160本目のゲームレビューです。
評価
89点
〇かなりの良ゲー
面白いです。ただし、若干、人を選ぶところもあると思います。
ビジュアルノベルというより、繰り返し遊べる1人用人狼ゲームです。
『グノーシア』とは
発売日・対応機種
発売日 | 対応機種 |
2019年6月20日 | PlayStation Vita |
2020年4月30日 | Switch |
2022年1月23日 | PC(Steam) |
2023年12月14日 | PlayStation5(4)/Xbox series(one) |
どんなゲーム?
ゲーム制作サークルのプチデポットが開発し、PLAYISMが販売(Vita版とSwitch版の販売は別)するシングルプレイSF人狼ゲーム
人間を消失させる危険な存在に汚染された者「グノーシア」のいることが発覚した宇宙船内で、プレイヤーを含めた最大15名のキャラクター達が、生存をかけた議論と投票の人狼ゲームを行う
プレイヤーは時間をループして何回も議論と投票の人狼ゲームを行うことになるが、ループの度に参加人数や汚染者、役職が変わる。そして、何故ループするのか、「グノーシア」とは一体何なのかをループを繰り返して探り、解き明かしていく
感想など
シングルプレイSF人狼ゲーム
『グノーシア』は、1人のプレイヤーと複数のNPCで人狼ゲーム(「汝は人狼なりや?」)をするゲームです。
人狼ゲームのルールについては、『レイジングループ』のレビューに詳しく書きましたので参考願います。
グノーシアと人狼ゲームとでは、以下のように配役の名称が変わります。
乗員 = 村人
グノーシア = 人狼
エンジニア = 占い師
ドクター = 霊媒師
守護天使 = 狩人
AC信者 = 狂人
バグ = 妖狐(※)
※バグ(人狼ゲームの「妖狐」)
人間側とグノーシア側のどちら側でもない第3陣営で、2陣営のどちらかが勝利条件を満たした時に生存していれば、バグの勝利となる。
人狼ゲームをモチーフとしたゲームというと、上に挙げた『レイジングループ』がありますが、『グノーシア』は『レイジングループ』のようなノベルADVとは少し違います。
『レイジングループ』が物語の題材として人狼ゲームを扱ったノベルADVであったのに対し、『グノーシア』は、人狼ゲームをすることがメインコンテンツのゲームです。
この点で『Among Us』のようなオンラインSF人狼ゲームと類似性があるかもしれませんが、『グノーシア』は対人のマルチプレイ専用ではなく、NPCとのシングルプレイ専用のゲームです。
「コミュニケーションが中心の人狼ゲームをNPCとやって面白いの?」と疑問を持つ人もいるかもしれませんが、『グノーシア』のNPCキャラクター達は、論理的に思考するだけでなく、感情に流されて騙されたり、協力したり、疑ったりなど上手い具合に人間らしい反応をするようになっています。
例えば、プレイヤーがグノーシア側で人間側のNPC「ジナ」から疑われていたとします。その日の夜にグノーシアとしてジナを消してしまうと「ジナを消したいと思っていた人物が怪しい。つまり、プレイヤーは、グノーシア?」と疑われることになります。
または、これを逆手に取って人間側のキャラクターに疑いをミスリードさせることも可能です。
人間側のプレイなら、明らかにグノーシアとわかる偽物(例えば、自分が本物のドクターなのにドクターとして名乗り出てきた偽物)を極端にかばったり同意したりするキャラクターがいれば、そこから推理することもできます。しかし、ラキオ(グノ側)のように味方の逆張りするキャラクターもいれば、しげみち(人間側)のようにとりあえず何でもかばってくれるキャラクターもいるなど、性格も多種多様で一筋縄でいきません。
このように、NPCの思考や反応のパターンがとてもよくできているため、人間を相手にしているような心理戦を楽しむことができます。
ループして繰り返しプレイ
『グノーシア』は、いわゆる「ループもの」設定で、どちらの陣営の勝敗かに関係なく、人狼ゲームの決着がつくと再び1日目の議論開始前まで時間を遡ります。
このループのたびに、参加人数や誰が人間側で誰がグノーシア側なのかといった配役も変化します。
ある程度、シナリオが進めば、参加人数や職業の有無、プレイヤーの配役を自由に設定できるようになります。
配役変更で毎回違ったゲームになり高いリプレイ性があることから『グノーシア』は「ローグライク人狼ゲーム」ともいえます。しかし、ローグライクといっても毎回ゼロからスタートという訳ではなく、1ゲーム終了すると勝敗に応じた経験値を入手します。
経験値を溜めてレベルを上げれば、各ステータスを上げたり、議論用のコマンドを覚えてゲームを有利にすすめることが可能です。
また、特定の組み合わせや条件で夜のターンに各キャラクターに絡むイベントやメインストーリーとなるイベントが発生して情報を入手できます。
情報(全キャラクターの特記事項)を全て集めて、ストーリーを最後まで進めればゲームクリアとなりますが、そこまでにループする回数はかなり多いです。
私の場合、クリア(真エンド)までに100周以上、ループをしました。
『グノーシア』は、非常に好評で評価の高いゲームですが、一部、賛否両論の部分があるとすれば、この点でしょう。リプレイ性があるとはいえ、100回以上も人狼ゲームをすれば、流石に反復感で飽きや疲れを感じてしまいます。
また、ビジュアルノベルな部分も確かにありますが、基本的に大部分が人狼ゲームなのでビジュアルノベルを期待してしまうと肩透かしになる可能性もあります。世界観やキャラクターはとても素晴らしいのですけれどね。
個性的なキャラクター達
『グノーシア』に登場するキャラクター達は、遥か未来のSF世界観をうまく利用した斬新でユニークな設定を持っています。
この総勢14名の個性的なキャラクター達を個人的に強い印象を持った順番で紹介しようと思います。
1.ラキオ
ラキオは、優秀な頭脳と高いプライドで他人を見下したドS系の生意気王子タイプで『グノーシア』でも特に存在感のあるキャラクターです。
『ニューダンガンロンパV3』の王馬小吉みたいなタイプで人気投票をすれば、大体がセツと1位2位を争う人気になりそうです。
しかし、嫌みな性格が災いして人狼ゲームの投票でも悪い意味で人気を集めてしまうのは御愛嬌です。
性別は「汎性」となっていますがおニンニンがついています。
派手な衣装とメイクで気づきにくいですが非常に美系です。
2.SQ
SQは、『グノーシア』のヴィジュアルコンセプトを象徴するキャラといえます。パッケージの絵を飾る2つの顔はとても印象的で、このパッケージイラストでゲームに興味を持った人もいるのではないでしょうか(私がそう)。
パッケージを飾っていますがメインヒロインとかではありません。でも、SQじゃなくてセツがパッケージイラスト飾ってたらそこまで興味を持たれなかったかもしれません。セツは可愛いけど地味というか華がないんすよねぇ。
人狼ゲームの方では、序盤こそ見事に騙されましたが、後半はこれといった活躍は見せませんでした。
3.コメット
コメットは、「直感」極振りの性能で人間側の時は敵側の嘘を見破ってくれて、うまく活用すればとても役立つ面白いキャラクターです。
自分がグノーシアの時は、嘘を見破られて危険そうに思えますが、ロジックとカリスマが全然ないので他の人間が意見に賛同せず実は大した脅威にはなりません。
4.オトメ
オトメは見てのとおりイルカのキャラクターです。
windows98とか2000とか使ってたおじさん世代なら「お前を消す方法」とか化石時代のネットミームを言いたくなるイルカです。
尖った能力はないのですが、1番MVP的な活躍が多かったかも。
残り3人で自分がバグの時にオトメ(グノ)と手を組んで「一緒にククルシカ(人間)吊ろう」って約束したと思ったら、手のひら返されて自分に2票入れられた時は思わず「やられた!」って感じでしたね。
5.しげみち
どこからツッコんでいいのか分からない衝撃的な登場の仕方をするしげみちは、怪しい見た目とは逆にめちゃくちゃ「良い奴」です。
とんでもなく嘘をつくのが下手なため、偽物として名乗り出ると他のNPCに次々と見破られてあっという間に吊るされてしまいまうので一緒にグノーシア側になった時は注意が必要です。
逆に名乗り出たのに他のNPCから怪しまれなかったら本物なのかなという推理も可能です。
6.セツ
セツは一応、メインヒロインです。
ただし、性別は女性ではなく「汎性」です。
周りからの信頼が厚いためか、敵側に回ると吊りにくくてやっかいです。
人間側で味方同士だと心強いですが、やはりグノーシア側のヘイトを集めやすく、よく喰われます。彼女と一緒に生存する条件で取得する情報は多いので守護天使プレイなどで上手く守ってあげたいですね。
エンディングで一気に株のあがるキャラクターです。
7.沙明
ずっと読み方わからなくて「しゃめい」と呼んでましたが「シャーミン」と読むそうです。
沙明は、登場時の印象はかなり悪いですが、実は、結構いい奴で私の中での好感度も上がっていきました。
「雑談する」とか「土下座」などの強いスキルもくれます。
エピローグも良かったですね。チャラいけど結構好きなキャラかも。
8.ジナ
ジナはとても献身的でキャライベントの時などは、完全にヒロインな活躍をします。
能力が低いため、すごくチョロい…というか騙されやすくて辛いです。
「手を組もう」と持ち掛けた時に「嫌…かな」とバッサリ断られるのも辛いです。
9.夕里子
由里子様は、思わず「様」をつけて「由里子様」と呼んでしまいそうになるキャラクターでございます。
由里子様はラキオの上位互換ともいえる最強のステータスの持ち主でございます。
でも、コールドスリープの票もラキオみたく集めやすいし、グノーシア側からもよく喰われるので、情報取得の関係で残して置く必要がある時は注意して差し上げましょう。
10.シピ
シピは、1番まともそうに見えて1番狂ってるキャラクターです。
序盤は何故か彼と一緒にグノーシア側になることが多かったです。
露骨に味方グノーシアを庇ったりして、動きが単純なので見破りやすいです。
11.ステラ
グノーシアの時の壊れた顔が怖いです。
「人間だと言え」で名乗り出なかったら8割黒なのでチョロいです。
12.ククルシカ
沙明とは逆でプレイを進めれば進めるほど印象が悪くなるキャラクターです。
好感を持てるのは、もうボルシチを想像してる時だけです。
13.レムナン
紛らわしいんじゃお前!
14.ジョナス
石油王。
まとめ
Vita版が発売された頃からずっと気になっていたゲームで、今回、PlayStation版のリリースを機にプレイするに至った『グノーシア』は、個人的に、非常に面白く楽しめたゲームでした。
人狼ゲームの要素が強く、純粋なノベルゲームとは異なりますが、世界観、シナリオ、キャラクターは大変良くできています。
「人狼ゲーム」、「ローグライク」、「SF」が好きな人には特にオススメできるゲームだと思います。
以上
『グノーシア』のレビューでした。
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