
43本目のゲームレビューです。
評価
97点
〇神ゲー
間違いなく2022年のGOTYに列挙されるであろうタイトルです。
エルデンリングはどんなゲーム?
デモンズソウルやダークソウルなど今や世界中で人気ジャンルとなった「ソウルライク」を生み出した本家フロムソフトウェアの最新ソウル系アクションRPG
今作は同シリーズで初めてオープンワールドとなった。
感想など
はじめに
本作は発売前も発売後も大いに盛り上がっており、記録的な売上の更新、レビューも絶賛が多くなっています。そのため、初めてソウルシリーズをプレイした人も多いと思いますが、中には「そんなにすごいゲームか?」と盛り上がりに疑問を持つ人や「レビュー業者に金を配って過剰なマーケティングをしている」と言う人もいます。そんななんで盛り上がってるのかわからんという人のために私見ですがその理由を説明します。
まず、このゲームは完全新規のタイトルではなく、PS3のデモンズソウルから続くソウルシリーズの流れを汲むゲームです。そして、同シリーズは作を重ねる度に着実に進化を遂げファンを増やしていきました。さらに同シリーズには熱狂的な支持者がいることも特徴です。一時期は、ソウルシリーズ以外のソウルライクを排他する「ダクソ風警察」などと呼ばれた声の大きいファンも存在しました。
そんな同シリーズがダークソウルⅢ、ブラッドボーン、SEKIROと高い評価のゲームを出してきたのだからエルデンリングが大きな期待を集めるのは過剰なマーケティングなどではなく必然であり当然であったのかなと思います。
そして、リリース後のエルデンリングがこれほど高評価なのは、そもそも高い完成度であったことはもちろんですが、発売前から大きな期待を寄せていたファンたちの「期待通り」または「期待以上」であったことが大きいのです。高い期待のハードルを見事に超えたのです。
普通にゲームとしてみれば良ゲーで面白いのに、高い期待を超えられずにクソゲーと認定されるゲームがあります。某ゲーム紹介サイトでは「シリ不(シリーズファンから不評)」などと評されるゲームです。エルデンリングはその逆でいわば「シリ評(シリーズファンから好評)」です。シリ不のゲームは、これまでのシリーズやったことない人だと「普通に楽しめたけどそんなにクソゲーかなぁ」となりますが、シリ評だとその逆になるので、本作が初めての人から見れば「よくできてるとは思うけどそこまで傑作かなぁ」といった温度差になります。
よそのレビューを見てると、この温度差が結構あるなぁと感じます。結局、ゲームの好き嫌いなんて結局のところは単なる個人の嗜好の問題で人それぞれなんですけどね。
超高難易度
ソウルシリーズといえばとにかく難しいことで有名ですがエルデンリングもやっぱり高難易度です。
まず最初のストーリーボスのマルギットがやばい。単純に高耐久高火力なだけでなく、行動パターンが豊富な上、ディレイ攻撃でこちらの回避のタイミングをずらしてくるなどトリッキーな動きをしてきます。
しかし、高難易度に対する救済措置も豊富です。
詰まった時のシンプルな対処は、別の場所の探索に行ってきてレベルが上がってからまたくることです。
マルギットに詰まったのであれば東部や南部の地域を進めればいいのです。
別の場所を探索すればレベルも武器も強くなってまったく勝てる気がしなかったマルギットにも勝てるようになるでしょう。レベリングしてまたくればいいという選択肢がほぼないSEKIROに比べれば随分と易しいのではないでしょうか。
もう一つの救済要素が遺灰というNPCの協力者を呼べるシステムです。
自分の分身を生み出す写し身の遺灰が強いと言われていますが、他の遺灰もかなり強力です。
初期に入手できてそこそこの耐久と毒付与で活躍するクラゲや倒されても復活する民兵スケルトンなどはボス戦で呼び出せば大いに活躍してくれます。
CODE VEINをプレイしたことのある人ならバディよりも強いNPCを召喚できると言えばどれだけ難易度が下がるかイメージできるでしょう。
しかし、終盤あたりになると遺灰などの強力な要素をフル活用している前提の凶悪な難易度になってきます。
遺灰や強戦技を縛りプレイしている人はかなり大変でしょう。複数体ボスも多く敵の攻撃が激しすぎるので、遺灰で敵の攻撃を分散させないと逃げ回るしかできません。
ちなみに、初めてソウル系ゲームをやった人は何度も死にまくり同じ場所で2時間も3時間も立ち往生して「下手すぎてこのゲーム向いてないのかなぁ」と落ち込んでしまってないでしょうか。
ですが、諦めるのはちょっと待ってください。ソウルシリーズのゲームはシリーズ経験者だろうがアクション得意だろうが、基本みんな死にまくりです。同じ場所で2時間も3時間も詰まるとか普通です。平常運転だから頑張りましょう!
マップがかなり広いオープンワールド
エルデンリングのマップはとにかく広大です。
ゲーム開始時にマップを広げた時は「思ったより狭いなぁこんなもんか」と思ってましたが、ほんの一部でした(^_^;)
中盤くらいで「さすがにここがマップの一番はじっこだろう」って思ったらまだまだ北にマップが広がっていったときは驚きました。しかも地下世界なんかもあり、この地下世界も当初の想像よりずっと広いのでビックリです。
高い自由度でつい探索したくなるロケーションだらけ
エルデンリングの世界はただ広いだけではありません。密度もすごいです。
坑道や教会などマップで確認できる場所もありますが、マップでわからない場所でもあちらこちらに地下墓があったりスカラベ(戦技入手)がいたり、ドラゴンが襲って来たりとロケーションで溢れています。
そのためついつい「ここら辺なんかあるかな」って感じで散策してしまいます。
オープンワールドでここまで隅々まで探索したくなるゲームはそうそうないでしょう。
これは、普通のオープンワールドでよくあるイベントの場所やイベントの目的地へのマーカー表示をあえてなくしているためだと思います。イベント目的地にマーキングしてくれるのは確かに便利ですが、その分やらされてる感が強まりプレイヤーの選択肢や自由度を制限してしまうこともあります。
何かある場所が全てマップに表示されたらプレイヤーはそこにしかいきません。でもこのゲームはあえて必要な情報を制限することでプレイヤーに自由に探索させます。指示されずに歩き回って発見することでプレイヤーに自ら発見したという喜びを感じさせることに成功しているのだと思います。この喜びがあるからついつい歩き回って探索してしまうのでしょう。
クリアに100時間以上かかる膨大なボリューム
エルデンリングは世界が広い、密度も濃い。なのですごいボリュームです。
自分の場合は、そこまで徹底的にNPCクエやらアイテム回収をしてはいませんが、それでも100時間は超えました。
ただボリュームがあるのはいいですが、そのぶん周回プレイや2キャラ目作成とかは大変でしょう。
緩いけど絆を感じる独特のオンライン要素は健在
デモンズソウルからありますが、地面に他のプレイヤーに向けてメッセージを書いたり、他のプレイヤーの死に際を見れるといった繋がりを感じるぬるいオンライン要素はエルデンリングでも健在です。
部屋の中で待ち伏せしている敵がいれば「この先敵に注意しろ」とか隠し通路があれば「この先隠し通路があるぞ」などいっぱい書かれています。どうでもいいくだらないメッセージや嘘も多いですが、同じ苦労して頑張ってるプレイヤーたちのメッセージを見るとちょっとした絆を感じて自分は好きです。
今作は特にメッセージに教えてもらわないと気づかないような仕掛けも多かったので、マルチプレイしない派の人でもオンライン推奨です。
ストーリーはいつもどおりのフロム
ストーリーについてはいつもの「フロム脳で補完しろ!」です。
ただし、今回は物語のベースとなる神話に人気海外ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の脚本などを書いたジョージ・R・R・マーティン氏が関わっているとのことです。
個人的にはメリナをもうちょっとうまく使えばなぁ…という感じですメリ。
せっかくビジュアル的にはこれまでの火守女ポジションではトップレベルなのに初登場以降ほとんど引っ込んでしまったのがもったいないですね。祝福でくつろいでる時は常に隣にいてなんかやってるくらい前に出てるくらいでも良かったと思います。
おわりに
長々書いてしまいましたが1行で書くと本作は
「めちゃくちゃ広いダークソウル」
です。
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