120本目のゲームレビューです。
評価
〇格ゲーマーなら神ゲー
〇一般ゲーマーや格ゲー入門者なら良ゲー
格闘ゲームとしては最高峰の完成度です
1人プレイも充実していて対人戦をやらないかたでも十分に遊べます
『ストリートファイター6』とは
発売日・対応機種
●2023年6月2日 PlayStation5(4)/Xbox Series/PC
どんなゲーム?
カプコンのストリートファイターシリーズの『ストリートファイターV』(以下「ストV」、他のナンバリングも同様に略します。)から約7年ぶりとなるナンバリングタイトル
ストⅣとストVはストⅢ以前の時系列のストーリーでしたが本作はストⅢより後のストーリーでシリーズで最も後の年代となります
なお、ナンバリングの数字はストVまでのローマ数字であったが本作からアラビア数字の「6」となりました
感想など
すごく良かったところ
スト6のすごく良かったところはワールドツアーモードなど1人プレイモードが充実していてオンラインやローカルの対人戦でなくても十分に遊べるところです。
本作の目玉の1つのワールドツアーモードは自信の分身となるアバターをキャラクリエイトで作って箱庭サイズのメトロシティや世界各地を回り、通行人とバトルしたりストリートファイター達と交流したりしてキャラクターを強化し、ストーリーを進めていくモードです。
箱庭サイズのマップの路上でところかまわず通行人とバトルをする様は「龍が如くシリーズ」に近い感じがしますね。


キャラクリエイトはかなり細かい項目まで設定できて、もの凄く手足の長いキャラとかもの凄く太ったキャラとか幅広く作れるし、マンガやアニメのキャラクター、有名人のソックリさんなども作れてこれだけでも面白いです。
さらに、キャラクターのスタイルや必殺技などいろいろカスタマイズして自分だけのキャラを作って楽しむことができます。例えば、春麗のバトルスタイルで波動拳とサマーソルトと百裂張り手とローリングアタックを持ったキャラなどを作ることが可能です。
ボリュームも結構あってクリアまでに早くて10時間くらい、ゆっくりやれば20時間くらいはかかる程度あります。
サブクエなんかは、初期の龍が如くみたいにくだらないスベッた話がおおいですが、キャミィがクールに見えて可愛かったり、ブランカが意外に頭が回るというかセコかったりでキャラクター達の意外な一面が見れて過去の話が掘り下げられていたりしてストリートファイターの世界を十分に堪能できて楽しかったです。
あとは、CPUの強さが絶妙で高難易度の設定にした場合、本当に強いのですが人間には無理な超反応などはあまりしてこないで理不尽さはないという感じでよくできています。
アーケードモードやONE ON ONEモードでCPUと黙々と戦うのも面白いですね。
すごく残念なところ
ガッカリした点は、体験版のレビューでも書きましたがモダン操作です。
まずこのゲーム、6ボタンとコマンド入力の必殺技のクラシック操作でアケコン推奨といういつもの格ゲーとしてプレイする前提で作られています。
その上で「パッドで遊ぶ初心者でもプレイしやすいように」と1ボタン必殺技やオートで繰り出すアシストコンボが可能なモダン操作も用意されています。
ところがモダン操作には以下のようなデメリットがあります。
- 1ボタンで出した技は威力が下がる(8割)
- 必殺技は中しか出せない
- 通常技が6ボタンから3ボタンになったため出せない技がある
あと、正確にはデメリットではありませんが「タメ技の1ボタン必殺技はコマンド入力同様一定時間タメないと出せない」などもダメな点として挙げておきます(この仕様初めて知った時おもいっきりズッコケたよ…)。
格ゲーの常識の壁を打ち破る革新的なシステムのように大げさに宣伝されたモダン操作モードではありますが、結局のところ何も「モダン」でも「革新的」でもなく、せいぜい「かんたん操作モード」で同様のシステムは既に10年以上前から別の格ゲーでもそこそこ見られるようなものです。
例えば、アークシステムワークス開発の『グランブルーファンタジー VS』であれば操作モードなどいちいち分けなくても普通に1ボタンで必殺技が出せます。しかも、こちらは弱中強の使い分けができるしタメ技でもタメ無しでで技が出せますのでこちらのほうがずっと進んでますね。
スト6は「新しいストリートファイターを作る」というコンセプトのもと作られたらしいのですが結局のところ(対人戦については)いつもの格ゲー経験者以外は、入り込む余地のあまりない敷居の高いゲームになってしまっています。
攻略サイトなどでキャラクターの戦い方や戦術をみれば「差し合いは中Kにドライブラッシュを仕込んでおきヒットしたら屈中P→大P→236P」など書かれていて一般の人には難しいレベルのコンボが「このコンボが出来ないと人権がない(※ネットスラング)」というくらいできて当然の基本コンボとして紹介されているのですから格ゲーマーと一般ゲーマーの差は歴然だと思います。
スト6がこのように結局いつもの格ゲーから大きな変革を遂げられなかったのは、最初に6ボタンとコマンド技ありきで作ってしまったからでしょう。
最初から「今回のストリートファイターはコマンド技ないぞ!」という姿勢で作ればこのようにはならなかったのかなと思います。
あとは、体験版の感想でもいいましたが、やはり製作スタッフ達の「ストリートファイターはこうでないといけない」という固定観念が強すぎることです。「ガイルのサマーソルトキックはしゃがんでタメてから出すもの」というガチガチの固定観念にとらわれてしまっているせいで今回のようにタメてから1ボタンみたいな変テコなものができてしまったのだと思います。
対戦格ゲーとしてのスト6
散々不満を言わせてもらったけど、これはまったく新しいスタイルの格ゲーを期待してたけど結局いつもの格ゲーであったことにたいするガッカリです。
では、その「いつもの格ゲー」としてみるとスト6はどうでしょうか。
ズバリ、ハッキリ言ってめちゃくちゃ面白いです。上級者の人のみならず、格ゲーにある程度慣れ親しんだ人なら存分に楽しめると思います。
個人的には自分が今までプレイした格ゲーの中でも最高と言っていいかもしれません。
「ストリートファイター」という格ゲー最高の看板を背負うに相応しいナンバリングタイトルと言えるでしょう。
何が良いのかというと、格ゲーとしてのバランスです。流石に今まで格ゲーを作り込んできた製作スタッフ達だけあって、ゲームスピード、各技のモーション、当たり判定、ダメージなど細かく計算され丁寧に調整されています。そして、ドライブゲージによりガンガン攻めるほうが有利にはしているけど、一方的に技を押し付け合うだけのようなつまらない展開にならないようにうまく作られています。
ただし、キャラ間のバランスはまだ完璧とは言えず、今のところJPやディージェイあたりが突出しています。
とはいえ、リリースされたばかりの状態としてみればこれはかなり良い方だと思います。ストⅣやストVのリリース当初はキャラ間のバランスはかなり悪かったですからね。
キャラ間のバランスは今後のアップデートで調整されてより完璧に近づいて行くことを期待しましょう。
まとめ
まとめると以下のとおりです!
- 1人プレイモードが充実しているのがすごく良い
- ワールドツアーモードはキャラクリが充実、ボリュームもあって楽しい
- モダン操作は全然モダンじゃなくて残念
- 格闘ゲームとしては非常に完成度が高くめちゃくちゃ面白い
以上
『ストリートファイター6』のレビューでした。
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