122本目のゲームレビューです。
評価
87点
〇かなりの良ゲー
率直に楽しい、面白い。
FF13やFF15のように尖った部分はなく無難と言えば無難ですがアクションもストーリーも高いレベルでまとまっています。
『ファイナルファンタジーXVI』とは
発売日・対応機種
●2023年6月22日 PlayStation5
どんなゲーム?
1987年に発売された『ファイナルファンタジー』から始まり、今や世界的な人気のゲームシリーズとなったファイナルファンタジーシリーズ(FFシリーズ)の16作目となるナンバリングタイトル
ファイナルファンタジーXIV(FF14)のプロデューサー兼ディレクターを務める吉田直樹氏がプロデューサーを務め、ラストレムナントなどでディレクターを務めた高井浩氏がディレクターを務めます
感想など
世界的人気のFFシリーズ
『ファイナルファンタジーXVI』(以下「FF16」、他のナンバリングタイトルも同様に略称します)は、スクウエア・エニックスが発売するファイナルファンタジーシリーズ(FFシリーズ)のFF15から約6年半ぶりのナンバリングタイトルです。
同シリーズは、日本ではドラゴンクエストシリーズ(DQシリーズ)とともに「国内2大RPG」とも言われ、海外においても絶大な人気を誇るロールプレイングゲームです。
特にFF6(1996)からFF8(1999)が出たあたりの人気はドラクエを上回り、学校の友達は皆FFやってるし新作の発売日はゲーム屋への行列やそれを狙った不良のカツアゲ(FF狩り)がニュースになるほどの社会現象が巻き起こり凄まじい人気でまさにTVゲームの中のトップに君臨するRPGでした。
しかし、この人気もFF8以降、陰りを見せ始めFF10で盛り返したもののFF13(2009年 PlayStation3)、FF15(2016年 PlayStation4/Xbox One)の不評と不振により大きくブランドイメージを落とし、Z世代の若者たちも「プレイしたことはない」、「昔のゲーム」といった感じで過去の栄光を失い低迷している状況です。
このように地に落ちたブランドをフェニックスの如く再生させるため、スクウエア・エニックスはFF14のプロデューサー兼ディレクターとして実績のある吉田直樹氏に白羽の矢を立てて彼にプロデューサーを任せることでFF16は開発されました。
新しいファイナルファンタジー
FFシリーズはDQシリーズと違いゲームシステムなどを毎回大きく変えてくるのが特徴です。今回、FF16であった大きな変化と言えばやはりバトルがアクションになったことでしょう。そして、仲間として同行するキャラはいてもプレイヤーが操作するのは基本的に主人公のクライヴ1人のみというのも大きな特徴です。
日本においてRPGというゲームジャンルは、ドラクエのようなコマンド入力式のバトルというイメージが強いのですが、FFシリーズにおいてはターンがリアルタイムになったり格闘ゲームのようなコマンド入力や空中コンボがあったりアクションゲームっぽいものになりつつあり、前作FF15ではほとんどアクションといっていいバトルシステムになっていました。
しかし、今作FF16のバトルシステムはFF15以上に完全なアクションゲームとなっています。
アクションゲームとしてどのようなタイプかというと近いのはデビルメイクライシリーズでしょう。敵を浮かせて空中コンボを決めたり、敵の攻撃に合わせてプレシジョンドッジ(直前回避)やパリィを決めて反撃したり最近のアクションゲームにある要素も大体詰まっています。
特にコンボは、実戦で攻略に使えるだけでなく派手で爽快です。
例えば、ライジングフレイムで敵を浮かせて、トルガル(犬)で追撃→フェニックスシフトで自分も飛び上がってエリアルコンボ→空中ガウジで敵を吹っ飛ばす→吹っ飛ばした敵をガルーダエンブレイスで引き寄せる→空中ウィケッドホイールでさらに敵を浮かす→さらに追撃など様々なコンボができるようになっていて研究のやりがいもあります。
ただ2点ほど気になる点があって、これが爽快なアクションで楽しむための弊害になっている気がしました。
1点目はアビリティには再使用するまでの時間(リチャージ時間、クールダウン)があり、これが長いことです。敵を浮かせるための技ならライジングフレイムで20秒、ウィケッドホイールなら30秒もあります。このせいで、ザコをコンボで倒して次のザコに行こうとした時にまだ使えないという状況が結構あり寂しい思いをしました。
アビリティはクールタイム制じゃなくてイースのようなSP制でガンガン使っていけるようなのがよかったかなぁと思います。
2点目は召喚獣のモードの切り替えが大変なことです。
それなりのコンボをするためにはコンボの最中に召喚獣の切り替えをしていく必要がありかなり忙しいです。1つの召喚獣に2個しかアビリティがつけれないのとフェニックスシフトやガルーダエンブレイスなどコンボの継続に強い動作が対応する召喚獣を付けてないと行えないことが問題です。
フェニックスシフトやガルーダエンブレイスはどの召喚獣でも使えるようにして欲しかったですね。
R2押しながら〇や×もアビリティをセットできればよかったのに…。
オートアタックで簡単に派手なアクション
FF16のバトルの要であるコンボやドッジ・パリィなどの操作はアクション慣れしてる人でないと難しいですが、ゲーム設定や装備品でオートアタックを有効にすると□ボタンをポチポチ押していくだけで勝手にスタイリッシュなコンボを繋げてくれます。ストリートファイター6のアシストコンボと同じと思ってもらえばOKです。
このオートアタックが良く出来ていて、延々と空中で斬りつけたり、コンボの間に上手にトルガル(犬)を挟んだりなど難易度の高そうなコンボを軽々とやってのけてしまいます。
自分で派手なコンボをできる人は当然自分でやったほうが楽しいと思いますが、オートアタックでボコるのもちゃんと爽快で楽しい(何よりラク)のでプレイヤーのお好みでいいと思います。
ただし、オートアタックは召喚獣を勝手にコロコロ切り替えてしまうため、一部の動き(例えば、怯んだ強敵にガルーダエンブレイズでダウンを奪うときとか)が狙いにくくなります。そのため、私は、最初の方こそオートアタックも使っていましたが、途中からはオートを使わないマニュアルのアタックでバトルするようになりました。
あと、オートドッジの方はプレイヤーがクライヴを操作してる感、シンクロ感がかなり削がれる気がするのであまりお勧めはしません。回避のアシスト目的で使うならオートスロー(上の動画の10秒のとこで出してる一瞬止まってQTEのようになるアシスト)のほうが「俺上手ぇ!」感があってお勧めです。
このように、FF16はアクションが苦手な人でも派手で爽快なバトルを体験することが可能となっています。
ダークなストーリー
FF16のストーリーはこれまでのFFシリーズ(というかJRPG)と比べてもダークで残酷な描写の多くCEROのレーティングでD(17才以上対象)となっています。
国家間の争いが絶えない世界のため戦争ばかりで虐殺を行っているような描写がたくさんあります。
また、主人公のクライヴなどがなっているベアラーと呼ばれる人たちは、頬に印を入れられて人権のない奴隷として扱われていて容赦なく迫害されている様は非常に重く残酷です。
さらに、残酷なだけでなくいわゆる胸クソ展開も多いので苦手な人は注意です。
暴力表現についてはディレクターの高井氏いわく「自然な表現をしたい」という理由からだそうです。剣で斬った相手から血も出ないで倒れるのは不自然というのは当然ですね。
そして、ストーリーについては、国家間の争いや階級による差別と迫害などを生々しく描いているため、今までのJRPGにありがちな「世界を救うために魔王を倒す」という勧善懲悪な10代向けのストーリーではなく対象となる年齢層の高い大人向けの複雑なストーリーになっています。
また、開発チームには海外ドラマの『ゲーム・オブ・スローンズ』のファンが多いため同ドラマの影響も多くみられるようです。
このような「国同士が戦争に明け暮れている世界観」をテーマとしたファンタジー作品は多くありますが、FF16ではそこからさらに「FFらしさ」が加わります。
そうです。召喚獣です。
戦争の切り札として1体で兵士たちを薙ぎ払っていき、反撃に相手の軍が出した召喚獣同士の対決はさながら怪獣バトルで大迫力です。召喚獣が軍の兵器として戦略に大きく関わっているのが面白いですね。
また、FFのシンボル的なマスコットキャラクターともいえるチョコボももちろん登場して馬のように乗って移動することもできます。
あと、割とどうでもいいけどモーグリも登場します。
魅力的なキャラクター
ジルがカワイイです。
以上。
というのは冗談で(ジルが可愛いのは真実)FF16のキャラクターはとても魅力的です。
ビジュアル的には、髭を生やしたりして若干ダンディにはしているものの、いかにも日本(韓国や中国も)のゲーム会社が作ったようなリアルよりややCG的なイケメン・美女が多いのですが性格やキャラクターとしては、日本の漫画・アニメにあるような濃い・クドい・キモい尖り方はせずに好感の持てるキャラクターが多くて良かったです。
クライヴ
主人公のクライヴ君は青年期はややブラコン気味で成年期になると超陰気になってしまうのですが、ベアラーとして10年以上も酷い目に会ってきたこととか考えると仕方ないなとも思えるし、そこから段々と真実を受け入れ立ち上がり成長していく姿はとても良かったし感情移入ができました。
よく見なくてもめちゃくちゃイケメンですね。
シド
FFでは毎度、同名のキャラクターが登場するシド。
FF16のシドはとにかくカッコイイですね。飄々としているけどクライヴやベアラー達にとても親切にしている聖人。序盤の方はもうこいつが主人公でいいんじゃない?くらいの活躍ぶりです。
ところで「シド」って名前のキャラクターは作を重ねるごとに立ち位置やポジションの重要度が高くなってる気がしますね。
ジル
ジルはもう完全にクライヴ君の嫁って感じですね。ヒロインとしてストレートなノロケっぷりは、今や1周回って大人気のようです。
でも、多分怒らせたら怖いです。
ほかにもガブやベネディクタ様など印象的なキャラクターは多いです。
また、ブラックソーンやカローン婆さんなどの拠点の味方たち、マーサやルボルなどシドの協力者たちは中盤以降にサイドストーリー(クエスト)においてキャラクターの掘り下げがしっかりおこなわれていて良かったです。
クエストは、やることは面倒なお使いばかりといえばそうなんですが、ストーリーは上で言ったようにキャラクターの掘り下げで報酬も新しい装備のアンロック、ポーションの回復量強化や所持数強化など嬉しいものもあり悪くなかったと思います。
気になった点
FF16で気になった気になった点は大きく4つあります。
その1 チュートリアル出すぎ
ある程度プレイすればさすがになくなってきますが、序盤は本当に何かする度、動く度にチュートリアルがピョコピョコ出て来て鬱陶しかったです。
いっつも言ってるけどいちいち「Lスティックで移動」をチュートリアルで出さないで…。言われなくても知ってるし分かってるから、Lスティックが移動じゃなかったらどうやって移動するの?
ストリートファイター6も同じでしたがはじめてメニュー画面開いた時にL2・R2で項目選ぶ度にチュートリアルが出て来て各項目の説明を出されるのとかウザすぎてつらかったです。
笑ってしまったのが、ドアを開けるときに「ドアの開け方」のチュートリアルがでてきたことでしょうか。言われなくてもやってりゃ分かるチュートリアルは出さないほうがいいんですよ。そうしないと、本当に大切なチュートリアルを見逃してしまいますから。
その2 画面が暗すぎ
結構言われていますが、本当に暗いと思います。やっぱくれぇわ。
序盤だけ暗いのかなと思いましたが特にそんなことはなく、中盤以降も暗いポイントが多いです。というのも暗いのは夜だけでなく、昼でも屋内は灯が少ないので暗いんですよね。つまり、晴天の屋外以外は大体暗いです。
実際、リアルさを考えればLEDの電灯もない世界ですからこれくらい暗い方が確かに自然といえば自然なんですが、そこはもうちょっと何とかして欲しかったぁというところです。
何より、暗いというだけで景観にとってはマイナスですからね。グラフィックの質自体は高いのに暗さのせいでその良さを実感できないというのはちょっと惜しいと思いました。
その3 ボスと強敵が固すぎる
やはりHPが多すぎな気がします。
バトルがアクションになったのでさらに疲れます。何回ダウン取ればいいの…。
特に召喚獣バトルはこちらにできる事が少なく単調になりがちな割りにボスのHPが多くて無駄に長いバトルになって辛かったです…。
HPは今の半分くらいでも良かったかなぁ。
その4 一本道すぎる
ストーリーに力を入れているのは良いのですが自由度が低く一本道です。
もはやRPGというよりステージクリア制のアクションゲームと思えるくらいです。
やはり今どきオープンワールドでないのは古臭い感じがして厳しいですね。
狭いマップをチョコボに乗って駆けながら「これがオープンワールドだったらなぁ…。」と何度思ったことか。
あとは、キャラ成長のビルド要素やトレハン要素などももっと欲しかったですね。近接特化ビルドとか雷特化ビルドとかできたり、武器にしてもいろいろな効果がランダムで3つか4つついててトレハンで掘れたりとか。属性はやっぱりあったほうが良かったと思います。
まとめ
まとめると以下のとおりです!
- 本格的なアクションとなったバトルは爽快感抜群!
- コンボや回避などのアクションが苦手でもオートアタックで楽しめる!
- ストーリーはダークで大人向け!
- 召喚獣バトルかっこいい!チョコボも出るよ!
- ジル可愛い!
- 序盤やたらチュートリアルが出るのと画面が暗いのが気になった!
以上
『ファイナルファンタジーXVI』のレビューでした。
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