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『ユニコーンオーバーロード』の感想・レビュー

ヴァニラウェアのファンタジーシミュレーションRPG

177本目のゲームレビューです。

評価

90点

〇かなりの良ゲー

大勢のユニットに細かく設定が必要なシステムを「奥が深い」と感じるか「面倒くさい」と感じるかで人を選ぶ部分もありますが、ハマる人はハマるゲームです。

十三機兵防衛圏のシミュレーションバトルパートが好きだった人は気にいると思います。

『ユニコーンオーバーロード』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年3月8日 PlayStation5(4)/Xbox Series/Switch

どんなゲーム?

ドラゴンズクラウン十三機兵防衛圏などで有名なヴァニラウェアアトラスが送るファンタジーシミュレーションRPG

新生ゼノイラ帝国に支配されたコルニア王国の王子が同じく帝国に支配された4国を回りながら出会った仲間と共に帝国の支配から大陸全土を開放するため進軍する

感想など

ヴァニラウェアのシミュレーション

『ユニコーンオーバーロード』は、日本のゲーム開発会社であるヴァニラウェアが中心となって開発されたゲームです。

ヴァニラウェアというと朧村正オーディンスフィアドラゴンズクラウン十三機兵防衛圏といった幻想的で美しい2Dグラフィックで高く評価される作品を生み出してきた会社です。

『ユニコーンオーバーロード』も、これまでのヴァニラウェア作品同様に非常に繊細で美しいビジュアルでファタジー世界が描かれています。

美麗な2Dグラフィック

ヴァニラウェア作品は、ドラゴンズクラウンまでは、ハックアンドスラッシュ寄りのアクションゲームを主に作っていましたが、2019年には十三機兵防衛圏ADV+SLGというジャンルのゲームをリリースし、アクション以外も素晴らしいゲームが作れることを証明しました。

そして、本作『ユニコーンオーバーロード』シミュレーションRPGというヴァニラウェアとしては、新しく挑戦的なジャンルのゲームとなります。

今回はシミュレーションRPG

FEとは似て非なるシミュレーション

シミュレーションRPGというと、真っ先に思い浮かべるのは『ファイアーエムブレム(FE)』ですが、『ユニコーンオーバーロード』については、FEと以下のような共通点があり、ゲームの紹介・説明の際、よく引き合いに出されます。

FEとの共通点

  • 王道ファンタジー世界で主人公ユニットが王子
  • いわゆる「ジェイガン系」、「騎士コンビ枠」、「3姉妹枠」、「ナバール系」といったFEお約束ポジションのユニットがいる
  • ユニット同士の「親密度」と「親密度会話」がある

いわゆるジェイガン系なジョセフ
騎士コンビ枠の2人
右画像はカラー変更で赤緑にしてみたもの

しかし、『ファイアーエムブレム』『ユニコーンオーバーロード』は、バトルシステムが大きく異なり、似て非なるゲームです。

2作ともジャンルは同じシミュレーションRPGといえますが、ゲームの重要な要素である戦闘は『ファイアーエムブレム』ターン制タクティカルバトルであるのに対し、『ユニコーンオーバーロード』リアルタイムストラテジーバトルです。RTSです。

むしろFEよりかは、同じヴァニラウェアの『十三機兵防衛圏』のシミュレーションパートの方がまだ近いと思います。なので『十三機兵防衛圏』のシミュレーションパートがつまらないと思ってた人は本作の戦闘も合わない可能性があります。

また、FEのようなゲームを期待した人は「思っていたのと違った」となってしまうかもしれませんので、気になる人は購入前に体験版をチェックすることをオススメします。

戦闘はRTS

ノーマルでイージーな難易度

『ユニコーンオーバーロード』の難易度設定は、「CASUAL」「NORMAL」「TACTICAL」「EXPERT」の4段階あり、戦闘中でなければ、いつでも変更可能です。

私の場合、最初、CASUALで試しに遊んでみたところ、ちょっとヌルすぎると感じたので、すぐにNORMALに変更しました。しかし、NORMALは序盤こそレベルが上の敵には手を焼き、敵に合わせた編成で出撃する必要があるなど歯ごたえを感じましたが、すぐにこちらの戦力がずっと上回り、名声ランクAになる頃には、10レベル以上上の敵とも戦えるし、同レベルの相手程度なら適当な編成で出撃しても楽勝なくらい簡単になっていきました。

10レベル以上上の相手でも戦える

このため、実際の難易度は、「NORMAL」で実質的にイージー、「TACTICAL」で実質的にノーマルくらいの難易度と捉えてもよいでしょう。

私自身は、難易度をTACTICALに上げることとも考えましたが、別に難しいゲームを好むタイプでもないのでNORMALのまま進めることにしました。

簡単だとつまらないと思う人はTACTICAL以上の難易度がいいと思います。

編成とガンビットを考えるのが楽しい

『ユニコーンオーバーロード』のバトルで重要なのは、クラスごとの相性です。

例えば、大盾を装備して物理防御の高い重装クラスであるホプリタイは、ソードマンハンターには強く、ウォーリアウィザードには弱いといった有利・不利がハッキリと出るようになっています。

このクラス相性を考えつつ部隊編成(最初は1部隊2名で最終的に1部隊5名)をしますが、タンク・ヒーラー・アタッカーなどのバランスを考えて編成したり、騎馬部隊にしたり、獣人で統一したりなどいろいろ考えてると時間を忘れて没頭してしまいます。

部隊編成はあれこれ考えているとあっという間に時間がすぎる

また、戦闘におけるスキル発動の優先順位について、FF12のガンビットシステムのように各ユニットごとに細かく設定できます。

この作戦設定は、序盤こそ初期設定から特に変える必要はないのですが、使えるスキルが増えてくると非効率的な行動(例えば、ヒーラーなら初期設定だと部隊のユニットのHPが1減ってるだけでも回復行動で貴重なターンを使用してしまう)も目立ってくるので各ユニットしっかり設定することになります。

しかし、何せ出撃人数が多いので大変です。

私の場合は、6部隊メインで使用していましたので30人分設定する必要がありました。

ガンビットを色々考えながら設定

部隊編成も作戦設定も大変でとても時間のかかる作業ですが、私はそれがとても楽しかったです。

ゲームしてない時でも「あの部隊に、このユニットを加えれば…」とか延々と考えてしまうくらいですね。

『ユニコーンオーバーロード』は、この細かすぎる作業が面白いと感じるか、たんに面倒くさいだけと感じるかで評価は大きく変わるのだと思います。ガンビット的な作戦編集はFF12が好きな人には刺さるかもしれませんね。

王道ストーリー

『ユニコーンオーバーロード』のストーリーは、臣下の反乱によって壊滅したコルニア王国の王子が、解放軍を立ち上げ、強大になった帝国に立ち向かうというまさに王道ストーリーですが、ゲーム内に登場する国々の歴史、文化、人物、政治など細部にわたり精巧に作り込まれた世界観が広がっています。

特にアーカイブの情報量は非常に豊富でストーリが進むたびに大量の項目が追加されていきます。面白いのは、アーカイブのテキスト中のワードにリンクが貼られていて、そのリンクから該当する項目の情報を参照できることです。

リンクから該当項目の情報にジャンプできる

ストーリーはエンディング到達までに80時間以上費やし、ほぼ全編「ゼノイラ軍と戦って拠点を開放する」にも関らず途中で飽きることはなく最後までプレイできました。

というのも、舞台となる地域が5箇所あり、それぞれ、山岳地帯と砂漠の広がる「ドラケンガルド」、森にエルフが住まう「エルヘイム」、雪に覆われた獣人の国「バストリアス」という様に異なる雰囲気を持ち、帝国との関係や政治的状況も違っていて、それぞれの国の物語があるからです。

砂漠と荒地のドラケンガルド

森とエルフのエルヘイム

雪と獣人のバストリアス

ストーリーをすすめる順番をある程度自由に決められるのも良かったですね。

個人的に好きなのはバストリアスのお話です。CV千葉繁がいい仕事してました。

気になった点

『ユニコーンオーバーロード』をプレイして、悪い点というほどでもないですが「ココはこうしてほしかったなぁ」程度に気になった点がいくつかあります。

中でも特に気になったのは、リアルタイムで昼夜が変わるシステムです。

まず、夜は暗くて見辛く、あまり好きではありません。せっかく、差し込む陽光が綺麗な風景も2分の1の確率で夜なのは勿体ないと思います。夜はなくさなくてもいいけど、探索時はボタン一つで昼夜を切り替えできて時間で勝手に変わらないとかで良かったかなぁ…。

戦闘中も時間で変わるのではなくて、このマップはずっと昼、このマップはずっと夜とか固定でいいと思います。

何より、「夜だと強くなるクラス」とか「昼だと追加効果があるスキル」とかそういう面倒くさいだけでちっとも面白くないと思うのは私だけ?

このゲームに限らず「リアルタイムで昼夜が変わるシステム」って本当いらないと思います。

あと気になった点は「アレイン以外の仲間同士の恋愛カップル成立も欲しかった」とか「スタミナ制微妙じゃね?」とか「敵弓兵のアローレインが酷い」とか「もやっ」と程度のものもありますが、長くなるし、ホント大したことないので詳しい話は割愛します。

個人的キャラランク(クラス評価)

『ユニコーンオーバーロード』を80時間プレイして、使用したクラスに偏りはありますが、個人的な強さランキングです。

なお、あんまり使い込んでないクラスはランキング対象外です。

Sランク(すごく強い)

アレイン、ヴァージニア、姉妹リンデ、ベレンガリア

Sランクは以上の4名です。専用クラス優遇されすぎですね。

アレインは説明不要で最強ユニットです。ほかの4人も海外Tierリストやネットの掲示板などでよく名前が上がるので間違いなく強いでしょう。

ヴァージニアは特効スキルを2種も持ち、盾を2枚装備できることで高い火力と耐久力を持ち合わせています。

ロザリンデエルトリンデはLV30で高威力全体範囲攻撃をチャージ無しで撃てるので強力です。

ベレンガリアは当てるだけで敵のAP−1の「カーネイジ」、攻撃されるだけで自身のAP+1の「ペインアクセル」など地味だけど強力な技をコスト1で出せるのが強みです。

Aランク(強い)

グリフォンルーラー(フラウ、セレスト)、ブレイカー(ニーナ、キトラ、モルドン)、ビショップ(シャロン、タチアナ、プリム)、ドルイド(セルヴィ)

Aランクは以上の4クラスです。

グリフォンルーラーは最初から持ってる「ハイスイング」が強いです。やっかいな騎馬部隊にガー不特攻付で薙ぎ払えます。遠隔なので後列にいようがお構いなしです。しかもこれでAPコスト1という破格のコスパ。さらに、ブレイブスキルの「ファストエール」も非常に有用。グリフォンナイトは序盤のマントゥノ砦で雇うことも可能です。

ブレイカーは重装相手に特効を持っていますが、そもそも攻撃力が高くスキルはガー不なのでどんなクラス相手でも火力を叩き出せます。命中に不安があるのは序盤だけで中盤以降は、命中バフやら必中付与などの味方のスキルや装備スキルが多くなるので問題なくなります。

ビショップは、専用クラスのスカーレットより性能が上だと思います。スカーレットは攻撃魔法も使えるのですが、そのせいで返って器用貧乏になってる気がします。ヒーラーが貴重なAPを攻撃で使用するなと…。さらにビショップはパッシブのリフレッシュでデバフをすぐに解除できるのがいいですね。

ドルイドは、敵に回せばそのいやらしさがわかると思います。効果量が非常に大きいのでデバフ解除が十分でない相手ならレベルがかなり上の相手とも渡り合えます。あと何気にスタイルがすごくてスカーレットなみにゆっさゆっさぽよんぽよんしてます。

Bランク(普通)

スナイパー(ロルフ、マンドラン)

スナイパーはBランクとしましたが、序盤はトップクラスの強さを発揮します。

ただ、中盤以降は、このクラスの強みだった「イーグルアイ」「チェイス」が装備スキルで他のクラスも取得できてしまうためブレイブスキルの「アローレイン」を撃つときくらいしか目立たなくなってしまったという感じです。

なおユニフィ専用のスノーレンジャーは、そこまで使い込まなかったのでランキング対象外にしましたが、明らかにスナイパーの上位互換でA~Sランクだと思います。

Cランク(弱い)

ソードマスター(メリザンド、アラミス、リア)

部隊の見栄え重視でメリザンドアラミスを加入からクリアまで使い続けたので自信を持って言えます。ソドマスは間違いなく弱い…と。

とにかく防御力の高い相手に歯が立ちません。

メテオスラッシュ! → 1·1·1·1·2·2·2·2·2(笑)

会心がドラクエのように防御力無視だったら強かったんですけどね。

ソドマス強みは会心と必中ですが、会心で当たってもダメージが小さすぎるので意味がありません。FEのレイピアみたいに重装・騎馬特攻の剣でもあれば良かったですが…。

部隊紹介

最後に私の最終的に使用した部隊を紹介します

1 アレイン隊

コンセプトは「アレインと4人のお嫁さん達」本命の女タチアナ、保険の女クロエ、遊び(友達寄り)の女ニーナ、遊び(恋人寄り)の女メリザンドの4名です。

メリザンドが空気ですが、アレインニーナクロエが十分に火力を出すので最強部隊です。

ちなみに私は最終的にタチアナと契約しました。

2 グロスタ隊

コンセプトは「ドラケンガルド部隊」かなりバランスがよさそうに見えますが、アラミスのせいで重装部隊に歯が立たない状況が続きました。

対策を考えた結果、意外に魔法攻撃力の高いグロスタに魔法属性武器の「幻影騎士の斧」を持たせて「ファントムウェポン」をさせたら鎧相手に高い火力を出せるようになり解決しました。ステータスオールCで失笑のギルベルトぼっちゃんは最初は弱いと思ったのですが地味に強い感じがしました。

ヒルダは仲間にした瞬間「こいつ絶対強いだろ」って感じだったのですが、そこまで大暴れはしませんでした。

アラミスは最初から最後まで弱かったです。

3 ミリアム隊

コンセプトは「薔薇騎士団」これもバランスが良い。リディエルは薔薇騎士団ではないけど、隊員たちが唯一持ってないデバフ解除役のため入れました。本当はリアを入れたほうが、ヴァージニアに仕える者達つながりで奇麗なのでしょうが、正直、ソドマスはもう勘弁してください。

火力はヴァージニアフウラキトラの3人がゴリゴリと出してくれます。

 

上記3部隊が一応コンセプトを持って組ませた部隊です。

あと以下の3部隊は特に大したコンセプトはない(クライブとモニカ、オクリースとシャロンを意識的に組ませたくらい)ので簡単な紹介にします。

4 セレスト隊

強いけど唯一馬のいない部隊なので前線に遅れがちなのが辛かったです。

5 クライブ隊

最初はライオンのケモノコンセプトを考えていたのですが、2匹ともあまり強くなかったのでコンセプトを無視してロザリンデアーマリアに交代させたところ安定した強さになりました(大体ロザリンデが魔法で吹き飛ばしててアーマリアは機能してないけど)
グライブモニカがカップルだから組ませたけどセイントナイトだとグレートナイトの騎馬シナジーをあまり活かせないのがかなしかったです。アデルも入れてあげれば良かったかな。

6 ルノー隊

オクリースはお気に入りだから使ってたけど最終的にはなんかイマイチになってました。

やはりルノーの騎馬シナジーが逝かせないのが寂しいですね。ジェロームと組ませるのもありだったか…?

 

以上
『ユニコーンオーバーロード』のレビューでした。

 

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