196本目のゲームレビューです。
評価
61点
〇普通
「泉のそばの茂みの裏に、隠し通路が続いているのよ」という嘘情報で詰みかけたせいで投げ出しそうになりました。
クリアまで12時間ちょっとプレイして、気になった点も結構ありましたが、総合的には悪くなかったと思います。
『FixFox』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2022年3月31日 | PC(Steam) |
※2024年6月のアップデートで日本語対応
どんなゲーム?
狐型獣人でスペースエンジニアのヴィックスがツールボックスの相棒ティンと一緒に辺境の星カラメルでビーコン修理のミッションに挑むパズルアドベンチャーゲーム
感想など
修理パズルアドベンチャー
『FixFox』は、人間はみな遺伝子改造で毛皮のある動物の性質を持つスプライスと呼ばれる獣人となったSF世界を舞台としたパズルアドベンチャーゲームです。
このゲームの特徴は、主人公のヴィックスがスペースエンジニアで「機械を修理すること」がメインテーマとなっているということです。
機械の修理は、非常にシンプルで簡単…というか拍子抜けするほどあっさりとしていて、コインをドライバー代わりにして蓋を開け、壊れた箇所を絆創膏で止めるなど、その程度のものです。
中には、顔の付いた部品の歯を磨いたりハチミツを食べさせたり、スイッチが並んだ部品に書かれた項目に該当する名前(例えば「フルーツシステム」と書かれたパーツなら「オレンジ」と「レモン」)のスイッチをオンにするなど現実にはない妙な修理もあります。
しかし、あまりにも簡単すぎて悩むところもないため、この修理ミニゲームがいまいちパズルとは言い難いものになっています。
「修理」といってもツールボックスから出したツールを修理箇所にドラッグするだけです。有効なツールは相棒のティンが教えてくれるし、対応するツールを持っていなくても住人に聴けば場所を教えてくれます。さらに、先に述べたように妙な顔の部品やクイズのようなスイッチなど変な修理方法があるため「修理してる感」があまりない気がします。
修理するのであれば、知識、推理、経験、手さばきといった部分をある程度求めて欲しいのですが、このゲームの修理はそれらをほとんど必要としないので面白みのない作業になってしまっています。
あと、修理のバリエーションが少ないのもちょっと微妙です。最後まで変な顔のパーツの歯を磨いたりハチミツあげたりする修理ばかりで流石に飽きてきます。このためかどうかわかりませんが、終盤になると修理はツール教団にまかせて一瞬でクリア(スキップ)できるようになります。
面倒なのをスキップできるようになるのはいいけれど、修理は本ゲームの一番独特なメイン要素なのだから飛ばしたくないと思わせるような面白いのにして欲しかったと思います。
広大なマップ
ゲームの舞台である惑星カルメラは、しょっぱ砂漠、すっぱ森、あまあま平野、にがにが山の4つのエリアが存在します。
各エリアはそこそこの広さがあり、これをバイクを使って走り、自由に探索して回ることができます。
探索して発見した施設や設備ではクエストやパズルが用意されていて、これらを解決しながらストーリーが進んで行くというのがこのゲームの流れになります。
遠くの場所を行ったり来たりするのは最初は大変ですが、各ポイントを結ぶジップラインと場所を選んでルーラのように飛べるドローンタクシーの2種類のファストトラベルが割とすぐに解放されます。ジップラインはスピード感があって楽しいのですが、ドローンタクシーで全部済むので使う機会あまりないのが残念でした。
また、マップには昼夜の概念があります。
夜の暗いマップの冒険が嫌なので昼や夜が勝手に切り替わるシステムは好きではありませんが、昼夜が切り替わるタイミングの日差しが差してくる(または日が沈む)影のアニメーションの演出は素晴らしいです。
あと、変わった要素として定期的に発生するマップの構造変化があり、各エリアは、一定感覚で施設や設備の場所がシャッフルされるように変わります。
ローグライクゲームのように探索をリセットすることによってリプレイ性を向上させる目的かもしれませんが、ドローンタクシーがあるので、あまり意味はないような気がしました。
SFケモナーな世界観
世界観とストーリー、音楽はとても良かったと思います。
皆いろいろな悩みや問題を抱えつつも助け合い乗り越えて成長していく様子が丁寧に描かれ、人やAIの思いやりや優しさに溢れた心温まるストーリーだったと思います。
日本語の翻訳も非常に良いでした。
キャラクターは、ティンとアルトゥール以外のキャラクターは魅力的でしたが、ティンとアルトゥールはあまり好きになれませんでした。
特にティンは、とにかく騒がしくて喋りすぎだし、「スペースゾンビが~」というセリフがしつこくて、ちょっとイラッとしました。
ヴィックスはドラクエやペルソナのような喋らないタイプの主人公ですが、最初から喋ってくれていたほうが、ティンの空回りしてる発言をカバーできて良かったような気がします。
最後に
steamのページでは製作者であるJaroslav Meloun氏の思いやりの心や友情を育むゲーム作りへの熱いメッセージが書かれています。
これを読めば『FixFox』が、時には暗い場面がありながらも終始温かい雰囲気で包まれたストーリーのゲームとなっている事も納得ができます。
同氏の今後の活動も応援したいですね。
以上
『FixFox』のレビューでした。
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