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『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』の感想・レビュー

世代を護りながら戦う戦略活劇

203本目のゲームレビューです。

評価

79点

〇良ゲー

「めちゃくちゃ面白い!」と言うほどではありませんが、流石はカプコンといった安定した出来映えだと思います。

PS2時代の挑戦的なゲームを出していた頃のカプコンが帰ってきたようです。

『祇(くにつがみ):Path of the Goddess』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年7月19日 PlayStation5(4)/Xbox Series(one)/PC

※いずれもダウンロード版のみ

※Game Pass対応

どんなゲーム?

日本の老舗ゲームメーカー、カプコンの完全新規タイトルとなる戦略アクションゲーム
神楽や面といった和の文化のある山村を舞台に村人達とともに襲いかかる畏哭(いこく)を鎮め、巫女を護りぬく。

感想など

カプコンの完全新規タイトル

『祇:Path of the Goddess』は、バイオシリーズやモンハンでお馴染みの大手ゲームメーカー、カプコン完全新規タイトルとなるゲームです。

カプコンというと、最近は自社IPのナンバリングやリメイク、スピンオフタイトルの発売ばかりで、売れるか売れないか分からないリスキーなゲームを市場に出すことには慎重なイメージでしたが、本作はカプコン自社製の「RE ENGINE」を使い、制作期間4年をかけて作られた既存シリーズによらない全く新しい作品という同社としては挑戦的なタイトルになります。

大手ゲームメーカーの挑戦的なタイトル

防衛戦略アクション

『祇:Path of the Goddess』防衛ストラテジー斬撃アクションが合わさったゲームです。

よく「アクションによるプレイヤーの介入要素のあるTD(タワーディフェンス)」とか、「Orcs Must Die!(※)の様なゲーム」などと言われますが、自分は、タワーディフェンス要素はそれほど強くないと思いました。

というのも、タワーディフェンスというほど設置したユニットを固定砲台として放置しといていいということはなく、臨機応変に味方ユニット(村人達)に支持をして敵の群れに飛び込んたり、敵の範囲攻撃を避けたりする時がしばしばあるためです。そのため、OMDのようなタワーディフェンスというより「指揮官を直接操作して戦闘に参加できるRTS」だなぁと自分は感じました。

状況に合わせて指示が必要なあたりRTS

ゲームは各ステージに昼のターン夜のターンがリアルタイムで進行し、昼のターンにマップの探索(ユニットとなる村人の解放や罠等のギミックを建築しつつ霊道を引く)をおこない、夜のターンに侵攻してくる畏哭から巫女の世代(かわいい)を夜明けまで守り抜きます。そして、昼のターンの内に世代がゴール地点まで到達すればステージクリアとなります。

昼は村人を集めたり罠を設置したりして夜に備える

夜は明けるまで世代を防衛する

気になったのは、村人指示の操作にやや難があることです。

村人を固定砲台のように配置する程度なら特に問題はないのですが、実際は前述のように村人を動かしながら戦闘する場面もあり、そのような時は宋を中心とした範囲でしか移動先を指定できないことや、突撃/防衛指示が各ユニットではなく全体にしか出せないことなどが不便に感じました。集合指示なんかも強化項目ではなく最初からあるべき機能だと思います。

さらにもっと気になったのが、防衛準備をする昼のターンがリアルタイムで進むことです。もたもたしてると全ての村人や穢れを払い終えない内に夜が来てしまので急がされるのがストレスでした。

昼のターンの時間進行は、おそらく、本ゲームで自分が一番気に入らなかった部分です。時間を気にせずゆっくりと探索しながら戦略を練りたかったですね。

※Orcs Must Die!(OMD)

床・壁・天井にトラップを敷き詰め、攻めてくるオークの群れを迎え撃つアクションタワーディフェンスゲーム

拘りの和の世界観

『祇:Path of the Goddess』は、日本の古典期ないし中世の山村を舞台とし、神楽や面などの神秘的な和の世界観を持っています。

キャラクターのデザインは独創的で主人公である宋(そう)や村人の衣装や面、舞うような動きには強いこだわりが感じられます。

舞うような動きの宋のアクション

また、村人達は各拠点で詳細を閲覧することができ、その村人の出自や村での立場、人間関係などが細かく知ることができて面白いです。

様々な人間関係が垣間見える村人の情報

敵である畏哭のデザインや本作のメインヒロイン世代のデザインも拘りが感じられます。

畏哭は、日本の妖怪がモデルになっていますが、かなり異形度の進行したクリーチャーなデザインなっていて迫力があります。

異形のクリーチャー、畏哭

そして、本作の顔とも言うべきヒロインの世代は、表情に人形のような無機質さが感じられるもののどこか儚げで神秘的な雰囲気がよく表れています。

しかし、食べ物が口元に持っていったらヒュッと一瞬で消えてしまうところとかちょっと作り込みが甘い部分もあったりしました。

本作のヒロイン、世代

高難易度ではないが骨太なアクション

『祇:Path of the Goddess』のアクション部分については、ストラテジー部分より完成度が高いと感じました。流石は「アクションゲームのカプコン」といった感じです。

システムとしては、無双シリーズのような強攻撃で締める連撃ガードローリング回避パリィ、リチャージ制の奥義、それから最近すっかり定番になったブレイク(敵のスタミナを削り切ると一気に叩けるようになるやつ)とフィニッシュムーブ(ブレイク中に決めれる大ダメージ技)などが無難にまとまっています。

動きはややモッサリ系ですがその分一撃の重さを感じられるようになっていて、特にタメ攻撃である桜花ノ見得を大型やボスに当てた時のゴスッ!ゴスッ!という感触がとても気持ちがいいです。

私がよく使ったのは桜花ノ見得4桜花ノ見得2で大型の畏哭でも大体ブレイクしてフィニッシュムーブであるところの結ノ舞を決めれてこれまた爽快でした。

ゴスゴス感の気持ちいい桜花ノ見得

戦闘で特に印象に残ったのはボスの仏法僧との戦いです。

こいつは村人の援護の無い1隊1の状況で戦うことになりますが、いかにもパリィ取ってくださいと言わんばかりに刀をブンブン振ってきて、まるでSEKIROの弾き合戦のようで楽しかったです。

弾き合戦の楽しい仏法僧戦

難易度設定はありませんが、各ステージもボス戦も難易度はそれほど難しくありません。

段階のあるステージやボス戦では、失敗しても最初からではなく各段階からロード再開できるのもとっても優しくて良かったです。

曲がアツい犬神コラボ

『祇:Path of the Goddess』は、発売記念に『大神』コラボレーションが実施されおり、アマテラスの衣装と武器、世代ウシワカの衣装モデルが実装されていてタイトルメニューから変更可能です。さらにモデルだけでなくBGMも変更可能で、一部のゲーム内音楽を大神の音楽のアレンジバージョンに代えることができます。

特にボス戦の曲は、非常に人気の高い名曲「太陽は昇る」で非常にテンションの上がる曲です。

ちなみにオリジナルの曲もなかなか良いですよ。

『大神』は本作と世界観や雰囲気が似ているので、絶対合うだろうなあというのは分かりますが、本作は一部のボス戦にロック調の曲なんかあるので、他のゲームともコラボがいける感じもします。

DMCコラボとか案外悪くなさそうで見てみたいですね!

ダンテのコスしたとか意外に合うかも

宋にはいろんなコスが似合いそう

以上

『祇:Path of the Goddess』のレビューでした。

 

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