嬉しい
- 前作のキャラも多数登場するが、2からプレイしてもOK
- ホラーゲームなので当然怖い
- サバイバルシューターとしては普通か正直微妙
- パズルは面倒ではないが難しい
- ストーリーの完成度が高くスリルを楽しめる
- 劇中歌のヘヴィなロックは最高
以上
『Alan Wake 2』のレビューでした。
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