220本目のゲームレビューです。
評価
??点 ※総合スコアはレビューから30日後以降に更新されます。
〇神ゲー
絵本タッチのアートスタイルが素敵ですが、いたるところに詰め込まれたユニークなアイデアの演出、パズルなどゲーム性も非常に素晴らしいです。
インディーゲームですがAAAタイトルと見紛うばかりの作り込みと完成度の高さです。
『The Plucky Squire~ジョットと不思議なカラクリ絵本~』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2024年9月18日 | PlayStation5(4)/Xbox Series(one)/Switch/PC |
どんなゲーム?
インディーゲーム開発スタジオのAll Possible Futuresが開発し、Devolver Digitalが販売するアクションアドベンチャーゲーム
絵本の主人公ジョットは、邪悪な力を手に入れた悪役ハムグランプに絵本の中から追い出されてしまうが、2Dと3Dの世界を行き来する能力を手に入れ、仲間達と一緒に再び絵本の世界を救う冒険をする。
感想など
絵本の中と外で冒険する
『The Plucky Squire ~ジョットと不思議なカラクリ絵本~』は、絵本の世界を舞台としたアクションアドベンチャーゲームです。
特に目を引くのは、そのアートスタイルで、絵のタッチやテキストとフォントの使い方など、まるで絵本そのままです。
さらに、本のノドの谷折り部分の曲がりや次のエリアに行く時のページをめくる演出、紙質の表現など詳細に作り込まれることにより「中の絵が動く絵本」といった感じで表現されており、まさに絵本の中で冒険しているような不思議な感覚を味わえるようになっています。
さらに、ジョットの冒険は絵本の中だけでは終わりません、絵本の外にも飛び出て冒険します。
絵本の外の世界は、本の持ち主の少年の玩具や文房具で溢れた部屋が現実的な3Dモデルで表現されていて、この部屋の机の上で小人サイズのジョットが冒険します。
絵本の外では3D見下ろし視点のアクションゲームが基本ですが、壁や床に貼られた絵に入って移動するギミックなどがあります。
絵になって壁を伝うギミックなどは『ゼルダの伝説 神々のトライフォース2』のようですね。
このように、『The Plucky Squire』は、絵本の中の世界と外の世界を行来する非常にユニークなゲームとなっています。
遊び心を刺激するアイデアが盛り沢山
絵本の中の主人公を2Dと3Dのプラットフォームのアクションを切り替えながら進めていくというだけでも十分ユニークですが、その他にもゲームを進めていく過程で、いたるところに面白いアイデアの仕掛けやパズルが施されています。
例えば、序盤のイベントであるケダモノのラーテルとの殴り合いのシーンではジョットが急にムキムキになって「パンチアウト!!」のようなミニゲームが始まります。
他にも、缶の周りに貼られた絵に入ってグルグル回りながらシューティングゲームをしたり、「パズルボブル」のような色をつなげて消すパズルゲームが始まったりなどゲーム性がガラリと変化して驚き楽しませてくれるミニゲームが沢山存在します。
難易度は「アドベンチャーモード」(ノーマル相当)と「ストーリーモード」(イージー相当)の2種類から選べますが、難しい方のアドベンチャーモードでも難易度は低いです。終盤は敵の攻撃が結構いやらしくてダメージを受けることは多いのですが、回復アイテムがポンポンと出るので、雑にプレイしなければやられることはそうそうありませんし、万が一やられてしまってもすぐ手前から再開できます。また、設定のアクセシビティから、敵を一撃で倒せるようになったり、ジョットを無敵化することまで可能です。
このため、難易度が高くて困るということは、まずないでしょう。
絵本を使用したパズル
『The Plucky Squire』では、絵本を使った仕掛けのパズルパートもとてもユニークです。
絵本の中の文章の単語を入れ替えて別の文章にすることにより、道を切り開いていきます。
例えば、「門は閉じていました。」という文章の「閉じて」をはずして「開いて」と入れ替えることにより、文章が「門は開いていました。」となって先に進めるようになります。
他にも、「夜が訪れました。」という文章の「夜」を「昼」と替えれば「昼が訪れました。」となり、夜のシーンが昼のシーンに変化するなど様々な環境変化を起こすことが可能です。
パズルパートでは文章操作の他にも本の上からスタンプを押して動くものを止めたり、本を傾けて物体を動かすなど面白い仕掛けがあります。
ただ、本を傾ける仕掛けはLRボタンでなくてコントローラーのジャイロ機能とかでやりたかったかなと思いました。
メタなストーリー
『The Plucky Squire』のストーリーは子供向けの絵本のストーリーに中で生きるキャラクターが自分たちが絵本の世界のキャラクターであるということに気づき、外の世界に干渉しようとするメタフィクションを含んだシナリオです。
コミカルに描かれつつも、ストーリーの後半は、絵本の外からやってきた軍隊と戦車が街を蹂躙するなど、次第に児童書向きではないダークかつハードな展開になっていきます。
キャラクターは、ヘビーメタルで終始ノリノリなスラッシュも好きですが、悪役のハムグランプがプライドや劣等感から狂っていく様まで丁寧に描かれていて良かったです。
あと、月ひげじいさんが最強すぎじゃないですかね。
まじめにやれば、彼一人でも全て解決できる気がしました。
まとめ
『The Plucky Squire』は、クリアまで8時間程度のボリュームですが、独特なアートスタイル、2Dと3Dを往来するユニークな仕掛け、絵本のお話にメタフィクションを加えたシナリオなど総合的な完成度が非常に高いゲームです。
これが、大手の大規模な開発ではなく、小規模なインディーゲームスタジオから生み出されたというのだから驚きですね。
PlayStation版であれば、ゲームカタログに入っているのでPlayStation Plusに加入していればサブスクリプションでプレイ可能ですが、購入でも3,400円と内容からすれば随分お得な値段で購入可能です。
ライトゲーマーからコアゲーマーまで老若男女問わずいろんな人におすすめできるゲームだと思いました。
以上
『The Plucky Squire~ジョットと不思議なカラクリ絵本~』のレビューでした。
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