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『ストレイチルドレン』の感想・レビュー

かなりビターな弾幕避けRPG

242本目のゲームレビューです。

評価

評価不能

暗くて独特な世界観と怪しくてシュールなストーリー、ユニークな演出の戦闘のアイデアなど本当に素晴らしいRPGだと思いましたが、挑戦的というよりも悪意しか感じられない厳しい仕様は人を選びます。

そのため、好きな人は好きで傑作・神ゲーとなるでしょうが、合わない人には合わない、つまらないゲーム・クソゲーとなっていまいます。

私の場合、システムが不親切なのも難易度が高くて何度もやり直しさせられるのも我慢できましたが、取り返しつかない要素を踏まされるのはさすがに心折れましたした。

『ストレイチルドレン』とは

発売日・対応機種

発売日 対応機種
2024年12月26日 Switch

どんなゲーム?

ラブデリックが開発しアスキーから1997年に発売されたPlayStation用ゲーム「moon」の開発スタッフ達が手掛ける新作RPG

ゲームに吸い込まれてしまった主人公の少年は、怪物となったオトナが徘徊し、コドモ達だけとなった危ない世界を冒険する

感想など

暗くて独特な世界観のRPG

『ストレイチルドレン』PlayStationアンチRPGというコンセプトを掲げた異色RPG『moon』の開発スタッフ達が関与した作品で、『moon』と同様に独特な世界観を持ち、物語のテーマやコンセプトにも共通点が見られることから、精神的続編ともいえるゲームです。

moonの様な独特な世界観

秀逸なのは、物語を彩るキャラクターたちの独特なセリフの言い回しやテキストなどの言葉遣いです。

そのワードセンスは素晴らしく、ブラックユーモアとシュールさに満ちていて『MOTHER』『UNDERTALE』に匹敵する、あるいはそれ以上に独特の面白さを感じさせます。

また、ユーモアだけでなく、心に刺さる深いメッセージ性のあるテキストもあり、最後まで引き込まれる魅力があります。

言葉遣いとワードセンスが素晴らしい

ユニークな演出の戦闘

『ストレイチルドレン』のもう1つのユニークで独特な要素は戦闘です。これもアイデアが斬新で非常に面白いです。

簡単に説明すると、『UNDERTALE』のようにエネミーターンで敵が放つ攻撃(弾)をキャラクターを動かして回避します。

敵の攻撃をキャラクターを動かして避ける

本作は、敵キャラクターのデザインや攻撃方法が非常にユニークで、攻撃方法も様々なパロディ要素が取り入れられています。

例えば、SNSなどの「炎上」をテーマにしたようなオトナごくらくバード「幸せのあおい鳥」という旧ツイッターのロゴマークのようなデザインの鳥を飛ばしてきます。他には、まるで(というかほぼそのまま)インベーダードルアーガの塔をパロディにした攻撃をしてくるオトナもいて、面白いです。

パロディ満載の攻撃

しかし、これらの戦闘は非常にバランスが悪くかなり難易度が高くなってしまっています。

まず、敵の弾幕は多く、弾速も速いため、見てから反応するのでは間に合わず、ある程度パターンを覚える必要があります。その上、攻撃の威力も高く、しっかりとレベルを上げて挑んでいても2~3発の被弾でやられてしまいます。

特に厳しいのが攻撃がなかなか止まないことです。敵の攻撃は1回で終わらず、大抵おかわりでもう1セット攻撃を出してきて全てを避け切るは非常にしんどいです。

さらに、本ゲームは敵にやられた場合、前回のセーブからやりなおしになり、それまでに取ったアイテムや経験値、お金も全て失われます。

これだけ敵が強く、やられやすい仕様にもかかわらず、リトライができないのは令和に発売されたゲームとは思えない厳しさを感じます。

悪意しか感じられない仕様

本ゲームの戦闘は非常に厳しいものでしたが、オトナを1体成仏させるごとにセーブポイントまで戻り、トライ&エラーで慎重に探索を進めることで何とか乗り切っていました。

しかし、4番目の国、ねむりの国のキノコの谷では入口からセーブポイントに戻れなくされ、このやり方が通用しなくなります。つまり、ノーセーブで4体のオトナに連続して勝たなければならなくなるのです。

しかも、登場するオトナたちは攻略サイトを見ないと正解の説得手順が分からないテングキノコや最大HPの7割を削る高威力攻撃を持つゲロスライムなど強敵ばかりです。
そのため、私は、この先のセーブポイントで1体倒してセーブする方法ができるか入口に戻る道が開通するかもしれないと思い、エンカウントしたオトナを避けながらダンジョンを探索しました。

ちょっと進むと入口に戻れなくなるキノコの谷

正直この時点で、だいぶ不満は溜まってました。「1体倒す度にセーブなんてヌルいことさせないよ」という開発側の明確な意思(エゴ)によるプレイスタイルの強要が感じられたためです。それでも、開発者が押し付ける方法(=セーブしない)しかないのであれば、そうする覚悟もありました。

とりあえず、探索して道順を確認してからにすればいいと…。

しかし、それも叶いませんでした。

キノコの谷を出た瞬間、

オートセーブされて、

戻れなくなりました。

これで、二度と4体のオトナ達を相手にすることができなくなりました。全オトナコンプリートは無理です。取り返しのつかない要素です。

この瞬間、心が折れました。

そんなに頻繁にオートセーブ挟まないのに、この場所に限ってオートセーブを仕込んだ上で戻れなくする(しかも、この場所から少し進めば普通にセーブポイントがある)ことは、配慮に欠けるとかイジワルだとかそういうレベルではなくて、もうプレイヤーの気分を害する意図しかない悪意のある設計です。意味が分からない。

ゲームの難易度をどう感じるかは好みも個人差もあるから仕方ないんです。でも、これは違う。

確かに、オトナを4体取り逃しても進行に大きな影響はないのかもしれませんが、私の場合、取り返しのつかない要素は大きくストレスに感じるタイプなので一気にやる気が失せてしまいました(^_^;)

最後に(一応フォロー)

ゲーム自体は、動作に不安定な部分があるものの、私には合わなかったというだけで大変素晴らしい作品だと思います。

高難易度で取り返しのつかない要素があるということをあらかじめ承知の上でそれを楽しめる方であれば、最後まで投げだすことなくプレイできるでしょう。これらの事前情報を知った上で興味が湧くのであればオススメもできます。

開発に望む改良点

・セーブ仕様の改善

 オートセーブと手動セーブのスロットを分け、手動セーブスロットを複数用意する。また、オートセーブを戦闘終了後などにも行う仕様に変更。

・難易度調整

 弾幕の量を減らしたり、被弾ダメージが半減する「かんたんモード」などの設定を追加。

・キノコの谷の修正

 入口からセーブポイントまで戻れるようにする。

・取り返しのつかない要素への救済措置

 何らかの形で取りこぼしを取れる仕組みを導入。

現在の『ストレイチルドレン』は尖りすぎていますが、多くの改善を施せば、傑作になり得るポテンシャルを秘めたゲームです。

今後のアップデートや改善に期待しています。

以上

『ストレイチルドレン』のレビューでした。

 

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